私の毒が思いっ切り注入されたお話になっています。
あるところに不思議な境遇の少年がいたと仮定しましょう。
これから書かれているのは…
そんな、彼を題材にした架空の物語です。
ある日、彼に友達(自称)の金持ちが自慢気に見せてきたのは、
『大きな恐竜の化石』
でした。
それはティラノサウルスの爪の化石で大変珍しいモノでした。
見せられ自慢された彼は…
ああ、そうそう…、
少し彼の性格を話しておかないと、お話が進まなかったですね。
彼は、勉強も運動も駄目です。
駄目と言うよりは、全く駄目と呼称しないと言い表せていないとの証言もあります。
ですが…
『天は全ての人に才能を与える!』
を実践しているのか判りませんが、彼には…
『銃』
と、
『綾取り』
の、天才的な才能を与えました。
特に『銃』の才能は、目を見張るものがあり、
『宇宙一のガンマンより早い抜き撃ち』
に加え、
『針穴をも通す正確な狙い撃ち』
は、短い時間ではあまり語られませんでしたが、長い時間だとよく語られていました。
…
おっと、余談でしたね。
ここで重要なのは、勉強も運動も、全く駄目な彼ですが…。
人一倍、負けず嫌いだったと言う事です。
珍しい化石を見せられた彼は、その友達(自称)に、
「恐竜の化石を一匹分丸ごと見つけてみせる!」
と、言い放ちました。
何故って?
負けず嫌いで言ったのもあるでしょうが、
彼は自分が置かれた不思議な境遇に頼る癖があったのです。
こちらも話しておかないとですね。
彼が置かれた不思議な境遇とは、彼の家に居候してる親友の事です。
その親友は、未来からタイムマシーンで現代にやって来ました。
本来なら、タイムパトロールに、
『時間管理法違反』
で、逮捕されているはずなのですが…
当局は、黙認しています。
裏のスジの情報では、
『彼は時間の特異点であり、親友との事は未来に影響を与えない』
とも…。
しかし、そんな理由で逮捕しないのは不自然だと言う声もありました。
ある研究者が発表し、笑い者にされた、
『時間管理局が隠している秘密』
*タイムパトロールは時間管理局の管轄(かんかつ)
が、正しいと言う説。
『彼と親友がタイムマシーンで時間を超えて出会うのは、正しい時間の流れ!』
が、本当だったのかもしれない。
もし、これが本当なら、
[タイムパラドックス]
そのものが時間管理局による捏造であり、自らが正しい時間の流れを守っている事が嘘になります。
そして、時間管理法そのものの根底が覆る事になる。
しかし、確かめる術(すべ)はない…。
何故なら…、
この説を発表した研究者は時間犯罪に巻き込まれ、産まれなかった事になったから…
*時間犯罪とは?
タイムマシーンを使った犯罪行為である。
ある犯罪者が、タイムマシーンを使って逃亡した。
その先に、偶然その研究者の両親が居た。
タイムパトロールに追われた犯罪者は、両親を人質に取り立て籠もった。
その後、逃げ切れないと自暴自棄になった犯罪者は人質を殺し自殺した。
そしてこの事件により、研究者は産まれなかったのである。
またまた、話が逸れましたね。
親友は、未来の道具を無限に入るポケットに大量に所持していました。
いつも彼の為に、どんな事も楽にポケットの得体の知れない道具で、問題を解決していたのです。
ど んな事も
楽(ら く) にポケットの
得(え) 体の知れない道具で
問(もん) 題を解決
この頭文字を取って、彼は親友を呼んでいたと、言う話もあります。
家に帰った彼は親友の空を飛ぶ道具で化石を探しに出掛けました。
しかし、発掘の知識も無い彼が化石を見付ける事など簡単に出来るわけも無く、闇雲に地面を掘り返しただけでした…。
そんな時、掘った穴から出てきたのは
『卵の形をした石』
でした。
それを喜び勇んで持ち帰った彼は親友から、
『包んだモノの時間を巻き戻す道具』
を借りました。
明らかに、時間管理法違反のモノですが…、
何故か、これも当局は黙認しています。
親友は、
「そんなに簡単に見付かるわけが無い! 只の石だ!」
と言いましたが、彼は聞き入れません。
道具を使って、一晩中石の卵の時間を巻き戻し続けました。
翌朝、彼が見たものは…、
時間を巻き戻された石の卵の本来の姿。
そう、
『恐竜の卵』
でした。
彼は幸運だった。
…
少し訂正します…
彼には幸運だった。
当然、次に彼が行ったのは卵の孵化です。
彼は昼夜を問わず温め続けると、
ついに卵は孵り、
『水生の恐竜』
が生れました。
彼は名前を付け可愛がりました。
恐竜はすくすくと育ち、最初は部屋のバケツだったのが、風呂場になり…、
ついには、家で飼う事が出来なくなりました。
思案した挙句。
『公園の池』
で飼う事にしました。
しかし、そこは人目のある場所。
直ぐに公園の池に恐竜がいると噂になりました。
噂を聞きつけたUMA(ユーマ)ハンターが、公園の池へと偵察に来ました。
単なる都市伝説だと思っていたUMAハンターは驚愕(きょうがく)しました。
満月に照らされた池から、伸びる恐竜の首に!
UMAハンターは、
「本物だ!こいつを捕まえて売れば大金持ちになれる!」
と、恐竜を捕獲しようとしました。
驚いた恐竜は、恐怖のあまりに公園の池を飛び出し逃げました。
幸運だったのは、すぐ近くに川が流れていた事です。
直ぐ様、恐竜は川へ飛び込み海へと逃げました。
海へと逃げた恐竜は、恐怖から逃げる為に深く深く潜り続けました。
そこは、海溝と呼ばれる深海。
一安心した時、恐竜は空腹だと…。
『何か食べるものは?』
探し続けましたが、深海には恐竜を満足させるだけの食べるものはありませんでした…。
それでもなお、探して彷徨う内に見付けたのは…、
『美味しそうなモノ』
深海の暗闇に僅かに青白く光る御馳走!
それを夢中で噛り、食べました。
人間に対する恐怖を忘れるかの様に…。
朝になると街は大騒ぎになっていました。
彼が、公園に駆け付けた時には人集りができていて、何かが川まで這いずった後を囲んでいました。
彼は、直ぐに恐竜だと気が付き探しましたが見つかりませんでした…。
何日も何日も彼は探しました。
やがて、彼は諦めました。
数年後…。
恐竜は、あの御馳走を食べ続けた結果、
『立派な躯体(くたい)』
へと、成長していました。
恐竜は忘れてはいませんでした。
人間に与えられた恐怖を…、
あの時の借りを返す事を…、
そう…、
彼が恐竜の卵を見付けたのは幸運でした。
しかし…
この国の人々には、不幸でした。
この後に起きる惨劇…、
それは…、
ドラえもん
のび太のシン・キョウリュウ
として語られました。
そんなに慌てないでください。
これは架空の物語ですから、
「先ずは、君が落ち着きたまえ!」