グランブルーから地上へ行くのは間違っているだろうか? 作:クウト
「「「ベート!!」」」
グランはベート・ローガとやらの頬を力の限りぶん殴った。
当たり前のように酒場の壁を突き破り外に飛び出していく。その時ベート・ローガの身体は少し発光していた。原因はオレ様のリーンフォースだ。
そのままベート・ローガを追いかけるグランに合わせてオレ様は錬金術を使い地面がせり上がらせグランとベート・ローガを囲む檻のように檻を作り上げ、他者の侵入を防ぐフィールドとする。
さて、オレ様はこいつらの足止めでもするか。
「おいおい落ち着けよロキファミリアとやら?オレ様がいる限りあいつはどれだけ殴られても死にはしないんだからよぉ?」
「君は誰だい?」
質問してきたのは背がちいせぇ男。
そいつの質問にオレ様は答えてやる事にした。
「あそこで怒り狂ってる奴の仲間だよ。実はオレ様達さっきまでお前らが馬鹿にしていた奴の仲間でな?ちょっとばかし頭にきてんだ」
「……それはすまない。だが、僕らも団員が殴られているのを見て黙ってはいられないんだ。ここはお互い謝罪して終わりにしないか?これ以上はロキファミリア団長として見逃せない」
「あぁん?よくそんな口が聞けるもんだなぁおい!アレがあそこまで怒り狂ってんだよ!ならそれをオレ様が黙って見てるわけねぇだろ!?」
「そうか。なら無理矢理でも通させてもらう」
「あぁやってみやがれ。この開闢の錬金術師であるオレ様を倒せるならなぁ!!」
ここはオレ様が受け持ってやるから思いっきりやってこい。オレ様はいつだってお前の味方をしてやるからよ。
目の前のクソ野郎が起き上がる。
そうだ。起きてこい。向かってこい。
お前が来なければ話にならない。
「お、お前はあの時の!!」
「あぁ、そうだよ。昨日ぶりだなぁおいクソ犬」
「お前は一度殴らなきゃ気がすまねぇ所だったんだ。犬犬言ってんじゃねぇぞクソがぁ!!」
さすがは第一級冒険者。
立ち上がりからこちらに向かってくる瞬発力が高い。そして無駄なく放たれる右足からの蹴り。
バシンッ!
「なっ!?」
その蹴りを片手で受け止める。
「あぁ、お前は強いよ認めてやるよ。ベル君なんてお前にとったら雑魚でゴミだろうよ」
「ちっ!オラァ!!」
連続で蹴りが放たれる。
それを全て受け止め、弾き、受け流す。
「ただそれを」
「死ねやぁ!!!!!」
「お前が喚き散らす必要はねぇだろうが!!!」
左の蹴りを弾き、それと同時にベート・ローガの右足を踏みつけ振り上げた拳を振り下ろす。
後ろに倒れかけるベート・ローガに手を伸ばし胸倉を掴み引っ張り頭突き。
「がぁ!!」
ベート・ローガの身体が発光し傷がふさがる。
胸倉を掴んだまま身体を回転させベート・ローガを地面に叩きつける。舗装された地面に蜘蛛の巣状のヒビが入るがそれも一瞬で蠢き直る。
「ガハッ!」
「まだあの子は冒険者になりたてなんだよ。お前だってそんな頃があったんじゃないのか?」
「……うるせぇよ!!」
腕を振り下ろす。
身体が発光する。
「あぁ、悪い。期待した返事じゃないから殴っちまった」
「……せよ」
「あ?」
「……いい加減!離しやがれ!!!」
ベート・ローガも俺の様に俺の胸ぐらを掴んで勢いよく引き寄せながら頭突きを行う。
「……その程度か?」
「なん、だと?」
「こうやんだよ!!!」
頭を振りかぶり叩きつける。
勢いよくベート・ローガの頭が地面に叩きつけられる。周りにいる一部の人達から悲鳴が聞こえる。
あ?起き上がらねぇ。
ベート・ローガの傷は発光して回復するが起き上がらない。
「グラン、もうその辺にしておけ」
「カリオストロ?」
ロキファミリアの相手をしていたカリオストロが話しかけてくる。そちらを見てみればロキファミリアの面々が地面から生えた金属の様なものに縛られていた。
「もう十分殴ったろ?そろそろ終わりにしようぜ?」
「……あぁ。そうだな」
だが、最後に言うべき事がある。
これはベル君にとったら大きなお世話なのはわかっている。だが、それでも言わずにはいられなかった。
気絶したこいつには聞こえていないかもしれないが……。
「今に見ていろ?ベル君はすぐにお前がいる所まで駆け上がる。俺が、あの子を、認めたんだ」
「見る目は確かだからな」
「行くぞカリオストロ」
バキバキと音を鳴らしながら街並みが元に戻って行く。それを見ながら俺はこの場から移動するつもりだったのだが。
「黙って見逃すはずはないって言わなかったかな?」
立ち塞がるのはロキファミリアの団長。そして幹部メンバー達。
「なんだ?謝罪でもいるのか?」
「いや、元々は僕らが招いた事件だ。ロキは怒ってはいるがこればかりは事実だからね。それにベートも一応無事みたいだしね」
「で?立ち塞がる理由はなんだ?」
「君は何者だ?」
……あぁ、そうくるわけか。
どう説明したもんか……。
「姉弟で十天衆を総べし者?」
「……なんだいそれ?」
「いや、忘れてくれ。ただのLv.1冒険者だよ」
そう言ってカリオストロを抱えてメーテラ、ソーン直伝の飛翔術でロキファミリアの上空を飛んで行く。逃げたわけじゃないからね!!
ダンジョンの入り口。
それを眺めながら俺とカリオストロは佇んでいる。
「そろそろ日付が変わるんじゃないか?」
「とりあえず向こうに戻ったら自慢しとくね☆」
自慢?
「グランがあそこまでキレるのは最近なくなったから知らないだろうけど一部団員にあの姿は人気あるんだよ☆」
そんな人気はいらない。
「普段いじられ弟キャラが仲間の為にキレてくれたりするんだぜ?それもなりふり構わず力の限りを尽くしてさ?それに助けられた奴もいるんだ。人気が出るのも仕方ねぇさ」
てかうちの団員やっぱり色々とやばいのがいるだろ。マジギレベルセルクとかカオスルーダーの目とか好きな奴多すぎワロエナイ。
「このまま待ってるつもりか?」
「……初めての冒険なんだ。迎えてやらないといけないだろ?」
「お優しい事だな。アレはお前が放っておいても勝手に伸びて行くだろ?」
「……それでも、だ」
俺はいつだって、多くの仲間が支えてくれた。
それは確かに俺の中で凄く大きな柱なのだ。
ベル君がどう思うかはわからない。だけど、それでもあの子に多くの仲間ができるまでは俺がその柱を作ってあげたいのだ。
「っと、そろそろか」
「またなカリオストロ」
「向こうは任せてね☆カリオストロがなんとかしておいてあげる☆」
頼んだ!本当に頼んだ!!ジータ関連マジで頼んだ!!!
ナルメア筆頭組はなんとかするから私物の処理だけは阻止してください!!!! 帰った時お前の部屋ねぇから!状態はマジで心がやられる。
光に包まれたカリオストロが消えて一人になる。
周りにはもう冒険者もいない時間帯だ。荒くれ者のイメージがあったがあいつらあれが仕事だから結構規則正しい生活をしているのだ。この時間帯にいるのは少数だろう。
そのまま一人で待ち続け空が薄く明るくなってきた頃。ダンジョンの入り口に人影が見えてきた。
やっぱり傷だらけだ。
「グラン、さん?」
「お疲れ様」
「あ、あの、僕途中で抜けて、その」
「頑張ったな」
クシャッと汚れている白髪を撫でる。
「はい……!」
「ヘスティアちゃんが待ちぼうけてるだろうから帰るか」
「あ、神様!うぐっ!」
焦ったベル君は勢いよく背筋を伸ばす。だがまだ傷が痛むのかうずくまってしまった。
「ほらほら焦るな」
ベル君に背中を向けてしゃがみこむ。
「ほら、乗れ」
「い、いいんですか?」
「早く早く」
遠慮がちながらもベル君は俺の背中に身体を預けてくれた。さて、とりあえず風呂入って傷の治療して帰るとするか。
「グランさん」
「ん?」
「なんか……お兄さん、みたい……です」
思わず立ち止まってしまった。
兄か……。あぁ、なんか嬉しいな。
疲れ切って寝てしまったベル君を抱え直しとりあえず風呂屋に向かう事にした。
まったくぅ!手のかかる弟だなぁ!お兄ちゃん世話焼いちゃうぞぉ!!
少し、寒気がしたような気がした。
「ベル君!グラン君!!」
案の定、心配をして待っていた俺たちの神様。
全速力で走ってきたのをベル君を盾にしてかわしわちゃわちゃしながらホームに戻る。
そしてお互いステイタスの更新を行う事になった。
「なんなんだ!!僕の眷属達はなんでこんなに!こんなに!!」
グラン
Lv.1
力:I 92→A 863
耐久:I 5→S 921
器用:I 96→S 957
敏捷:I 98→A 891
魔力:I 0→S 994
《魔法》
【蒼い空】
・召喚魔法
・縁をつなぐ
・詠唱式【蒼き空、彼方の絆。結びて繋げ。今ここに求める者との共闘を】
《スキル》
【ジョブチェンジ】
・自身のジョブ編成可能化。
【黒竜の加護】
・武器の形状変化
・ステイタスの超高補正
・成長速度の高補正
なかなかの伸びだった。まぁ犬っころ一応は強いし、俺のスキルもあるし、妥当といった所だろうか?
ベル君の方も中々異常な伸び方をしているようで、うちの神様はやりようのない感情をぶつける所を探し出し、ベル君はそれを落ち着かせ、俺はそれを見て笑う。あぁ、やっぱり楽しいなぁ。
その後、騒ぎが嘘のようにめちゃくちゃ寝てた。
ヘスティアちゃんはバイトに遅刻した。
伸びすぎ怖いとか思ってたらランキング載ってたのか。
ならしゃーない。
2日ぐらいだけたぶん更新途絶えるような気がしなくもないです。