今回は女神ヘスティア様視点
でもあんまり原作の流れと変わらなかった。
次回は頑張る
ある日の夕方、表通りを
「きょ、今日も乗りきった…… ヘファイストスのやつめっ、
そう、我らが【ヘスティア・ファミリア】の主神、女神ヘスティア様である。
彼女は眷属のベル・クラネルのため
あと、カメ子の洋服の代金も借金している。
そんな女神様は疲れのためか、少しヘファイストスへの愚痴をこぼしながら帰宅していた。
「うぅ… 連日の重労働でボクはもうクタクタだよ…あぁベル君に早く会いたい、カメ子君の作ったゴハン食べたい、あとお風呂入りたい」
疲れてボーっとしてるヘスティアの頭の中には笑顔で出迎えてくれるベルと、ほっかほっかのゴハンを用意してくれているカメ子の姿がありありと浮かんでいた。
「すごい、すごいよっ!」
聞いたことのある声が不意に聞こえ其方に視線を向けると今会いたい人第一位のベルの姿があった(二位は惜しくもカメ子ちゃん)。
「おーい、ベルく―」
その姿を見た瞬間、女神ヘスティアは一時的に疲労が回復し思わず駆け寄っ………?
しかし愛しいベルの前にはフードを被った見知らぬ女の姿があった。
「60000ヴァリス………やあぁ―――っ! たった1日でこんなにお金がっ!! ベル様凄い―――!!」
「夢じゃないよね!現実だよね!? これもカメ子さんとリリのおかげだよ!」
「…やっぱりサポーターは必要…はっきりわかる」
ベルと見知らぬ女は仲良く手を取り合いとても仲が良さそうであり、そんな二人を祝福するかのごとくカメ子は二人のはしゃぎっぷりを見ながら何度もウンウンと頷いている。
「あ、そうだ、ご飯食べに行こうよ!僕、美味しい店知ってるんだ!」
「わっ! ちょっとベル様っ!?」
「…あぁ、ひっぱられるー…」
上機嫌なベルは見知らぬ女とカメ子を連れて人混みに消えていった。
「べ……ベル…く……ん…カ…メ子…くん……」
その様子をヘスティアはただ見ている事しかできなかった、目からは涙が溢れポトリ、ポトリと零れていく。
そして、その悲しみを振り切るかのように彼女もまた走り去っていく。
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その夜とある酒場。
「聞いてくれよミアハ! ベル君が…ベル君が浮気をしたんだ! しかもカメ子君の目の前で!!」
夕方の鬱憤を晴らすがごとく飲みまくる女神ヘスティア様。
「浮気とは穏やかではないな、ベルがそのような事をする光景が想像できんし、あの真面目なカメ子がその様な事を見逃すとは思えん」
そして不幸にも巻き込まれたミアハ様である。
「まあ、ベルにはベルの付き合いもあるのだろうし、カメ子もその場に居たのなら黒と決めつけるのは早計だと感じるが……そもそも、恋人ですらないそなたが浮気云――」
「くそぅ!!」
ミアハの言葉なぞ聞いていられるかとばかりにコップの酒を一気に飲み干しアルコールパワーを充電したヘスティアの愚痴はさらに勢いを増すばかりである。
「そもそもなんなんだあの娘は!? ベル君はボクのものなんだぞぅ! 」
「これこれ、ベルは誰のものでもないぞ」
「わかってるさ! 言ってみたかっただけさ!」
「うむ、酔ってるな」
机を叩きながらの抗議はミアハ様には通じないらしく、のらりくらりと躱されてしまっていた。
「まったく、ベルでこの様ならカメ子に恋人が出来たらどうなることやら」
ミアハのこの一言を聞きつけたヘスティアが机に突っ伏した状態から勢いよく飛び起きる。
「あの子に恋人だって!? ダメダメ認めないぞ! あの子と恋人になりたいなら最低でも3高で優しくて思いやりがあって家族を第一に考えてカメ子君を悲しませないで毎日笑わせて酒もタバコもやらなくて仕事も定時で終わらせて健康志向でイケメンで不幸な過去を飲み込める器を持って初めてスタートラインだからな!!」
「こ、これ!?声がでかいぞヘスティア!」
しかしヘスティアの眷属愛に火がついたらしくミアハの注意なぞお構いなしに言葉は止まらない。
「うわぁぁぁぁんっ!!ベル君ベル君ベルくーんっ! お願いだからボクの前からいなくならないでおくれー!」
「だから声がでかいといっておる!」
「君が笑っていてくれればボクは下水道に住み着いたっていいぜ!? ぶっちゃけカメ子君の目がないなら同じベッドで寝たいんだギュウギュウしたいんだ君の胸にぐりぐり頭を押し付けたいんだー!それくらい君のことが好きなんだ! 愛してるよベルくーん!」
さすがのミアハ様も
もちろん店の従業員も他の客もドン引きである。
当の本人は言いたいことは言い切ったとばかりに机に突っ伏し寝息をたて始める。
「当人がいなくてよかったな、勘定を頼む」
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自らの手押し車に酔っぱらいを積み込み彼女のファミリアに歩いていると彼女が意識を取り戻したようだ。
「ういーっく、あれぇミアハーしはらいはどーしたんだーい…ひっく」
「うむ、ちゃんと割り勘にしておいたぞ」
「そっかーわるいねーはらってもらってー」
「うむ、もうじきそなたの家につく、あまり暴れるではない」
手押し車の荷台でバタバタと手足を動かし暴れるヘスティアを乗せて二人は帰路につくのであった。
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次の日の朝
「ぬぁあああああ………!?」
飲みすぎのしっぺ返しをもろにくらったヘスティアはベッドの上で悶え苦しんでいた。
「だ、大丈夫ですか神様?」
ベッドの横で心配そうにヘスティアを覗きこむベルに申し訳ない気持ちになるも心配される喜びを噛み締める。
「す、すまないベル君こんな見苦しいところを……どうやら飲みすぎたみたいだ」
「…酔いざましの食事、はいアーン」
カメ子の差し出したスプーンを言われるままに口を開き食べ始め。「うぅー頭がー」と、ちゃっかりベル君に倒れこむヘスティア。
「…まだ体調悪い?ベル君支えてあげて」
「あ、はい。神様大丈夫ですか?」
その言葉通りヘスティアは食事が終わるまでベル君に支えられた状態でカメ子から食事を食べさせてもらうという幸福感に包まれた状態ですごした。
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「それで…あれかい、昨日はサポーター君と一緒にご飯を食べに行っていたのかい?」
「はい、ちょっとうれしいことがあって…」
「いいよなぁ君たちは、どうせ昨日は美味しいもの食べてお楽しみだったんだろ、あーぁボクも行きたかったなぁ」
楽しそうに語るベルに少しムッとしたヘスティアはつい悪態をついてしまいプイッとそっぽを向いてしまった。
その様子を伺っていたカメ子がベルに対して何やらボソボソと耳打ちし始め、ベルの顔が朱色に染まりだした。
「じゃ、じゃぁ……二人で…ちょっと贅沢なものを…食べに行きませんか?」
いきなりのベル君からのデートのお誘いに先程までの不機嫌さは吹き飛び、ヘスティアの脳内にお花畑が形成される。
しかし、脳内の冷静な部分がカメ子君をのけ者にしていると警告をならす。急いで視線をベルからカメ子に向けると彼女はヘスティアに向けて親指をグッ!とつきだした。
つまりこのデートはカメ子君公認のものなのだ。
「神様が元気になったら今度にでも…」
ベルは今度にしたいようだが隣のカメ子は相変わらす親指をグッ!としている。つまりは……
「今日行こうッ!!」
ヘスティアの発言にベルは「え?」と固まり、カメ子はウンウンと頷いている。
「今日行くんだ!」
「か、神様体調は……」
「治った!」
カメ子の謎の後押しを受けたヘスティアは難しい事を考えるのを後回しにして、このビッグウェーブに乗ることにした。
「よしすぐに準備を――」
しようとしたが彼女は気付いた、自らの体から女神にあるまじき酒の香りが漂っているのを!
「ベ、ベル君…18時だ」
「は、はい?」
「18時に南西のメインストリートアモールの広場に集合だ!」
そう言い残し、酒の臭いを落とすため神聖浴場に向かおうと走り出そうとしたら、自らのツインテールを何者かに掴まれ首がぐぇ!となった。
「い、いきなり何をするんだ、首を痛めるかと思ったじゃないか」
「…ごめん、あと忘れ物…」
髪を掴んだ犯人であるカメ子は短く謝罪すると紙袋をヘスティアに差し出した。
何かと思い袋を開けると真新しい洋服と靴が入っていた。
「カ、カメ子く…ん…これは?」
あまりの用意の良さに驚愕しカメ子の顔をみるが、そこにはいつもと変わらない可愛らしい顔しかなかった。
「…デート、ガンバレ…」
そう言い切りまたしても親指をグッ!とつき出す。
「うわぁぁぁぁんカメ子くーん!」
いろいろな感情がごちゃ混ぜになり感極まったヘスティアは泣きながらカメ子に熱い抱擁をする。
対するカメ子の反応は…
「…ホントに酒クサ、え? これホントに女神様の体臭?」
割と失礼な感想だがヘスティアには聞こえていなかった。
カメ子ちゃん
「ベル君(原作通りに)女神様をデートに誘うのです私の事は気にしなくていいからイチャコラするのです」
ベル君
「(*/□\*)」
ヘスティア様
「ああ、 またカメ子君の優しさに甘えてしまった、本来ならボクが彼女を甘やかしてあげないといけないのに…」
カメ子ちゃん
「いや、どちらかというと、甘えるより甘やかす方が好きだからこれからも甘えてほしいです」
今日はこんな感じ、皆さんは好きなキャラに甘えるのが好き?それとも甘やかすのが好き?
カメ子ちゃんは甘やかすのが好き。