復讐するは我にあり   作:真庭烏賊

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死屍累々茶番戦 前

連合軍本体はシスイ関の前で布陣を完了する。

 

 

前曲にはシスイ関に董卓・天の御遣いがいると聞き手柄にしようと前に出た連合軍大将袁紹、天の御遣いを討つべく先陣に加わった孫権。

 

中曲に様子見の曹操。

 

後曲には攻城戦が出来ない理由で公孫瓉が配置した陣。

 

 

正直前曲二人の勢力の人数が多すぎてその後ろは殆ど戦闘にかかわることが出来ないような馬鹿げた布陣だが、敵兵を威圧するのに十分な布陣だった。

 

 

「おーっほっほっほっほ!皆さん?いきますわよ!雄雄しく!勇ましく!華麗に前進ですわ!」

 

「皆の者、時が来た!古参兵に新兵諸君!万願成就の時が来た! 天の御遣いよ、覚悟せよ!!」

 

その掛け声とともに両家の先陣がシスイ関へと近づき、

 

 

「暴政を行い民をむやみに傷つけている田舎太守、董卓軍の皆さん?其の董卓軍に従い大義を失った天の御遣い軍の皆さん?今おとなしく降るのならばあなた方の命だけは助けてあげますわ!さぁ!この数の違いも見えるでしょう?おとなしく降伏なさい!」

 

「天の御遣いに尚も協力するなら皆殺しでは足りない!我らの怨念を死して尚も聞かせ、あの世で母孫堅・姉孫策に一生詫び続けろ!」

 

そう叫ぶ、その姿を後方にいる曹操は静かに、冷ややかに見つめる。

 

実は、彼女は董卓軍と繋がっていたのだった。曹操と彼女等は黄巾討伐の折、親交を深め合った仲であった。また、曹操自身彼女等は英雄だと感じておりこのバカげた戦いで死んで良い命では無いと感じている為、適当な所で助け舟でも出すつもりであった。

 

また、董卓軍の密使による情報によると曰く、

 

「篭城を選ばず、後退し虎牢関にて最強の武士達を持って連合を蹴散らす、人数の都合で割って入れる隙間は無いだろう、それ故に手出し無用・・・其方への被害を抑える自信が無い」

 

思い浮かぶのは一つの噂、飛将軍呂布。

 

 

単身で3万の兵を止めたとも言われる、しかしこの時代成果は誇張される故に、それは噂に過ぎない眉唾物だった。しかし彼女は其の現場を目の当たりにしていた。故に素直に密使に従うのだ。いずれあの武を己の傘下にしたいと感じていたが、今は上手く損害を抑えるため兵にあれこれと指示を出していた。曹操自身董卓軍の勝利を信じて止まなかった。

 

その時までは

 

 

シスイ関の門が開く、篭城を選ばなかったことに袁紹は満足していた

 

 

(しっかり戦力差というものを分っているじゃありませんこと!)

 

 

降伏なら良し。自分の高貴な気に当たり膝を屈するのは仕方がない物だ。

 

惨めにも抗うならば我が精鋭の武勲になってもらう。

 

どちらにしろ袁紹は我が軍勢が負ける未来等見据えていなかった。

 

だからこそ・・・その門より出てきた女の言葉に・・・天の御遣い、宮川天子の言葉に己が正気を疑う物だった。

 

「漢に仇名す逆臣袁紹よ!それに従う逆賊共よ!貴様等こそが洛陽の平和を乱す一番の要因!そんな貴様に屈することなど我等ができるはずがない!これは我が将全ての一致である!故に聞け連合軍よ!そして仰ぎ見て感じるが良い!我が軍が誇る最強にして最高の武の恐怖をその身を震わせるがいい!」

 

 

一区切りした天子は右手に持った刀をかかげ、周りを見通し自分達に忠誠を抱える将兵の高揚を感じ取りながら宣戦を布告する。

 

「私達を信じる者達よ・・・彼等を打ち倒せ!己が武を存分に振るえ!主のために!漢のために!なによりも自らのために!・・・全軍!突撃!」

 

その言葉と同時に刀を振り下ろし、袁紹ののど元を指し示すように止める。

 

 

開戦の合図であった

 

 

一瞬の沈黙も許さずに

 

「関羽隊!連合軍のはらわたを食い尽くすぞ!軍神の極限の力を持って攻め立てよ!」

 

「董卓軍全軍に告げます!洛陽に災いを運び入れる者どもを駆逐せよ!」

 

「「全軍!突撃!!」」

 

彼女達の部隊が駆け抜けるのだ。

 

 

連合も敵の勢いに飲まれ掛けた其の時、

 

「臆するな!!敵陣に呂の紅旗は存在しない。関の旗の勢いを殺げば我らの勝利ぞ!!」

 

先陣にいた孫権であった。

 

彼女はいち早く陣容を確認し、飲まれ掛けていた連合の士気を再び滾らせたのであった。

 

 

其処からは、彼女の孫呉の血が成せるのか・・・先陣を切り、関羽と一騎打ちを始めたのであった。関羽も孫権の武勇は、孫堅・孫策に劣るだろうと高を括っていたが、孫権は一人で足りぬならと腹心である甘寧・自分と同じく孫堅の仇を考える黄蓋と共に関羽を攻め、周泰・周瑜の両名は関羽の兵を次々と屠って行った。

 

同じ頃、あっけに取られた袁紹軍も董卓騎馬隊の精鋭に攻め込まれていたが、

 

「こんな事もあろうかと・・・ほいきた馬防柵!!」

 

と軍師田豊は即座に兵達を、馬防柵の後ろに引かせ弓で対抗せしめた。突っ込んできた騎馬隊は弓の餌食になるか、馬防柵に突っ込み馬ごと貫かれるかの最後であった。それでもなお、馬防柵を突破し突っ込んでくる相手には北袁四天王と言われる、顔良・文醜・張コウ・高覧の四将が倒していった。また、袁紹も自分を逆賊扱いした連中を許せず弓を引き相手にしていたが、何とこれが百発百中。曹操軍の将、夏候淵曰く「唯、運に任せて弓を引くだけ・・・ある意味凶悪な弓将だね。」と苦笑いしていた。

 

関羽が押し込められたのを見た宮川が、あまりにも此方の消耗の早さに現実逃避をしたくなったが、即座に第二プランである呂布との挟撃を遂行すべく、シスイ関を捨て虎牢関に引くのであった。宮川の中では虎牢関で呂布と関羽が連合を蹴散らし、援軍の馬謄と洛陽の張遼・趙雲・華雄の三人で連合を追い出す計算が出来ていた。

 

だが、洛陽の将達はそれ何所では無いと慌てていた。

 

涼州にて韓遂反逆。

馬謄戦死、馬超・馬岱益州へ避難。

 

 

まさに、復興最中の漢王朝に暗雲が立ちこめていたのであった。




戦描写の少なさにごめんなさい。

意外と大変ですね書くの・・・其処等辺は脳内変換で補充お願いします。

自分も脳内変換しながら考えているがいざ書くと難しいっす。

(麗羽様の高笑いしながら弓を引いたり、孫権と関羽の一騎打ちに、曹操の計算、御遣いの誤算等等)

後編は虎牢関の戦始末と種明かしを書きたい・・・書かなければ!

ではまた次回
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