やっぱ董卓は魔王だろ!
董卓は縄で縛られ袁紹等反董卓連合の前に膝を屈していた。
彼女にはなぜこうなったか分からなかった。しかし、一つだけ分かった事がある。
「あ、彼方方は・・・如何して裏切ったのです!李確!郭詞!徐栄!」
裏切り者に非難をする・・・それしか出来ない事が分かった。
虚しい・・・李確、郭詞は自分が涼州にいた頃に跋扈していた賊であったが董卓自身で説伏せ仲間に成った古兵。徐栄は華雄の推薦した将兵で武人である華雄が推すだけあって、今では一角の将なのだ。
そんな彼らが反したのだ。自分の何が悪かったのか皆目見当もつかなかった。
「「本当に知らないので」」
李確・郭詞は口を揃えて言った。
自分が頷くと李確・郭詞は突如剣を抜き自分の首に剣先を突き付けたのだ。
連合の将達は突然の凶行に驚き、一歩引き下がったのだ。
「我らは董卓様が天下を取れらる。そう思い仕えてきた。」
「我らは董卓様がこの乱世を鎮めてくれると信じて仕えたきた。」
「我らの武は董卓様のお力の為に鍛えてきた。」
「我らの武は董卓様の邪魔者を切り裂く為に培われてきた。」
「「しかし!」」
「今の董卓様は洛陽の民のみしか見ていない。」
「今の董卓様は帝のご機嫌伺いしかしていない。」
「嘗ての董卓様は賊をなぎ倒し平和を打ち立ててきた!」
「嘗ての董卓様は悪官達を追い出し平穏を築きあげてきた!」
「どうか!嘗ての董卓様のように力で解決なされ!」
「どうか!比類なき暴力で他を圧倒した様に!!」
「「『魔王』と呼ばれた嘗ての董卓様に!!」」
彼らの嘆きが自分の心に封じた悪しき自分に流れ込んでくる。
歓喜・狂気
二つが重なり自分の体へと流れ込んでくる。
負けてはならない・・・この事で家臣や民に迷惑をかけた。
自分の国が広がれば悲しみに暮れる人達を助けられると信じた日々。
彼らの怒りを自分が代わりに受け悪を成す者達に晴らした日々。
その代償がより多くの悪に恨まれ、賊が進行し荒涼と化した我が国。築き上げられた賊と自国の民の死体。
いやだ!嫌だ!イヤダ!と自分の心に鎖で縛り、微笑みの仮面を付けやっと国は安定した。それもたかが一城。三十の城を征した自分に平穏が気づけたのはたったの一つ。これが限界。
城に笑顔が満ち、自分のやってきた事が無駄だと分かりずっと仮面を付ける日々。洛陽に来てからも変わらず、自分を騙しながらやってきた。
「こんなので良いのか」
「これではまた同じ過ちを繰り返すのでは」
と心で囁きが聞こえてきた。
事実仮面を付けても戦争は起きた。
やっぱり自分は無力なのだと諦めた。
自分はここで死のう、と生きるのに疲れてしまったが故の油断。
故に自分はここで捕縛され、後は首を晒すだけなのに。
「あなた方は・・・何を望む。」
つい聞いていしまう、嘗ての私であるならばあなた方はどうしたいのかと。
「「無論、今は乱世。所詮漢王朝もこれまで。ならば貴女の天下を見る為、死を恐れぬ兵に成り下がる所存!!」」
ピシ!
自分の心に鎖にひびが入った音がした。もう自分は死に損ない。成れば昔のようにただただ理想に燃えた鳥になろう。この大空限りなく飛ぶ鳥の如くに。
パリン
雰囲気が変わった。と連合諸侯は感じた。
直後董卓から想像もつかない低い声が当たりの騒音を掻き消した
「おい。李確、郭詞」
其の一声で、両将は董卓に向けていた剣を収め膝を屈した。まるで王を拝謁するが如く。
「解け」
またも一声。しかし直様両将によって董卓を縛っていた縄を解いた。
直後に響く破裂音。
董卓が両将を引っ叩いたのだ。
「これで許す。次は無いぞ。」
とても先ほどまで捕らわれていた董卓とは似ても似つかず。傍にいる呂布、陳宮すら口を開けたまま、唖然としていた。
そして、董卓は当たりを見回すと
「帰る」
其の一声で陣を出ようとしていた。
連合の兵士もそれを止めようとしたが
「我を返さねば呂布に虐殺を命じるぞ」と底が冷える声で遮る者を睨み返した。
兵達は恐怖した。
諸侯も、どうやら董卓は呂布を置いていく代わりに自分は帰ると行っているのだと強制的に理解した。
それでも手柄欲しさに立ち向かう兵士も何人かいたが、李確・郭詞によって悉く切り倒された。
こうして、董卓は洛陽へと帰って行ったのだ。
その後、董卓を追うようにして洛陽を目指す連合に待っていたのは、
青き空を紅に変えるほどに天高く燃え盛る都の姿であった。
出張から無事帰って参りました。
途中雪が降ってはしゃいでコケテ階段から滑り落ちて全身打撲したり・・・何やってんだおれ
やっぱり、董卓はこうでなくてはと自分の中で思っていたのでこうなりました。相変わらず出てこない我が主人公。でももう少しで出るかも
ではまた次回