畏れよ、我を   作:hi・mazin

18 / 29

書きたいことはたくさんあるけど、書き上げる能力が不足気味である。

………読み専に戻ろうかな?






第十七話 あれ?私何か間違えた気がする。

 

原作通り【ヘファイストス・ファミリア】の商業施設には女神ヘスティア様がアルバイトに精を出しておりました。

 

「神様何でこんなところに居るんですか!? 」

 

まぁ、ベル君は女神様がアルバイトしている理由を知るのはかなり後の方だしビックリするのはわかるよ。

だけどね、お店のなかでは静かにしましょうね。

 

「あ、はい…じゃなくて!神様は恥も外聞も捨てちゃダメです! いいからほら帰りましょう!?」

 

ナイフの借金返済ですね解ります。あ、神様、今晩のご飯は魚で良いですか?

 

「あ、それでいいよ。じゃなくて! ええい離せベル君!神にはやらなくちゃいけない時があるんだ!!」

 

『コラァッ!!遊んでんじゃないぞ新人が!!』

 

上司様の大声が響いた瞬間女神様はベル君の手を振り払って声の方に走って行った。

 

「かみさま~……」

 

まあまあ、今無理して聞くより今晩の夕食の時にでも聞いてみましょうよ。

 

女神様は眷族がいない間はヘファイストス様のお世話になってたみたいだからその関係かも知れないしね。

 

「お見苦しいところを見せてすいません…」

 

ベル君がエイナさんに頭を下げたから私も一応下げといた。

 

さて、そんな茶番劇を終わりにして上の階に行きますか。

 

実は一年近くこの街で暮らしてるけど上の階層の新人鍛冶師コーナーって行ったことがないんだよね。

 

理由?今だに【カースメーカーなりきりセット】を愛用するほどの拘りがあるからかな?

 

「ベル君手持ちのお金は?」

 

「えっと、カメ子さん」

 

ハイハイ、お昼ご飯代のことも考えて持ってきたから20000ヴァリスあるよ。

 

「え?カメ子ちゃん、貴女の武具代は?」

 

え?必要ないけど。だって私は【カースメーカーなりきセット】が標準装備だし。

 

「…じゃあベル君、中には掘り出し物もあったりするし、ここは手分けして探そう!」

 

オオー、じゃ、私は向こうの方を……

 

「カメ子ちゃんは私とマントやクロースのコーナーに行きましょうね」

 

両肩を掴まれてとても良い笑顔のエイナさんを振り払うなんて私にはできないなー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからどのくらいの時間が経過したのだろう。

 

「うーん、こっちのマントは少しカメ子ちゃんには大きいかな?」

 

もう何着目か分からないほど試着を繰り返したが未だに購入するほど気に入った物はなかった。

 

と言うか着せ替え人形にされるのに飽きた。

だが日頃から私のことを心配してくれているエイナさんを少しでも安心させてあげる為にも何か購入してしばらく着てあげないといけないよね。

 

まあ、今着ているマントと同系統の物を数点購入して終わりにしますか。

 

エイナさんこれにしましたからベル君と合流しましょう。

うん、エイナさんも私がちゃんとお買い物をしたから少しホっとしてるみたいだし、いい買い物したな私。

 

……あ、ベル君も意外に近くにいたんだね。

木箱の前で何かニヤニヤしてるけど気に入った物を見つけられたようで何よりですね。

じゃ、お会計にいきますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いっ19000ヴァリスかー… 高い買い物になっちゃいましたね」

 

うん、まさかマント三着でベル君の鎧とどっこいどっこいだったなんて……耐久力もデザインも神様から貰った物より数段落ちるのに何で三着も買っちゃったんだ私?

まあ、原作よりかはお金に余裕があるし、普段使いにしますか。

 

「ん、あれ? エイナさんは…?」

 

君のために籠手を購入していますよ。なんて言えないから、「さあ、知らない」って感じに首を傾げて惚けてみますか。

 

ベル君も私が知らないと判ると周りをキョロキョロし始めた。

 

……うん、男のくせに可愛い。これはお姉さまがたから可愛がられるのが判る気がする。

まあ、私の趣味ではありませんがね。

 

「ごめん二人ともお待たせっ」

 

お、そうこうしてる間にエイナさんが小走りでこちらに来た。

 

もちろんその手には籠手がありました。

良かったねベル君、エイナさんルートのフラグがまた一つ立ったよ。

 

おーおー、ベル君ったら、驚いたり、落ち込んだり、真剣な顔したり、年上のお姉さんの可愛らしい仕草に顔を真っ赤にして照れたり、端から見てる分にはとても面白いです。

 

ん、エイナさん? 鞄から取り出したその箱は何ですか?こんなの原作でありませんよ?

 

「カメ子ちゃん、はい、これ」

 

あ、はい…じゃなくて!何これ私なんかしました?

 

「いいから、開けてみなさい」

 

はーい。ガサゴソガサゴソっと………櫛ですか、しかし、この櫛、何やら良い香りがしますね。

 

「その櫛はね、今女の子の間で話題の香木で作られた櫛なの」

 

ホヘー、そんなのこの街にあったんだ。確かに私が今使ってる一山幾らの櫛とは手触りも香りも段違いに良いですね。

 

「冒険者である前にカメ子ちゃんも女の子なんだから、髪くらい鋤きなさい」

 

はーい。いや~これは凄く良いものを貰っちゃた!

ベル君みたいな実用品も良いけど、こういうちょっとお高めな生活用品も貰うとテンションが上がりますなぁ。

 

お店の前ですけど、ちょっとフードを脱ぎまして、髪の毛をサッサッっと…………うわお。今まで使っていたのか如何に安物かがわかるよ。

 

物凄く髪をとかしやすいし、動かす度に良い香りがする。

 

本当に、本当にありがとうございます!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふう、ちょっと遅くなりましたが無事にお買い物イベントが終了しました。

 

これによりベル君の武具が充実して戦力アップ。

これによりダンジョン攻略の効率がアップ。

つまり、稼ぎも良くなり今後の生活も良くなってくる。

 

だがここで油断は大敵だ!

世界樹の迷宮なら、ここらで油断しきったボウケンシャーを理不尽な初見殺しが襲ってくる頃合いだ。

と言うか、そろそろ次のヒロイン加入イベントが始まる頃合いだから、私もしっかり準備しなくちゃ。

と言っても私、準備する必要ないんですけどね。

まあ、次のヒロインはかなり警戒心が強いから、私が無害な薄幸美少女と言うのをしっかりアピールする必要があるかも知れない。

 

「ちょっと遅くなっちゃいましたね」

 

うん、確かに。早く帰らないとお夕飯が遅くなっちゃうね。

 

しかし、けっこう走ったけどまだニューヒロインとエンカウントしないな?

 

これって私がいるせいでバタフライエフェクトでも起こってしまったのか?

 

いや、私の心配なんて恐らく杞憂に終わるだろう、ベル君の女運の良さは運命レベルでヒロインを引き寄せるからね。

 

「えっ?」

 

「あうっ!」

 

ほらやっぱり、曲がり角でぶつかるなんてベタベタな出会いがやって来たな。

 

「すいません……大丈夫ですか?」

 

転んだ女の子に手を差し出すベル君。その隙に私は二人から距離を取り、これから起こるであろうイベントのために静観することにした。

 

少し薄情な気もするが、私は知る人ぞ知る悪名高き女。あの警戒心の強い小人族(バルゥム)の少女が私に警戒してベル君に近付かなくなったら原作の流れが壊れちゃうからね。

 

まあ、壊れたら壊れたらでベル君にはハーレム系主人公から一途系主人公にジョブチェンジしてもらえばいいしね。

 

「追い付いたぞテメェッ!!」

 

おや、マンガやアニメではなかなか来なかったように思ったけど、現実では思ったより早く現れましたね。

 

「この糞小人族が…もぅ逃がさねえからな!……そこを動くんじゃねえぞッ!!」

 

お決まりの台詞と共に倒れてる少女に掴み掛かろうとする男……

 

「……ああ? ナンの真似だ?」

 

だがしかし我らのベル君は少女を守るように男の前に立ちはだかった。

 

私? 私は画面からフレームアウトしてこの茶番を見守っていますよ? 個人的にはポップコーンにジュースが欲しいところです。

 

立ち塞がるベル君に男は苛立ちを隠そうとしてませんね。しかも助けに入った理由が女の子だから………うわお、冷静に聞いてみると本当に何言ってんのベル君。もっと…こう…あるでしょ。男が暴力を振るいそうだったとか、女の子が怯えてるとか、それっぽい理由はたくさんあるでしょ。

 

おおっと! 男が背中の剣を抜きました。どうやら意味わかんない理由で女の子を守るベル君をボコボコにしてから女の子を捕まえるつもりでしょうね。

 

対するベル君も腰のナイフを引き抜き、荷物を放り投げました。

 

てッ!! その鞄のなかには私の櫛が入ってるんだよ! 投げたショックで壊れたらどうしてくれるの!

 

あれ? そういえば………リューさんてどのタイミングでここにくるんだろう?

 

お互いに武器を構えてるんだからもう近くにいなければならないのに全然気配を感じない。

試しに周りをキョロキョロ見回したが人影すらない……だと?

 

えっ? こんな所でバタフライエフェクトっすか?

いや待てまだ慌てる時間じゃない。今までだってなんやかんやで原作の流れは変わらなかったんだから、今回も大丈夫ですよね (汗)

 

散々キョロキョロ見回したがやっぱり人影はなかった。

 

アア!!対人戦経験皆無なベル君の足の震えが男にばれたらしく、男がニヤリと笑っていやがる!

 

もう時間的に間に合わない!こうなったら私がリューさんの代わりをするしかない。頭真っ白だけどハッタリで誤魔化すしかない!

 

―――止めろ

 

出来るだけ動揺してるのが分からないように機械的に無感情に二人に声をかけた。

男が一歩踏み込み剣を振りかぶったタイミングで声をかけたお陰で男は剣を止め私の方に向き直った。

 

「次から次にと…!? 今度は何だ!?」

 

まあ、怖い顔ですこと………すいません、私嘘つきました。男が凄く威嚇してきますけど、まっっったく恐れという感情は湧いてきません。

そんなことはさておき。え~と、次のセリフセリフ……。

 

その子(ベル君)は私のだ 手出しは許さない…

 

「クソッ次から次へと邪魔が入りやがる!! テメェもまとめてブッ殺されてぇのか!!」

 

ハイハイ(笑)、たしか次はあの男を脅してうやむやにするんだったよね。

うん、私脅すのは得意。これでリューさんの代わりも終われる、後は原作通りになることを願おう。

 

……では【畏れよ、我を】

 

「アア!!アアアアァ !!!!?!?!??」

 

よし、原作通り男は怯えて腰を抜かしたぞ。

ふふふ、相手を怖がらせる演技なんてしたことなかったけど、なんだよけっこうやれるじゃない私。

あの少女もウマく逃げたみたいだし、今回は大成功だな。

 

……あれ?あの男何時になったら逃げてくんだろう?

頭を押さえながら亀みたいにうずくまっちゃって変な奇声まであげ始めたぞ。

 

はぁ、上手く行ったと思ったのに最後の最後でポカしちゃった。

しょうがない、軽くダメージを与えて正気を取り戻させますか。

 

そう思った私は腰のナイフを引き抜き男に近付こうとした………が…。

 

「もう勝負はつきました。これ以上貴女の手を汚す必要はありませんよ」

 

 

何処からともなく現れたリューさんにナイフを持つ手を優しく握られていた。

その顔はどこか悲しそうだった……。

 

 

 








こんなにカメ子ちゃん大暴れして、あの子は仲間になるのだろうか?

まあ、なるんですけどね。

次くらいにカメ子ちゃんのwiki風プロフィールでも載せようか考え中




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。