豊田さんが目で追いかけているバーテンダー。いや、たしかにイケメンでいい雰囲気なんだけど、…いやイケメンって女の人に言っていい言葉、なんでしょうか。
そして、豊田さんが私にアドバイスを求めた理由がわかった。なるほどね、私なら兎も角他の人が私のように同性のパートナーにたいして偏見を持ってない、とはわからないからね。
そりゃ、私に対して「彼氏」とは言わずに「恋人」っていいますわね。理解した。
「………実は、彼女、私の幼馴染でして」
「幼馴染。ぁー。なるほどそれは、また」
「長年一緒にいるわけですから、互いの気持ちは互いにわかっているのです、ですが」
「それはそれ、これはこれ、ですね?」
「でして」
「つまりこれ、あれですね?どうやって告白するかっていう話ですね?」
恋愛相談だと思ってたけれども、そうではなくて告白する勇気がほしいだけだこれ!
いや、私が笠間先輩と王子先輩に相談した時もそうだったんだけれども!恋愛相談とは一体…うごごごご…
いやしかし幼馴染、かあ。私にも一人いたけれど、その子はあっさり結婚を決めていったなあ、なんて思いながら。まあ、世の中の女の子なんてそんなものなのかもしれない。私が…いやなんでもない。きっと私だけではない、とは思いたい。
「ところで、豊田さん。デートプランとかはお考えで?」
私は少し、大きめな声で豊田さんにそう聞いてみる。ぴくん、バーテンダーさんが反応した。まあ、そうだよね、デートプランとか気になるよね。
「でーとぷらん、ですか?」
「そうです、デートプランです」
「デートプラン…」
うん、めっちゃくちゃバーテンダーさんが反応している。気になるよね。気にはなるけれど、豊田さん私といるし、そんないつもみたいに反応(しているかどうかはわからないけれども。)できないよね。まあ、そもそも向こうさんはお仕事中…いやでもバーテンさんのお仕事って私達と会話するとかもありそうだし。
「ねえ、バーテンさんも気になりますよね?」
なんて、声をかけてみよう。にっこり、と笑いながら。おや、ちょっと豊田さんが下をむいてしまった。バーテンさんに声をかけるのは悪手だったかな…?
いやでも、…豊田さんのほっぺが赤い。照れてるだけっぽい。
「そうですね、お客さんのデートプラン、気になりますね。お二人共ですが」
そういって、にっこりと笑いながら返すバーテンさん。なるほど、これはこういう厄介な客(私)みたいな扱いはきっと慣れておられる。まあ、そうじゃないとバーテンなんて続けないか。
さて、デートプラン、か。