グランブルーから地上へ行くのは間違っているだろうか?   作:クウト

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おひさ


新たな冒険の予感

どうしてこうなったのか。

アイズとリヴェリアさんがベル君とリリルカを地上に運ぶことなり、俺とユエル、ソシエは何故なのか。そのままロキファミリアの遠征にしばらくついて行くことになった。

 

「絶対におかしい」

 

「まぁこんな事もあるんとちゃう?」

 

「そうかも。私らの旅って、そんな感じで巻き込まれる事多いから」

 

否定ができない。

あっちへ行けば事件が起こり、こっちへ行けば巻き込まれる。そんな状態だったからな。

 

「で?遠征組は何処までいくんですか?」

 

「59階層だよ」

 

フィンさんに改めて目標階層を聞いてみると、まさかの長旅になる予感。これはリヴェリアさん達がヘスティアちゃんに知らせておいてくれるのを期待するしかないか。

 

「さて、道中で気が休めるわけでもないが、君達のことを聞いてもいいかい?」

 

「だから……それ、わかって聞いてるんですか?」

 

「もちろん。だが、それでも見過ごせないんだよ。ベートを倒してしまう力、その未知の魔法。そして、あのモンスターの情報。あの時の小さいヒューマンの娘についても」

 

フィンさんは歩きながら俺の目をしっかりと見て言う。

 

「僕はロキファミリアの団長だ。団員達の命を預かる立場にいる。だからこそ、君の持っている情報が欲しいし、君とのパイプも持っておきたい」

 

「情報はともかく、パイプを持つのに俺の魔法やらの秘密、それに仲間の情報まで明かすのは違うんじゃないですか?」

 

「そこは僕の興味もあるね」

 

おいこら!!

あんたの興味のために、なんで俺の手札晒さないといけないんだよ!!いやまぁそれはいいとして。

 

「あんた、ずいぶん踏み込んでいくんやなぁ」

 

「あはは……私もユエルちゃんの言う通りやと思うな」

 

「ユエルー、ソシエー。ロキファミリア団長が俺をいじめるー」

 

おふざけ空間になるようにふざける。

 

「可哀想になぁ。ほら、うちらが慰めたるわ」

 

「あんまり、グランはんを虐めないでほしい、な」

 

こうやって乗ってくれる辺りありがたい。

正直ロキファミリアのメンツが多いからアウェー空間すぎるわ。

こんなおふざけをしたが、それほど和らいでもいない空気を感じながら俺はダンジョン内を歩かされたのだった。

 

 

 

のらりくらりと聞かれることについて、はぐらかしながらもうだいぶ歩いている。あれから時間が経ち過ぎたせいでユエルとソシエも向こうに戻ってしまった。

まぁここでもちょっと騒ぎになったが大丈夫ですの一点張りで流していると流石にフィンさんも今は諦めたのか聞いてくることはやめたようだ。

 

「ここが50階層ねぇ。遠くまで来ちまったなぁ」

 

拠点を作るロキファミリアの面々を見ながら呟く。巻き込んだのだから何もしないでもいいと言われているが……。なんか居心地は悪いよなぁ。

 

「ここにいたかグラン」

 

「ん?あぁ、リヴェリアさんか。あんまり近くにいたら居心地が悪いからね」

 

「それはすまない。だが、今夜みんなの前で突入隊に入る事を言うのだから、気にするだけ疲れるぞ?」

 

「ならここに残るでも良いんですけどね〜。もしくは帰る」

 

「今更文句を言いつづけても仕方ないだろう?そろそろ腹をくくったらどうだ?男の子だろう?」

 

なんだか最近、この人まで煽ってくるな。たぶんユエルあたりに入れ知恵されたか?

 

「あーはいはい。従いますよー。ついていけば良いんでしょー」

 

「あぁ、頼りにしているぞグラン」

 

そう言って去っていくリヴェリアさんを見送った。

 

 

 

夜。

ロキファミリアの面々が円を組み、作戦会議が行われた。突入メンバーが発表される中、フィンさんは俺の方に向き話を切り出す。

 

「なお、今回はヘスティアファミリアに所属しているグランも共について来てもらう。連携の問題などがあると思うが、基本的に遊撃として自由に行動してくれて良い」

 

本当にこいつを連れていくのか?といった視線が集まるが気にしない。団長であるフィンさんを始め、幹部メンバーたちも殆どが同意しているからだ。というか、開き直ることにした。

おう文句あんのか?こちとら巻き込まれただけだからな?帰ってもいいぞ!

 

「グラン。悪いが一言もらえるだろうか?」

 

……はぁ。ここで変な事を言っても士気を下げるだけか。

よし、やるか!

 

「ヘスティアファミリア所属グランだ。今回は急遽巻き込まれた形になってしまったが、足を引っ張るつもりは無い。よろくし頼む」

 

「ありがとう。彼の強さはみんな知っているだろう?だから安心してもらって大丈夫だ。会議は以上だ。各自明日に備えて休んでくれ」

 

「では、渡すものを渡しておこう」

 

そういって椿さんに連れて行く幹部メンバー達を見送りながら俺は俺の時間を過ごす事にする。

……俺にとっても未踏の地。久しぶりに緊張するが同時にワクワクもしている。

今、俺にも新たな冒険が始まろうとしている気がしたのだった。




遅れて申し訳ないから、番外?もあげとくね。

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