畏れよ、我を   作:hi・mazin

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遅くなった理由は色々あります。

だが俺は正気にもどった。これからは投稿スピードを少しでも早くするぜ。





第九話 私は誤解されるのには慣れてます。ええ、ホントに。

 

 

朝も早くから私は走っている。

理由? ベル君がお弁当を忘れたままダンジョンに向かったから追いかけているんだよ。

 

まったくベル君たら、おっちょこちょいなんだからさぁ。

 

まぁ、一人でダンジョンに向かったことは、一先ずいい。昨日の話から察するに惚れた女の子に追いつくために強くなりたいんだろう、それで私が一緒に行くと自分が強くなれないとでも思ったのだろう。

うん、物凄くお説教したいが、まずはいい所からほめよう。

 

さすがベル君。主人公だけあって見事な向上心だ。目的がちょっと俗物すぎるのが難点だけど、そこは評価できる。

 

しかし、お弁当(食料と水)を忘れていくのは許されざる事だ。黙っていくから女神様もカンカンでいらっしゃる。

 

なんだ、ダンジョンを舐めてんのか! エンジョイ勢なの? ガチ勢の私に謝りなさい。

 

一人で行く=強くなる、とでも思っているのか。経験値が分配式ならソロプレイもしくは仲間を間引くとことによって、経験値を集中出来るかもしれないけど。

それはゲームの話、今私たちが生きているのは現実の世界なんだ。私は転生者で部外者ぽい立ち位置だけど、現実を見れないほど倒錯はしてないぞ。

 

ダンジョン攻略のカギはチームプレイなのだ、私と組むとモンスターがちょっと・・・あれっぽくなるけど立派なチームプレイだったではないか。

あれっぽくなったモンスターを背後から襲撃するキミは最高に輝いていたぞ。だから一人でダンジョンに挑むなんて止めるべきなんだ。キミは私と一緒にいないといけないのだ、そう、これからもずっと・・・ね。

 

しかし、私の足で追いつけるかな? 走ることにより、手首や足首から延びる鎖がジャラジャラとうるさいせいで多少人目を引いてしまう。

 

私の姿を見た町の人がギョッとした表情だったけど……この際無視だ。

 

お、やっと、追いついた。お~~~い! ベル君、おべんと・・・・美少女から貰ってますやん。

 

え?どいうこと。ベル君ってこの時点で誰かとフラグ立ててたっけ? え~と、あの子誰だっけ?書籍版の二次絵と現実の三次元とじゃ、若干見た目っというか、雰囲気というか。そんなものがちょっと違うから判別つきにくいなぁ。

 

ああ! そうだ!酒場「豊饒の女主人」の店員さんの シル・フローヴァだ。え、もうフラグ立ってんの? 昨日まで私と一緒にいたのに、一体いつの間に仲良くなったの?

 

て、ああ、ベル君が行っちゃう。ぼ~としてないで早くこのお弁当渡さないと・・・て、シル・フローヴァさん、こっちをじっと見てどうしたんです?

 

え、このお弁当? いやいや、確かにベル君に渡そうと思って追いかけていましたけど、私は全く邪魔されたとか余計なことをとしてくれたな、とは思っていませんよ?

 

え、いや、『そういうことにしときますね』って。待ってください、誤解です。確かにベル君のためにお弁当を作りましたけど、そう言った愛情表現的なものではないのです。

 

ラブではなくライクなんです。お願いします、信じてください。こういう恋愛っぽい勘違いは勘弁してください。

え? 分かってほしければ「豊饒の女主人」に食べに来い?

 

あ~そう言う感じで客引きするんですね、分かりました、今晩にでもお邪魔させていただきます。

 

はぁ~今回は完璧に私の負けだな。でも、今思えばこの街に来てから外食なんてほとんどしなかったし、いい機会だから今夜は奮発して「豊饒の女主人」にお世話になりますか。

 

あ、でも、女神様の許可を貰わないといけないよね。ダンジョンから帰ったら、少し、お話をしてみよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今日も元気にダンジョン三昧。受付のおねーさんにはちょっと睨まれたが、私は元気です。

 

しかし、もう地下五階まで来たのにベル君の姿が全く見えない。う~ん、やっぱり地下一階から採取、採掘、採伐を繰り返して小金を稼いでいたのが原因でベル君より遅れちゃったのかなぁ。

 

やっぱり荷物がかさ張るから『サポーター』を雇った方がいいのかなぁ。でも、いくら組合で募集しても誰も参加してくれなかったんだよね。

 

確かに私はいろんな人に誤解されて避けられているよ、でも、私は組んだ人に危害を加えたことは一度もない。

 

……解散した後で【怖れよ、我を】をしたけど、あれは相手が私を騙したから悪いのだ、組合の裁決でも私は無罪だったから、私は悪くない。

 

あ、でも、一度だけ小人族の男の子がサポーターに名乗りを上げてくれたことがあったなぁ。

 

ちなみに初日にゴブリンの群れ相手に【怖れよ、我を】からの【命ず、輩を喰らえ】止めに【命ず、自ら滅せよ】のフルコースを小人族の子に見せドヤ顔してやったら、即日音信不通になった。

 

可笑しい、まったくもって、可笑しい。ここまでハブられるオリ主がいるだろうか?

私は料理も出来るし、貯蓄も節約も出来、一般常識だって持っているから無謀なことや変な正義感から問題も起こさない、おまけに神様転生でチートも持っている。

 

なのに、なぜ一人きりでダンジョンに潜っているのだろう、う~ん、あんまり気は進まないけどやっぱり一人は寂しいから、いくら嫌がられても主人公様にピタッとくっ付いてダンジョンに挑もう。そうすれば私も主人公の作り出す仲間の輪に入れるし寂しくもなくなり、私がいつも一人なのを気にしている女神様も安心するだろう。

 

よし、そうと決まれば景気づけにたくさんモンスターを狩ってお金を稼いでいこう。

 

お、早速、コボルトの群れを発見。ほかの冒険者がいるが劣勢の模様、しょ~がない、私の悪評けしのために助けてあげますか。

 

それでは【怖れよ、我を】 くふふふ、あ~はははははは!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悲報。モンスターから助けてあげたのにお礼も言われずに悲鳴を上げて逃げられた件について。

 

……ま、まあ、今日の稼ぎはかなり良かったし、10階層目まで踏破出来たし、トータルで見たらかなりの快挙を成し遂げたわけだし、一応人助けもしたから私の評価も向上したはずだ。

 

「ダンジョンで人助けをするなんて、キミはえらいよカメ子君! 」

 

女神様もそう仰って喜んでくださっているので私も大満足だ。最近あんまり褒められていなかったから思わず笑みがこぼれる。

私が笑えば女神様も喜ぶ。本当に今日は良いことずくめだ。

 

「はい、今回のステイタス更新はこんな感じだよ」

 

ふむふむ、相変わらずランクアップの兆しはなし、ステイタスは軒並み上昇、今回も魔力の上昇が一番高くて、耐久の上昇値が微々たるもの

 

うん、普通だな。さっさと服を着替えてベル君と代わってあげよう。なんか今日はたくさんモンスターを倒せてウハウハで帰ってきたし、さぞかし有意義なダンジョン探索だったのであろう。

そのことをネチネチ言ってしまった私は心が狭いのだろうか?

ベル君と交代して外で待っていると彼の大声が部屋の外まで聞こえてきた。

何事かと思い部屋に入ると彼が興奮しながらステイタスの紙を私に差し出してきた。ステイタスの紙は他人にむやみやたらに見せるモノではないんだけどなぁと言いつつ気にはなっていはいるので確認してみる

 

え!? トータル160オーバー? 一回、ダンジョンに潜っただけで? 私、一年近く一人で潜っているのにこんなに上昇したことないよ?

 

私の言葉でベル君はさらに喜び、すっかり舞い上がっている、しかし、女神ヘスティア様はふくれっ面というか、おもしろくないって顔でベル君を見ている、舞い上がったベル君も困惑して、なんでこんなに熟練度が上昇したんだって言ってますよ。

 

『知るもんか』って、なんでちょっと涙目なんですか。

 

あ、女神様、コートを持ってどこに行かれるんですか、ベル君だっていきなりのことで心配してますよ?バイト先の打ち上げ? 私の稼ぎが安定してきたから最近、行く日が減ってきてますけど、それでも打ち上げに呼ばれるんですね。

 

『キミは一人で羽を伸ばして寂しく豪華な食事でもしてくるといいさ!』って女神様

 

……あ~あ、行っちゃった。ベル君情報が頭の中で整理できなくてポカーンってなってるけど、フォローするのは私の仕事ですか?

 

えっと、ベル君。晩御飯何食べたい、今日のお祝いでなんでも作ってあげるよ。え、先約があるの? ああ、キミも「豊饒の女主人」に誘われていたのか?

 

うん、私もベル君が忘れていったお弁当を届けるときに偶然「豊饒の女主人」の店員さんに出会ってね誘われていたんだ。

 

うん、忘れたおかげで新たな縁が出来たのは喜ばしいけど、ダンジョンに挑むときは食料、水、薬、糸。これらは決して忘れないこと。

 

え、糸って? ダンジョンに挑むときは糸持った? が合言葉ではないの? …そっか、違うのか。ううん、何でもない、私は今日の収入を家計簿つけてから行くからベル君は先に行って場所取りをお願いね。

うん、じゃあ、またあとでね。

 

 

 

 

 

 

 

 

先に「豊饒の女主人」についたベルは朝に知り合ったシル・フローヴァに案内されるまま店のカウンター席に腰を下ろした。

そこで女将に冒険者のくせに可愛い顔していると言われても『ほうっておいてください』と小さい声でしか反論出来なかった。

 

注文もしないうちに料理と飲み物がいきなり運ばれ圧倒されたが、何とか平静を保ちながら値段を計算する。

 

「カメ子さんから渡された食事代は2000ヴァリス、運ばれてきたのは、麺料理が300ヴァリス、飲み物が200ヴァリス、……これならまだ足りるな」

 

と、ほっとしているとドデンと魚料理が運ばれてきた

 

「足りないだろう? 今日のおすすめだよ」

 

「いや、頼んでないですって!」

 

「若いのに遠慮しなさんな」

 

そう言って笑いながら厨房に戻っていく女将から視線を外し、壁に掲げてあるメニュー表から今日のおすすめ料理の値段を確認する

 

「850ヴァリス!?」

 

二人分だと渡された食事代を早くも半分以上も使ってしまい開いた口が塞がらなくなってしまう。

楽しんでますかとシル・フローヴァに声を掛けられるも、

 

「・・・圧倒されてます」

 

と答えるしかなかったベル君であった。

 

 

 

 

 

 

 






次回、ロキファミリア登場!

しかし、いい意味で眼中になし。

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