私、高森帆乃香は自慢ではないが、今までの人生で告白、というものは受けてばかりでこちらからしたことはなかった。とはいえ、されたことも両手で数えられるぐらいなのだけれども。少なくとも、こちらから、というのは今回が初めて、…で、もしかしたら最後になるかもしれない。そう、最初で最後、にする予定の告白。
……すごい、緊張する。いや、さっきまでも緊張したけれど、それとはまた別の緊張というか。
「「あ、あの」」
「あ、メイからどうぞ?」
「いやいやいやいや、主様からどうぞなのじゃ…」
「……………」
「……………」
みたいなやり取りを何度か繰り返している。まいった、私達は思春期の中学生か何かかな?
とりあえず、緊張をほぐすためにワインを、なんて思ったけれど、うん、ペース上げすぎてもきっとこの間の二の舞である。少し自重しよう。…ちょっとだけ、ホテルのルームサービスを頼んでたりしている。
大丈夫、…きっと、大丈夫。
「あ、あのね、メイ」
「な、なんじゃろ、主様」
「…んとね……」
思わずもじもじしてしまう私。いやだって、初めての告白だよ?!緊張もするよ。
私に告白した人たちも、きっとこんな気持だったんだろうなあ、って思うとちょっとおもしろくなってくるけれど、まあ、本人的には笑えない。
そんなこんなでなんか時間を過ごしていると、途中でルームサービスがきたので、それの対応をして、改めて。
「…そのね、メイ、がどう思っているかはわからないけれども。あのね、私」
「うん?」
「その、ね。メイのことが、その…」
「…………」
なにか、期待しているのか、それとも、ただ、待っているだけなのか、わからないけれども。メイが黙って私の話を聞いてくれている。ここで、下がっては女がすたる気がして。
「あのね、メイ。私、私、メイのことが」
「………」
「好きなの。その…、家族、として、じゃなくて、一人の女の人、として」
「…………」
くるり、と後ろを向くメイ。…まあ、それも、そうか。まあ、そうだよなあ。女の子同士だもんなあ、なんて肩を落としながら。
「あ、アハハハ、ごめんね。こんなこと言っちゃって。冗談だよ冗談。驚いた?」
いや、冗談にしようとしているけど、自分でも声が震えているのがわかる。いや、でもそれはそうだ。私も、メイも。女性で、同性だ。同性からこんな告白されたら、嫌だろう。なんでそんな単純なことに気が付かなかった。
…いや、気がついても見て見ぬ振りをしていただけかもしれない。私は、後をむいたメイにたいして。
「本当にごめん。………ちょっと頭冷やしてくる。大丈夫、すぐ戻ってくるよ」
そう言ってから、後ろを向いた、メイに対して、背を向けた。