とりあえずは掃除を軽くして、挨拶を、と思ったのだけれど、なんだかいつの間にか管理人室にいます。
いや、掃除は遥と後に合流した姉も含めてやったけれども。
「いやあ、こがいな暑い中掃除するもんじゃないわ。汗がダラダラでー…。麦茶、えっと作ってあるけぇお替りしてええわよ」
「あ、はい。頂きます」
「そうはいっても長い休み取れるの、この時期ぐらいじゃしね。秋もあるけれど、秋は他のところ行きたいし」
「そりゃわかる。お墓参りなんて、一年に一回でええわよ。それをなんべんも」
「まあ、こっち側としても一回でええかな、たぁ思うんじゃけれど。そうすると立ち行かんようなるんよね」
「世知辛いですね」
どこの業界もそうだしどんな生物でもそうなんけれど、やはり生きるためには食べなきゃいけないわけで。食べるためにはお金が必要なわけですよ。そりゃ、お墓参りは一回でいいって幽霊側が言った所で、管理している側が一回だけだと食っていけない、となるなら、お盆だなんだってイベントとしていれるよなあ、ってなるわけですよ。
いやあ、やっぱどこも世知辛いね。
「私たちはコンビニで色々買ってきたましたけれど、やっぱりこういう管理している所で買ったほうがいいんですか?」
「そっちのほうがありがたいっちゃありがたいかなあ。納骨やらもあるけぇそがいに気にせんでもええ、っちゃええんじゃけど、そがいなのも毎月あるもんじゃないし」
「まあ、そうならんように病院も色々手を尽くすじゃろうしね」
「そうですよね」
多分、私がそういう状況になったら、病院とか知り合いだとか色々手を尽くしそうなメイがそういって頷く。いやほら、私はそんなに長く生きたいとは思ってはいないのだけれど、そうするとメイを一人にしてしまうわけで。そうすると長く生きなきゃなあ、なんて思うわけですよそれは。
「まあ、早うこっち来られてもうちも困るし嫌じゃし」
「まだその予定はないよ、まじゃのぉ」
「帆乃香は肝臓の数値気ぃつけんさいよ」
「そうだそうだ、高うなってからじゃあ遅いんじゃぞ」
「そうだそうだ、私を一人にするつもりかー」
「気をつけます…」
気をつけてても高くなるときは高くなるとは思うのだけれども、それはそれ、これはこれと返されそうなので素直にそう言っておく。
お酒控えなきゃ、とは思って入るのだけれども、お酒を飲まないとやってられないシチュエーションが多くてその。
「それはわかっておる。そのうえで肝臓に気をつけて、ということじゃ」
「社会人はね、お酒に逃げたいこともあることばっかりじゃけぇの」
「それもそう、なんよね。普通の職業でないうちですらそうなんじゃし」
心を読まれつつ、そうなのだ、とうなずきながら、私は麦茶をいただいた。