さて、ご主人の実家にいるわけじゃが。ご主人と姉様は一緒に買物しにいって、今、家には儂とご主人のお母様しかいない。
いやまあ、初めてあった人との会話なんてそうそう盛り上がるはずもないのじゃが。
「そうだ、卒業アルバムでも見る?」
「あ、いいんですか?少し見たいとは思ってまして」
「ほいじゃあ、ちいと待っとって。すぐ持ってくるけぇ」
「あ、はい」
まあ、お母様もそういう事をわかってか、卒業アルバムで場を盛り上げようということなのじゃろう。
まあ、勝手に見てしまうのはちょっと罪悪感はあるのじゃが、それはそれ、これはこれじゃ。実家に来たなら、卒業アルバムを見ないと行けない、みたいな話もあるしの。
「はい、こっちが帆乃香の小学校のやつ、で、こっちが中学校のやつ。
たちまちこの2つを読んどってもろうて。高校生の時なぁもうちいとまっとってほしいかな」
「わー。なんか、すみません」
「ええんよええんよ。これぐらいしか、うちゃできんし。テレビを見よってもろうとるだけっていうのもなんか違う思うけぇのぉ」
「それもそうですね。私は地方のテレビを見る機会はないので、楽しいですけれどね」
「そう?まあ、でもうちもメイちゃんとお話したいし、高校生の頃のも持ってくるわ。じゃけぇ、ちいとまっとってね」
「あ、はい。ごゆっくり」
ごゆっくりというのもおかしい気はするが。言葉に甘えて、とりあえず小学校の頃の殻見始める。
なるほどなるほど、ご主人の小さい頃、ってこんなこう、可憐なんだな、って思う。いや、今も可憐だとは思うのじゃけれど。それはそうなのじゃけれども。
そんなこんなしていると、お母様が高校生の卒業アルバムをもってきて、更に新しいお茶を入れもらった。うん、なんじゃろうな。儂はお客様なのだからそれぐらいされても別に罰は当たらないのだけれど少しだけお手伝いしたほうがよかったかな、とも思っている。
「どがぁ?こまい頃の帆乃香、可愛いじゃろ?それがなんてまた、あがいな擦れてしもうたかなあ」
「そんなに擦れてますか?」
「擦れとる擦れとる。もう何百回と見たビデオテープぐらい擦れとる。
中学校ぐらいかな?なんかこう、なにか大人ぶるようになったというか」
「まあ、そういう時期なんですよ。成長期といいましたっけ」
そういって、儂は入れてもらったお茶を一口飲む。はー、美味しい。
「すごいですね、こんなに美味しいお茶を入れられるなんて」
「やだぁ、めいちゃんったら。そがいなお世辞を言うたって出るなぁお茶請けだけよぉ」
なんていいながら、どこから出したかわからないけれどお漬物が出てきた。
すごい、いい感じに使ってそうな色をしておる。とりあえず、お漬物をいただきつつ。
とりあえず卒業アルバムの内容については、もうちょっと後じゃ。