さてさて、私とメイは予約していたちょっとお高いレストランで食事を終えたあと、そのレストランの近くにあるホテルの一室で、ワインをいただきながら外を眺めていました。
いや、なんていうかその、あれなんですよ。…すごい緊張する。ワインの味がよくわからない。
「…主様」
「なっ?何かな?!」
「いや、この街、きれいじゃなって」
「…そうね。めったにこないからね、ここ」
「そうじゃなあ。うちの近くで事足りるものな」
そう言いながら、ワイングラスを口に運ぶメイ。…メイは、どう思っているんだろう。私はドキドキが、止まらないんだよ。いや、ほんと。あの時、酔って帰ってきてからの朝。二人して裸で寝ていたあの時から、ちょっと意識して、ドキドキすることが多くなった。
メイは…どうなんだろう。聞いてみたい気もするし、聞いてしまったら、今までの関係ではいられないような気がして、それが怖い。ドキドキしてくれてるかな、それとも、何も感じないのかな。ぐるぐる、と私の頭の中を色んな考えがめぐる。
いや、考えてても始まらないんだけど。
「……主様」
「はいっ?!?!?!?」
「主様は………、儂の事、どうみてるんじゃ?」
「んえっ?!?!?!?!?!?!?ど、どうって?!」
「ペットとしてみているのか、それとも…その…」
「…………、え、えっと、ほら。いつだったか私が酔っ払って帰ってきた時あったじゃん?」
「先週の金曜日のことじゃな?」
「あれ、まだそんなたってない?ま、まあいいや。あの日、二人して裸で寝てたじゃないですか」
「あー。あれな?大変じゃったんじゃぞ、ベッド行ったあと、主様嘔吐してな?」
嘔吐してたー!!!!そりゃ、MAPPAにされますよ。そりゃMAPPAで寝ますよ!
…いや、とんでもない事実を知ってしまった。そうかー、私嘔吐してただけかぁ…。よかったような、よくなかったような。
「…それは申し訳ない。ところでベッドは大丈夫そうだったけれども?」
「まあ、ご主人の服とご主人と儂が被害受けたからの、あとちょっと床も汚れたからその後掃除したが」
「いやほんとごめんなさい…」
「いや、いいのじゃ。…………ところで、その時、体を洗うためにシャワーを浴びたんじゃが?覚えておるだろうか?」
「シャワー………?シャワーがどうしたの?」
「いや、覚えてないならいいのじゃ。うん」
いや、嘔吐したんだからそりゃシャワーぐらいは浴びるけれど、それがどうかしたのだろうか。…いや、ちょっとまって?シャワー……?
いやいやいやいや、そんな、まさか。
そんな、えぇ……?いきなりなんていうかニッチすぎない…?
「…と、とりあえずあれだよ。…うん……」
とりあえず、私は、決めた。どんな結果になるかは、わからないし、というか最初がそういう場所だったのはともかく、それで嫌われたかもしれない、し。それでも。
それでも私は。