幻想少女とアカデミア   作:井戸ノイア

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※超遅筆


体力測定で

 一週間ほど経って、結果が届いた。中からオールマイトが投影された時は少し驚いたが、当然合格。むしろ、全て倒して合格にならないほうがおかしいだろう。

 どうやら試験にはレスキューポイントなるものもあったらしく、最後にお邪魔虫のロボットを倒したのがその加算にもなったらしい。二位にダブルスコア以上の差を付けて堂々たる一位だ。

 

 

 さらに時は流れ登校初日。朝起きると俺は古明地さとりの姿になっていた。この個性の唯一の欠点というか、不便なところは同じ姿を6時間以上保てないところだ。どういう訳か強制的に違う姿になり、6時間以上の睡眠によって、また同じ姿になれるようになる。

 そのせいなのか朝起きた時の姿はランダムなものになっている。百人以上いる彼女らの中から一々その日の姿を決めるのは面倒なため、今では勝手に変わった時の姿をベースに過ごすようになっていた。ランダムで勝手に変わってくれるため、選ぶ面倒が無い。

 今日はその姿なのね、などと言ってくる母親は既に慣れたものだ。心が読めてしまうことも知っている。

 朝食はかなり少なめ。その日の姿によって食べる量も前後する。電車に乗ると他人の声がいくつも聞こえてくる。これが四六時中続くのであれば狂ってしまうかもしれないが、いつでも解除出来るため、暇つぶしには結構面白いものだ。

 何でもない顔をしている人が心の中では必死に尿意を耐えていたりする。趣味が悪いし、ヒーローなどというものを志すものにあるまじき行為かもしれないが、別に正義のためにヒーローがやりたいわけでもないため、特に気にしていない。

 ノブレス・オブリージュ。強い力を持っているのだから社会には貢献するべきだと思っただけのことだ。

 ……給料も良いみたいだし。

 

 雄英に着き、やたら大きな扉を開けて教室に入る。流石というか雄英の生徒。個性的な面々だ。中でも非常に口の悪い少年は面白かった。心のイライラがそのまま口に出ているのだもの。思わずからかってしまった。

 そうこうしているといつの間にか教室に入ってきていた相澤先生が声を上げる。運動でもするのだろうか。体操服を渡して、運動場に来いとだけ言って教室の外へと出て行った。

 数人の女子に更衣室への移動を促されたが、断る。姿形は少女だが、戸籍上は立派な男なのだ。最も、何年もこういった姿をとっているため、もうほとんど男女の意識など無いようなものだが。いつでも見られるものに価値は無いと思う。

 まあだからと言って男連中に混ざって教室で着替える訳にもいかない。が、そもそも俺にとって服装というのはあって無いようなものなのでそのままグラウンドに向かう。俺の個性には服装も含まれている。要するに姿形が変わる度に服装も変化するし、脱げば元の服に戻るが、着るとどんな服を着ても同じ服装になってしまうのだ。

 

 着替える必要の無い俺は当然一番乗り。学校側にも、この個性のことはある程度伝えてあるので先生も何も言わない。

 しばらくして、徐々に人が集まってくる。たまたまさとりの姿であったために先生の考えが伝わってきてしまい、なるほどねと一人納得する。

 そして、先生がその考えを口にして、辺りが騒然となる。が、元より何を言うか分かっていた俺は大して驚かず、退学を賭けた体力テストが始まった。

 

 最初の種目は50m走。さて、ここで本気でやらなきゃ本当に退学させられてしまう。せっかくアホみたいな倍率の中で入った超有名高校。その肩書きを捨てて、中卒になってしまうのは流石に避けなければならない。

 頭の中で誰が最適なのか考え、一人に決まる。時間を競う競技においてはこの人以外有り得ないだろう。

 服装が、背丈がガラリと変わる。ピンク色の派手な髪はこれまた派手な銀色の髪へと変化し、服装は青を基調としたメイド服へ。時を操るメイド、十六夜咲夜だ。この変化にクラスメイトから声が上がるが、今は50m走だ。

 

 レーンに腕を組んで立つ。その姿はとてもこれから走るようには思えない格好だ。そして先生が開始の合図のピストルに手を掛けた瞬間、時の流れを急速に遅くする。

 ゆっくりと手が動き、俺の体感時間にして数分ほど流れたところでピストルの先端から光が目に入る。それを見た瞬間、時を完全に停止。

 レーン上を歩いて進み、ゴールで不遜に立ち尽くす。

 そして、時は動き出す。

 

 東 現。タイム、00,01秒。

 

 人の反応速度の限界を超えたタイムに先生にフライングを疑われるが、何度やったって同じタイムを出せる。なんなら0秒だって出せるのだ。時を止め、先生のストップウォッチを拝借し、一言。

 

「時を操れる私に時間なんてあってないようなものですわ」

 

 その後、時を操るということに驚いたのか、近寄ってきたクラスメイトを適当にあしらいながら、計測を続ける。

 まあ、当然の如く、それぞれの計測で最適だと思われる能力を持つ姿に変身することで、成績はトップとなった。

 

 握力測定では星熊勇儀の怪力乱神の力を借りて計測不能を叩き出し、立ち幅跳びでは主人公、博麗霊夢の能力で空を飛び記録は無限、反復横跳びでは再び十六夜咲夜に為り時の流れを遅くすることで機会が計測出来ないほどのスピードを出す。

 ソフトボール投げでは小野塚小町など、あらゆる種目でトップを叩き出し続ける。

 いや、一人一人が馬鹿みたいに応用の効く能力を持っているのに、それらを状況に応じて使い分けられるというのは我ながら反則すぎるだろう。

 

 とまあ、余裕の一位で体力測定は通過。最後の種目で為った十六夜咲夜の姿で結果発表を見届けると、どうやら全員相澤先生のお眼鏡に適ったようだ。

 先生は退学は合理的虚偽だと言って去っていく。

 どうやら今日はこれで終わりのようだ。

 

 と思ったら、相澤先生は振り返って一言。

 

「東はこの後、俺のとこに来るように。一つ聞きたいことがある」




登場した東方projectキャラと(独自解釈的)能力

古明地(こめいじ)さとり
心を読む程度の能力
旧地獄の管理者。と言っても霊達の管理をしているだけで支配者とかそういうものではない。心が読めるので思考が単純な動物をたくさん飼っている。
戦闘は苦手らしいが、相手の心の奥深くまで読み取れることから行動の予測は簡単だと思われる。問題は身体が付いて行くかどうか。街中歩くだけで犯罪とか未然に防げそう。でも、その前に人を嫌いになりそう。

十六夜咲夜(いざよいさくや)
時間を操る程度の能力
紅魔館という人外魔境で働いている人間のメイドさん。時を止める能力からラスボスを想起させるが、彼女はボス前の中ボスである。
時間と空間は密接な関係にあるらしいが、作者はよく分かっていない。
二次創作では鼻から忠誠心など、かなりキャラが崩壊している。PAD長とか、いろいろあるけど、私は全部好き。
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