「主様ーはようはようー」
「まって。まってー。エレベーターも下着もはそう逃げないよー」
「むぅ」
はい、ということでメイと一緒にデパートに来ております。
まあ、なんというか、そのメイの胸と私の胸のサイズが全然違うので、メイに合う下着を買いに来ました。
んー、私もメイに合わせるべきか…。でもPADかあ…。ならそのままでもいい気がするんだよなあ…。
「どうしたのじゃ、主様。難しい顔をして」
「いや、なんていうか。同じ性別なのにここまで違うかーと」
「?」
「…まあ、今更考えても仕方ないよね。女性下着売り場って何回だっけなー」
なんて、言いながらエレベーター乗り場にある案内板を読んで。
「二階じゃな」
「二階かー…。じゃあ、エスカレーターか階段でいいかな」
「そうじゃな。…儂はできるだけこの階から離れたいのじゃが」
「ん?…ああ、そうか、化粧品?」
「そうじゃ…。なんかこう、気持ち悪くなりそうでの」
まあ、狐…というか、犬科の皆さんは人間の嗅覚より優れてると言うしあんまり強烈な匂いのところにいるとそうなるのかもしれない。
まあ、私も化粧品の匂いが混ざったところにあまりいたくないし、さっさと一階を離れようと、エレベーター乗り場の隣りにある階段を上がって二階へいこうとあるき出す。
「しかし、主様もそうなんじゃが、毎朝、あんなにきつい匂いを体につける人間ってすごいの」
「あー。そうね。人以外からしたら化粧って不思議な事だよね」
「そうなのじゃよ。元々お風呂とか入っていい匂いなのじゃからそんなに盛らなくてもいいと思うのじゃが」
「まあ、そうね。若いうちはねー…」
そう、若いうちはあまり化粧しなくても「かわいいねー」とか「美人さんだねー」と言われるが、まあある年齢を超えてくるとそうも言ってられなくなる。
お肌の曲がり角、と言われるんだけれど。ほんと、化粧のりが悪くなるというか…なんかすごい悲しくなる。
私も子供の頃はなんであんなに盛るんだろう、って思ってたけれど実際その歳に近づいたりその歳をちょっとこすともるようになる。
…まあ、そんなすごい悲しい気分になっていると。
「あ、…その、ごめんなのじゃ。主様。でも、主様はそのままでも十分かわいいのじゃ…」
そう言って、私は顔を覗き込んでくるメイの頭をなでてやる。
いやあ、まあ、なんだろう。身内とは言え、「かわいい」とか言われるのはやっぱり嬉しいもので。もっともっと皆言っていこう、って思う。
「ん、ありがとうメイ。メイも可愛いよ」
「えへへへへへへへー」
にこにこと笑いながら、抱きついてくるメイ。うん、可愛い。
…いや、そうではない。なんか見られてるな、と思ったらここデパートだし、階段の踊り場だ。
いやあ…なんかこう恥ずかしくなってきた。
「…い、いこっか」
「そ、そうじゃな。儂の胸が崩れないうちに」
「そうだね!」
そそくさ、とその場を離れる私とメイ。いや、まあ、そんなに早く胸は崩れないけれども。
擦れたりして痛くなる前に、さっさと下着を買おうと決めました。