「.....今まで、済まなかった」
そんな言葉を発したのは、彼女の父親であるアゼル。
それは無論、彼女━━イヴに対して当てられたものだった。
「ぇ.....いや、そんな、私は.....」
「.....許される事では無いと承知している。それでも、謝らせてほしい」
あたふたするイヴは何気なくソルジャーを見る。
呑気に欠伸をしていたが、彼女の視線に気づくとニヤリと笑い、近づいて行った。
「別に謝る必要は無ェんじゃないか?」
「え?」
「は?」
思いもよらぬ発言に、イヴとアゼルは思わず素っ頓狂な声を上げた。
逆にソルジャーはますます笑みを深めていた。
「今までの事を謝るよりもさ.....これからの事を考えるべきだろ。
例えば、今日からどういう風に娘の為に動くか、みたいなさ」
「...!」
ソルジャーの言葉に、アゼルは驚く。
彼の顔から見るに、どうやら
一体どこまで考えているのか。そう思ったアゼルは悪くない.....筈だ。
「...そう、だな。そうしなければいけないな。
.....こんな父親だが、それでも許してくれるか?」
「.....うん。ありがとう.....」
肯定の言葉と共に、目から大粒の涙が溢れる。
それを見たアゼルは、優しく自分の娘を抱き締めたのだった。
「さて、早速聞きたいのだが.....その男は、お前の婿か?」
「...ふぇ!?」
「...はい?」
あれから数分後。すっかりイヴは泣き止んだ。
しかし、アゼルはそれを見越し、最初から気になっていたことを聞いた。聞いてしまった。
「い、いやいや!?違います!?」
「?.....では何だ?」
それを聞かれては言わなければいけないのだが、生憎と言えない状況にある。
まさか、『私の魔力を貰って生きている従者』と、今言うのは気が引けるだろう。
「ええーと.....その.....」
「?」
意外と思いつかない嘘を、頑張って思いつこうとしているイヴを余所に。
ソルジャーはただ率直に、口を開いた。
「.....コイツを守る
「兵士、か.....とてもそうには見えないがな」
「違いねェな」
ハハハ、と両者共に笑う。
そんな彼等を見ながら、イヴは頬を膨らませた。
「(.....何故か心が痛い.....別にお父様と話してるだけなのに.....)」
「...ん?どーしたー?.....あ、もしかして、構ってくれなかったから拗ねてンのか?」
「んなっ!?そんな訳無いでしょ!!?」
シャーと猫のように怒るイヴと、それを面白く揶揄うソルジャー。
其処には、まだ確かにはなっていないが、それでも絆と言えるものがあった。
「.....」
そして、その日の夜。何処かの通りにて。
全身を黒で統一し、
「...行くか」
たった一言。それだけ呟くと、その者は突然消えた。
いや、違う。魔術で高速移動をしたのだ。それも
そんな事があった日の翌日。約13名の死亡者が発見されたという。
銀色の髪って言ったら、もうアノ人しか思いつかないよネ!