地元の最寄り駅、から5駅ほど言った、それなりに大きな街の本屋。
そこで私、高森帆乃香は一緒に住んでいるメイ、とよんでいる少女、と一緒にそこにいました。
いや、メイはほら…妖狐、だっけ?なんかそんなのになった愛狐だから一緒に住んでいるのは全然おかしくないし犯罪ではない。
もしかするとメイのほうが年上の可能性もあるから、メイのほうが犯罪者に…、いや、犯罪狐に…?
いや、これ以上考えるのはよしておこう。悲しくなっちゃうからね。
「ん?どうしたのじゃ、主様」
「いや、なんでもない」
首を振って、そう言って。せっかくのデート、なんだし、そんな事考えちゃだめだよね。
いや、こっちはデートと思っていてもむこうはどう思ってるかはわからないけれど。
よくあるんだよね、リリィトラップ的な何かが。…いやそういう呼び名でいいのかはよくわからないのだけれども。
むこうはどう思っているかわからないけれど、こう、最近ね。私、メイを家族、…いや、たしかにそういう関係も家族って呼ぶんだけど、そういう家族じゃなくて、こう…夫婦的なね?感情をね?持っている気がするんですよ、私。
まだ、その感情を恋とかなんとか言っていいのかはわからないけれど、メイのことは今まで以上に大切にしたいな、なんて。
「………のぅ、主様?」
「何?」
「主様、儂の事妖狐、といっておったじゃろう?」
「えっ?ああ、いや言った…?言ってはいないよ?思ってるぐらいだよ?」
「まあ、そんなことはどうでもいいのじゃ。…主様の気持ちは、本当かの?」
「えっ、あっ…。う、うん。それは本当だけれど」
「ふむ…」
え、あれ?!妖狐さんって心よめるの?!
いや。本当に?いやよく知らないからあれなんだけれども。いや、どうなんだろう、いやほんとそこ。笠間様と王子様は神使だから心読めてもおかしくないし、実際読まれたけれども、普通の狐も読めるものなの…?
「…ん。まあ、今日のところはそんな感情を持っている、とわかっている所がわかったのでよしとするのじゃ」
「んえっ?!そう…?いや、でも、うん。…今日ね、ちょっと気合い入れていいところのレストランと、いいホテルを取ってあるから…」
「…………なんか急に照れくさくなるの?!」
「…ね」
いやほんと、そんなつもり、ではなかったんだけれども。
なんか、こう、そんなつもりで取ってるように取られちゃったかもしれないしむしろ自分がそう取っちゃってるからこまる。
いや、だいぶ混乱している私。どうする私、次からどうする私。
「…主様…」
そういって、ぎゅぅーと抱きついてくるメイの頭をなでながら、とりあえず、ディナーの予約をした料理店へいくのです。