私は旅立った。
「姉様待ってください!」
親を殺され苛立っているのかもしれない。
「雪蓮!待つんだ!!」
軍全てを袁術のチビちゃんに奪われ苛立っているのかもしれない。
「策殿!!!」
でも、
「ごめんね。でも、行かないといけないのよ。」
そう、“勘”が言っている。
(其処に運命が有るっと。)
「あそこが白波谷・・・か。」
あと一つ、山を越えれば目的地である要害白波谷に行けるのだ。
要害 白波谷
司隷~并州の国境にある谷で其の四方を山河の自然で囲まれており大軍では勿論、騎馬すらも使いずらい地形に成っており、烏桓・鮮卑などの異民族が非公認で住んでいた。
が、最近ではとある賊党に占領され漢臣達を悩ましていた。
楊奉
二つ名を狂賊
最初は十数人の賊の群れであったのだが、この楊奉が頭になって台等するとあっという間に数千規模の大賊党に成ったのだ。
これにより都・洛陽の童は「北から来るぞ。黒か白か。どっちかな。」などと謳っていたのだった。
因みに黒とは同じ并州にある常山の黒山賊のことであり、白波と同じく漢臣の悩みのタネであった。
そんな漢臣の悩みの種の片割れ、白波の楊奉・・・北郷一刀は狩りに出ていた。
剣術など現代の時に祖父に扱かれたお陰で並みの兵では勝てないが、鈴々のように超一級武将では分が悪いのであった。
そこで考えたのは弓である。戦国時代、戦死・戦傷の殆どは槍刀では無く弓矢が殆どであるといわれている。
卑怯かもしれないが鏃に毒でも塗っておけば掠っただけでも相手は戦闘不能になり、戦闘でも勝ちを拾いやすく出来る。
銃が登場するまで戦場の脅威となった弓を練習するに異民族達の手を借りて弓を拵えて貰い、練習として自分と妹分の晩飯を刈っていた。
動く獲物は、戦場の兵士。狙わば敵の首。引いて引いて放つ。それを繰り返し、野兎は勿論。猪や熊も仕留められるようになった。
「さて、そろそろ昼か・・・飯にするか」
俺はこの空気を感じながら、飯の支度を始める。と言っても野兎の丸焼と塩おにぎりで済ませるつもりだ。
(まったく塩万々歳だ。)
河東群は塩業が盛んで都の塩の大半はこの地産であった。それに目を付けた・・・偶々塩業をやっている風景を見て儲かる!と感じて手引きしたら売れる売れる。
「精々塩を買ってくれよ漢王朝。懐すっからかんにしてやせ細ってくたばれ。あとはおれがやってやるからさ。」
高台から見える都、洛陽を見下し一刀はほくそ笑みながらほっぺに着いた米を舐め取った。
そして、運命が訪れた。
「ちょっと良いかしら、其処のお兄さん」
声を掛けられ振り返ると淡い桃色の長髪を持つ褐色の女性がいた。
面倒になるなと感じながらも、彼女の容姿から目を逸らす事が出来なくなっていたのだ。
褐色の肌に桃色の髪。尚且つ豊満にそびえる双子山!!・・・違う違う。あの鷹の目だ。
似ている・・・違う、一緒だ。だがあいつは死んだ。
俺を殺そうとした将は孫文台。
そして正史にその名を轟かす彼のもの子。仇名は「江東の小覇王」。
「お前は・・・孫策・・・か?」
俺の問いに彼女はニィと笑い、獲物を捕えた虎の如く
「ええそうよ。狂賊楊奉・・・いえ、天を名乗る逆徒。北郷一刀!!」
襲いかかってきた。
一刀は冷静に弓を構えた。
「逆徒か・・・それはそれでいい」
この場合、漢に逆らった者という意味だろう。
ッハ!!それが如何した!!
「逆徒?生ぬるい!!漢朝の復讐者と呼べ!!」
それぞれがあの一戦で互いの復讐者に成った。
一刀は村人の。孫策は母の。
理性が外れた狂虎と獲物を定める狂賊。
復讐者達の狂宴は
メキリ
「「っは?」」
ドドドドドドド
「「のわー!/きゃーーー!」」
高台が崩れた事により、強制終了を迎えたのだった。
戦うと思った?残念まだよ!!
ま、次回やり合うかな。因みにここの一刀君は強くて卑怯者です。騙して何が悪い?騙されるのが悪いを地で行こうと思います。
でわまた次回。