今回からカメ子ちゃんにもセリフがあります。
私がめんどくさくなればまた黙ります。
7月28日。内容を修正しました、さすがに腹黒すぎた。
ベル君が魔法を発現した夜、彼は女神様の「明日のダンジョンで試してみるといい」との助言を無視してダンジョンに突撃していきました。
ベル君は私たちが起きないように静かに教会の扉をしめダンジョンに向かって走り出した。
まぁ教会の扉は私が定期的に油をさしてるから開閉の際に嫌な音が鳴るはずもないんですけどね。
しかしすぐに帰るつもりなのか装備は身に付けているが水も食料も回復アイテムも持たずに行くなんて…いくら主人公だといってもこれはヒドイ(汗)
私はボウケンシャーなので日帰りの冒険だろうとアイテムの準備は忘れないようにしている。ちょっとした気のゆるみがガバとなり思いがけない被害をこうむり、「あれ、最後にセーブしたのいつだっけ?」を引き起こしてしまいますからね。
だが上記のことはゲームだから時間を掛ければ挽回できるが、この世界はゲームではない、怪我をすれば痛いし、食べなければお腹がすくし、人に悪意を向ければ悪意をもたれる、そんな当たり前の世界であり、死ねば死ぬ世界でもある。
そんな世界なのに
私も成り行きとは言え【ヘスティア・ファミリア】所属のボウケンシャーだ、短いながらもベル君には口が酸っぱくなるほどダンジョンの心得を教えてきたつもりだ。
まあ、今回ばかりは用意周到で出掛けられても困るんですけどね(笑)
ふふふ、気持ちがダンジョンにむいてるせいで教会の外でスタンバってた私の存在に気がつかなかったようですね。
そう! 私は今回の原作再現を見るために、結構前から外でスタンバってたのですよ。
ワクワク顔のベル君の後ろを音もなくストーキングしながら私もダンジョンに向かいますか。
もちろん私はベル君と違ってどんな些細な用事でダンジョンに向かうときは万が一に備えて常備アイテムは持って来ることを心がけてますのでアイテムポーチは私の腰にしっかりとある。
これでベル君にもしもがあっても死なせることはないはずだ、それ以前に私には魔法があるから、よほど離れていない限り【恐れよ、我を】で援護してあげれば大丈夫だろうか。
おっと、そうこうしてる間にダンジョンにつきました。
さて、ベル君の憧れの人と鉢合わせないように付かず離れずで行きますかね。
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やって来ましたダンジョン内、今回は魔法の練習と言うことでそんなに深くは潜らず地下一階付近でうろちょろしてます。
私は物陰に隠れながらベル君の観察に勤しんでいると、前方からゴブリンが数匹群れで現れた。
ベル君は待ってましたとばかりに覚えたての魔法【ファイアボルト】を放ちゴブリン一匹を火だるまにしてしまいました。
残ったゴブリンも仲間が焼却処分されてビビったのか誰もベル君に襲い掛かりません。
しかし勿体ない、この場に私が居ればビビったり恐怖を感じてるやつがいるなら【命ず・輩を喰らえ】とか
【命ず・自ら滅せよ】をノーコストで撃てたんだけどなあ
しかし敵がビビッて襲ってこないからと言って、敵の目の前であんなに喜んじゃって、世界樹なら死んでるよベル君(汗) でもこの光景を見ていると悲しくなる、ベル君ほんとに私の教えてきたダンジョンの心得覚えてる? 油断に慢心、おまけに隙だらけ、ちょっと冒険者として迂闊過ぎない?
おっと、【ファイアボルト】が再び放たれ一撃でゴブリンを燃やした。
それに気を良くしたベル君はさらに三発目、四発目を放ち同じようにゴブリンを燃やしていき、五発目を放とうとしたとき、ベル君はいきなり膝から崩れるように倒れてしまった。
はい、典型的な
まぁ、私はそんなヘマをしたことがないから、ベル君が今どんな気分なのかは分かってあげられないけど、きっと脱水症状の何倍もくらくらして意識が朦朧になるのかもしれません。あ、脱水症状も起こしたことなかったからその例えでも私分かんないや。
まあとにかく原作通りベル君倒れたし、ゴブリンまだ残ってるし、この後の展開はゴブスレで何度も見たことがあるから大体想像がつく。
シクシク、ベル君。貴方が【ヘスティア・ファミリア】に来てくれてとても楽しい日々を送れました。女神様はちょいダメ女神様から恋愛脳女神様になれたし、君のナイフ代で借金生活になったし、サポーターに相場の倍払うことになったし、よその女神様からも注目されるようになったし…………あれ?こう箇条書きにしたら原作置いといて何とも言えない感情を抱いてしまった。
いや、将来的には【ヘスティア・ファミリア】にとってプラスになるんだからこの湧き上がる謎の感情には蓋をしておこう。
そうこうしてる間に残ったゴブリンが倒れたベル君に薄い本案件を仕掛けようとした瞬間、ゴブリンたちは後ろからの襲撃者によってすべて切り裂かれて消滅した。
ベル君を助けたのは勿論、彼の憧れの人であり淡い恋心を抱いている少女、アイズさん。あとこの後ファインプレーでベル君とアイズさんのフラグを立ててくれるエルフのリヴェリアさんですね。
後は問題なくアイズさんはベル君に膝枕をしてあげ、リヴェリアさんは先に帰って行きました。
まあ、問題があるとすればその帰り道に私が居て、彼女とバッチリ目が合ったことですかね(笑)
「お前は?……なぜここにいる」
わーお、怖いお顔で話しかけられちゃった。なぜって言われてもベル君を見るためですけど?
「…ならあの少年が
あ、ちょっと眉間に皺が寄ってますね、私は鈍感系オリ主ではないためこの状況が非常にまずいということは理解している。ありたいに言えば今の私の状況は仲間を見捨ててその様を見てるだけという最低野郎の烙印を押されても仕方がない状況である。
しかし馬鹿正直にあなた方がベル君を助けるのを知ってましたから放置しましたといえば、私がベル君を使って【ロキ・ファミリア】と縁を結ぼうと画策している腹黒系オリ主になってしまう。
【…わからない】
「わからない? それはどういう意味だ」
【……私はどうすればよかったの…】
そう、ほんと何て言い訳したらいいか分かりません。
今回は確かにやり過ぎました、見逃しすぎでした。
この前のリリルカさんのとの初遭遇でもリューさんが来るのが遅れたように、今回もアイズさんたちが遅れて来る可能性があり本気でベル君に危険があったかも知れないのに原作確認とか息巻いて…ボウケンシャーとして恥ずかしい。
【……でも…ベル君を救ってくれてありがとう…】
ほんとマジで感謝しかねぇ、こんなダメな私の尻拭いをしてくれてありがとうございます。
「いや、礼を言われることではないさ。…あと要らぬお節介かもしれんが、あの少年を仲間、いや家族だと思うなら次は迷うな」
【…次は助ける…】
うん、今回さすがに反省した。前に自分で現実を混合するなって思ったくせにこの醜態、私は彼女に再度頭を下げ真っすぐに出口に歩いていき、【ヘスティア・ファミリア】の自分用ベッドで朝まで眠り、昨日の醜態を思い出し少し悶絶した。
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一晩たって私の考えは決まった。
ベル君のおかげて助かる人は確実にいるため原作通りの展開はなるべく邪魔しない。
だが、それ以外の危険は遠慮なく【恐れよ、我を】をぶちかましてやる所存です。
ベル君に危害を加える者共よ覚悟しとけよ、私の転生特典はちょっとばかりにえげつないぞ!
私は覚悟完了したが肝心の、
「おーいベル君、昨日のあの本を見せて……うわっ⁉ カメ子君、ベル君はまだ落ち込んでるのかい、昨日からずっとじゃないか」
【…早く良くなってほしい…】
まあ、原因は分かりますけど、正直に話すと原因が女絡みなので女神様が嫉妬してしまわれるので、自分から元気になることを祈ろう。
「あぅぅぅぅぅ…すみません…本はそこに置いてますからどうぞ…あと、カメ子さんお尻をペチペチ叩くのは止めてください…」
「君もほんとに多感な子だよなぁ…」
【…やっと反応した…】
やっと反応がありましたね、だってベル君何回話しかけても『あうあう』しか言わないし、そんなお尻を突き出すようなポーズ取ってるんだし叩くしかないでしょうが。
「ふぅん、見れば見るほど変わった本だな…ぁ?」
お! 女神様が魔導書の存在にお気づきになられたぞ、さてベル君も女神様の様子の変化に気づき、落ち込みモードを終了させ、クッションの下から顔をだしたな、さて、ベル君と女神様の漫才が始まったので先日から用意してたものを用意しましょう。
まあ、こんな物なくても原作にはまっっっく影響しませんけど義理としては必要でしょう。
「と、とにかく、この本を貸してくれた店で事情を話してきます!」
「ベル君止せっ! 君は潔癖すぎるっ! 世界は神より気まぐれなんだぞ!」
「こんな時に名言生まないでください⁉」
おっと、間に合ったようですね、しかし話の途中で私がフェードアウトしていったのにこいつら気づいてないんかい。
「すみません神様! 僕急いで行ってきます!もうこうなったら包み隠さず話して『ドゲザ』に賭けるしかないですよ!」
【…行かせない…】
「退いてくださいカメ子さん! まさかカメ子さんまで無かった事にしようって言いませんよね⁉」
【…持って行って…】
はい、今私が自由にできる全財産だよ、出来れば女将さんから『そんなの持って帰りな』って言われてね。
「こ、これって⁉……すみませんお借りします!」
そう言ってベル君は私の全財産を持って走り去って行った。
カメ子覚悟完了、原作から大きく外れないのであればベル君を害するものに【恐れよ、我を】をばら蒔くことに一切の罪悪感なし!
あと、ベル君のファミリアご飯は大盛がデフォになった模様。
wiki風人物紹介
名前 : カメ子
種族:ヒューマン
職業:冒険者
年齢:推定14歳位
身長:155C(セルチ) 位
ステイタス:Lv.1
二つ名:なし(非公式名:イカレ女)
【ヘスティア・ファミリア】の最初の団員であり、実質の団長を務めていたが、仲間が増えてからは社交性が高く仲間からの信頼の厚いベル・クラネルに団長の座を譲り裏方に回る。
出生不明、過去の経歴も不明の謎の少女、雨の日に路地裏で佇んでいるところを主神ヘスティアに拾われ現在に至る。
性格は寡黙で必要以上に他者とのコミュニケーションを避ける節がある。
装備品は作中一度も変わることなく、ボロボロのフード付きマント、途中で千切れた鎖がついてる手枷足枷を両手足に装着している。
敵を恐怖させ意のままに操る【呪い】を自在に操りベル・クラネルが加入する一年前から冒険者として活動している。
その特殊な【呪い】と境遇から闇派閥の関係者及び被害者ではないかとの疑惑があるが詳細は不明であるが、その後ギルド職員であるエイナ・チュールの調べで迷宮都市オラリオの出生記録及び行方不明者リストにも彼女の存在が確認できず闇派閥の出ではないかという憶測はありがち外れではないかもしれない。