グランブルーから地上へ行くのは間違っているだろうか?   作:クウト

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酒場での騒ぎはもはや当たり前だと思う。

「とりあえず此処はダンジョンなんだろ?出ようぜ」

 

カリオストロの一言で俺たちはダンジョンから出る事にした。確かにもう外はいい時間だろうしこの辺で切り上げるのも悪くない。稼ぎは結構あるだろうし。

 

「外に出たらこの世界の魔法薬とか見てみたいなぁ☆」

 

「やっぱりこっちのアイテムとかは気になるものなのか?」

 

「天才美少女錬金術師としては気になるかなぁ☆それを抜きにしても異世界は興味深いしね☆」

 

まぁ確かにさっきから魔石やらドロップアイテムを貸せと俺から奪っているぐらいだ。カリオストロならこの世界というかダンジョンの真理も見てしまうんじゃないだろうか?

 

「そ、れ、にぃ。この世界でグランと二人でデートするのもいいかなぁって☆」

 

「おっさん……」

 

「てめぇ雰囲気ぶち壊すの得意だよなぁ。そろそろ俺も本気で殴るぞ」

 

「ごめんなさい」

 

「しょうがないなぁグラン君は。カリオストロとのデートとかそんなセリフを恥ずかしがってるだけってわかってるから許してあげるね☆」

 

「違うわい!」

 

「ククク。隠すなよ童貞」

 

「う、うるせぇし!こちとら健全なだけだしプラトニックとかいうやつだし!!!」

 

「なんなら相手してあげてもいいんだよ☆」

 

「いや、それはいいわ」

 

冷静になってしまった。

認めよう。カリオストロは可愛い。中身がおっさんであってもそれは過去のものと思える。可愛いからいいじゃないか。そう思える。

だが何故なのだろう。こう、直接的なことを言われると冷静になってしまうのだ。

 

「おいおい考えてもみろよ。この世界では向こうの奴らはいない、俺とお前だけだぞ?何をやっても秘密にすればバレる訳ないんだぞ?」

 

「いや、それでもねぇから」

 

「……そうかよ」

 

ん?なんか少しばかり威勢が悪くなったか?

 

「カリオストロが嫌とかじゃねぇよ。まぁなんだなんかよくわからないけど、こう、モヤモヤするんだ」

 

「……あーはいはい。お前はそんなやつだよ。わかってる」

 

「ん?ならいいんだけど」

 

「これだから異常に人気あるんだよお前ら姉弟は」

 

「え?どういう事?」

 

「一生わからないままでいいよお前は」

 

そう言いながら先に歩いて言ってしまうカリオストロを追いかけていくのだった。

 

 

 

そうして俺たちはダンジョンから出てきた訳だが陽が落ちてきたなぁぐらいの時間。まだ夕方な訳だ。

 

「ほぅ?これがオラリオとか言う都市な訳だな?興味深いのが山ほどありそうだ」

 

「あのぉお腹空いたんで程々でお願いできないでしょうか?」

 

「ならさっさと案内しやがれ」

 

「んー。ならディアンケヒトファミリアかな。てか、そこしか俺の知り合い居ないし」

 

「ほーう?また手が早い事で」

 

 

「どうせ女とみた。かけてもいいぜ?」

 

「当たってる」

 

「やったぁ☆夜ご飯はグランの奢りで決定だね☆それとぉ、この世界の魔法薬と各書籍と」

 

「いや待て程々にしてくれませんか!?せめて晩ご飯!それだけでお願いします!!」

 

そしてそのままディアンケヒトファミリアに行ってみた訳だが、まぁ、なんだ?天才美少女錬金術師というだけあってカリオストロはドンドン知識を吸収していった。そして最後に一言だけ残してディアンケヒトファミリアを去る訳だが

 

「なんだ、こんなもんか」

 

いや、これからここに顔出しづらいんですが……。

 

 

 

「だから悪かったって」

 

「カリオストロからしたらこんなもんかもしれないけどエリクサーを見た後で言わなくてもいいと思う」

 

「でもぉ、期待したぶん残念だったんだもん☆」

 

「だもんじゃない。次からどんな顔してあそこに行けばいいんだ」

 

「なら一日くれたら騎空団のみんなにカリオストロ製のポーション持たせておくから許して☆ね?」

 

……いや、アミッドちゃんには恩があるのだ。

釣られるな俺!カリオストロお手製のアイテムとか効力が大きいのは明らかだがそれを取ってしまえば俺は恩知らずのクソ野郎だ!!

 

「あ、あそこの酒場なんていいんじゃないかな?」

 

ん?『豊穣の女主人』?

この辺りでは一番大きそうな酒場だ。確かに外からでも賑わいがわかるし外れということはないだろう。

 

「働いてる人みんな女性だよ☆グラン大好きでしょ?」

 

「お前は俺をどうしたい訳?」

 

とりあえずふざけながらもそこに入っていく。

本日の収入は八万程。とんでもなくお高いところならわからないが、中の客を見る限り冒険者が多いようだし大丈夫だろう。猫耳の獣人にテーブル席へ案内されメニューを見てみる。一食五十ヴァリスあれば十分なのに対して、この店は少しばかり高い値段設定だが問題はなさそうだ。

 

「何食う?」

 

「美味いもの」

 

「オススメでいいか。すいませーん!」

 

オススメの料理とそれに合うお酒をエルフの子に注文。しばらくして出された料理は大きな肉や魚、パスタ等。普通なら二人で食べきれるのか不安になる量なのだが。

 

「余裕だわな」

 

「お前、こっちでも相変わらずの大食いか」

 

「ん?まぁ普通の量でも満足だけど美味しいものは多く食べたいでしょ?」

 

色々な島を回ったがそんなに長く滞在することも無いのだ。だからこそ短い間で多くを堪能する為にと食べ歩きをしているうちに大食いになってしまっていた。

 

「そんなんだからジータに小遣い減らされるんだよ」

 

「え?」

 

「当たり前だろ?あいつは俺たちの団長な訳だ。食費やらなんやらかかる金の管理は最終的にはあいつがする。だから無駄に使い過ぎないようにお前の金は小遣い制なんだよ」

 

ここでわかった新事実。

俺、あの姉は強制で小遣い制にしてると思ってたけどそんな事実があったとは……。

 

「まぁグランのぶんのお金は、限界まで切り詰めて他に回してるだけなんだけどね☆」

 

「返せ!少しでも感動したのを返せ!!」

 

「まぁそう怒るな。ほら、これでも食えよ」

 

差し出された揚げ物をパクリと一口。

その時だった。

 

「あれ?グランさん?」

 

不思議そうな顔をしたベル君。

ニヤニヤしたカリオストロと今朝の女の子。

……カリオストロのヤツ、ユエルからベル君の事聞いてやがったな!!

 

「そうやっていじると楽しいのも魅力の一つだぞ☆」

 

「うるせぇやい!!」

 

 

 

ベル君を無理やり相席させ改めて食事をする事にした。

また知り合いを連れている俺に疑問を感じながらもベル君は何も言わないでくれた。

 

「グランさん。今日はどれだけ稼いできてるんですか。こんなに食べて、ていうかよくそんなに入りますね?」

 

「今日の稼ぎ?これはカリオストロの奢りだから気にすんな食え食え」

 

テーブル下でカリオストロに財布を渡す。

相手も慣れたもので、目を合わせるとかの合図無しでも俺の求める行動をしてくれた。

 

「久しぶりに会った可愛いグランの為なんだからね☆……借りな?」

 

だが借りを作ってしまった。

まぁいい。今更作っても返しきれない程あるし。一生おっさんに恩を返して生きていくさ。

 

「グ、グランさん?なんか目が、その」

 

「死んでる目してますね」

 

「へへ。罵ってくれてもいいぜ。女の子に奢られるクソ野郎ってな」

 

「どうしたのグラン?ほら、せっかくの再会なんだからもっと元気にしてて欲しいなぁ☆」

 

そんなやりとりをしながらワイワイと飯を食っている時だった。酒場の入り口がから少し騒がしい声が聞こえてくる。ロキファミリア?あ、アイズさんに犬っころだ。まぁお互いオラリオの中に居るわけだからこんな風にバッタリと会ってしまう事もあるのだろう。だが、そこからが許せない。ファミリアの主神含めベル君を笑い者にしだしたのだ。

 

「それでトマト野郎にうちのお姫様逃げられてやんだよ!」

 

「アッハハハハ!そりゃ傑作やなぁ!」

 

ロキファミリアは笑いに包まれる。

ベル君は拳を握る。

 

「しかしあんな情けねぇ奴が冒険者になるなんざ恥晒しもいいとこだなぁおい!なぁアイズ?」

 

シルちゃんがベル君に声をかける。

だがそれすらも聞こえていない。

ギリリと歯を食い縛る音がする。

 

「ベート。ミノタウロスを逃したのは我々の不手際だ。謝罪をすることはあれ、笑い者にするべきではない」

 

「さっすがエルフ様だな。だがアレが雑魚でゴミである事には変わりねぇ!」

 

ロキファミリアが盛り上がる。

ベル君の拳から赤い雫が落ちる。

 

「叫ぶなやベート。酒が不味くなるわ」

 

「うるせぇよロキ。誰がなんと言おうとアレが同じ冒険者であることを俺は認めねぇ。そうは思わねぇのかお前ら、どうなんだよアイズ」

 

大きく盛り上がりつつある犬に対してロキファミリアの仲間達がそろそろやめておけと茶化しながら楽しんでいる。それを見ながら俺はベル君の腰に今朝買ったアイテム入りのポーチを付ける。

それにも気がつかない。

ベル君の顔が大きく歪む。

 

「あんな雑魚じゃアイズ・ヴァレンシュタインには釣りあわねぇ」

 

ベル君が勢いよく立ち上がり外へ飛び出した。

 

「カリオストロ」

 

「あぁ、ケツは拭ってやるよ」

 

「え?」

 

今日の稼ぎ、約8万ヴァリスを調理場にいる女将にカリオストロが向かって投げる。

 

「おーおー。ミア母ちゃんの店で食い逃げとはようやるなぁ」

 

「……あれって」

 

ジョブチェンジ。

 

「あぁ?トマト野郎じゃねぇか!!あいつ、今まで聞いてやがったのかよ!!傑作だなぁ!!!」

 

ベルセルク。

 

「なに?ならあの子は今までこの話を」

 

「うん。なら悪いことをしてしまったようだ」

 

「これベート!だからやめろと言ったろうに!」

 

「はぁ!?お前らみんな笑っておいて今更なに言ってんだよ!だいたいこの話を聞いて逃げ出すほど根性無しが冒険者になれるわけねぇだろ?」

 

レイジⅣ。

 

「その口を閉じろやクソ野郎がぁああ!!!!」

 

俺はベート・ローガの頬を力の限りぶん殴った。




は?伸びすぎ怖い。
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