復讐するは我にあり   作:真庭烏賊

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戦支度をする憎悪の群れ。平穏は去りもう一人の天の登場と黄布の獣が乱世を導く。ついに表へと現る憎悪の化身は何を時代に示すか、天すらも解らない。



憎悪の戦士達

「おら、とっとと食料を詰めろ!時間がかかってるぞ!」

 

「ですね・・・ほら其処!弓矢は在庫残さないと!攻められたら堅牢なここだって危ういんだよ!」

 

「ふぁ~・・・眠い・・・早くしてよね。三姉妹の歌が聞けなくなっちゃうじゃないか。」

 

「「だったら仕事しろや/してよね!!」」

 

慌しく戦支度をしているのは白波三馬鹿・・・もとい、三羽烏。韓暹、李楽、胡才の三人であった。

彼らは一刀の白波入りの前後で仲間になり、次第に其の頭角を現した武人であった。

金髪長身で厳しい目つきをしながら兵糧の積込を行っている韓暹はこの三人の中でもリーダー格で一刀の信頼も厚く彼もまた一刀の信頼に応えようと兵法書を読み漁っているほどの努力家であった。

赤毛童顔で爛爛と武器の手入れをしながら指示を出している李楽は漢の高税で土地を奪われた農民の子供で生活の為に奴隷となり、白波に辿り着くまで悲惨な暮らしをしていたらしい。御陰で自由の渇望と漢朝の恨みは人一倍強く、自由にしてくれて尚且つ漢朝に復讐を成そうとしている一刀の事は既に崇拝するまでに至っている。

緑髪白肌で紫金の彩色眼を持つ胡才は元々白波谷に住んでいた異民族の者で漢民族との交じり者として迫害されていた。しかし、一刀の登場で武の才覚を見せた胡才は一刀の元で出世し韓暹、李楽同様隊長位へと昇進したのであった。

 

因みに一刀の位は「渠帥」、張徳(鈴々)・徐晃(雪蓮)・候惇(春蘭)は「頭目」、三羽烏は「隊長」その下は兵として纏め上げていた。

 

 

 

そして我らの一刀はと言うと・・・

 

「攻める!!攻めるぞ!!あの「偽物」を先に潰してやる!!」

「おーなのだ!」

「先陣は俺に任せろよ、大将殿。」

自ら天の御遣いとして、天の神意として漢朝を滅ぼし世界を統べると豪語した手前、世界が再び天の御遣いを送り込んだ事に絶望し錯乱した一刀。そんな一刀の気持ちが理解できる為、先に邪魔者を消そうと考えた鈴々。嘗て黒山賊を率いたが、新たなる天の御遣いの奇襲により黒山賊を滅ぼされ客将として白波賊の下に着いた張燕は先に天の御遣いを滅ぼす事を提案、いや強硬しようとしていた。

 

 

「ちょ、ちょっと一刀。先ずは黄巾達と一緒に洛陽を襲撃するんじゃないの?」

「我らの大義は漢朝打倒。邪魔するなら蹴散らすが、態々攻める必要はあるまい。」

「ましてや彼らには勢いがある。例え勝てても、漢朝に抗う力を取り戻すのに年月がかかります。成れば漢朝を倒し楊渠帥に王と成っていただき、改めて天の御遣いを滅すればよいのでは。」

漢朝を倒せば群雄割拠の乱世に突入する。其の方が此方に有利性が出てくる可能性がある為天の御遣いは放っておけと雪蓮。どうせ斬るなら其の時に斬ればいい。態々攻めなくても良いのではと春蘭。そしてぽっと出の天の御遣いより滅びかけの漢朝を倒し、一刀を王に仕立てようとする為無駄な動きをしない方が良いと進言するは新たに参謀として加入した女、司馬懿である。

 

司馬と言う名門の血筋、整えられた金色の長髪、出る所は出る女性らしい身体つき、意志の強い美声、百凡を超える才。どれをとっても素晴らしい人材であり、仕えれば高い地位に行ける力を持っていた。そんな彼女が賊に身を投じているのは一重に一刀に魅せられたからである。

 

彼女は天才であったが故に夢に乾いたのであった。何をやってもこなす事が出来、出来ないものは己に関係ない物ばかりでり世界に叶えたい夢すら持っていなかった。黒山と同じく白波谷で蜂起した楊奉という有象無象に関しては何となく薬草を摘みに行った帰りに見えるかなと言う位にしか思っていなかった。

 

其れが始まりであった。

 

 

白波の集落に挨拶回りをしていた楊奉に偶然出会える事が出来て以来胸の高鳴りが止まなかった。

 

まるで、女性が男性に一目惚れしたかのように・・・

 

あのお方の目的とはなんだ。

叛乱?独立?立身?

どちらでもない、あの憎悪の瞳。

 

あの目の視覚に入るだけでも我が身を焦がすほど体が火照る・・・

 

胸が高鳴る。高鳴り続ける。彼こそが、至高にして究極。

 

あのお方を天上人へと導く役目こそ天才たる我が宿命なのだと。

 

 

そして、司馬懿は出奔し賊へと身を投じたのだ。楊奉を王にすべく自分がそれを導くために。故に天の御遣い如きに構う必要なぞ無いのだ。所詮上手く時流に乗れた成り上りでしかないと決め付けたのであった。

 

 

だが、一刀はそんなことは知らないと消耗しきった顔で焦っていた。

 

なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜ

 

 

俺が天の御遣いではなかったのか?俺は用済みなのか?俺は新しい天の御遣いの為の捨て駒なのか?一度疑問にすれば決して晴れないこの気持ち。故に消すのだ。自分こそが天の御遣いだと証明するために・・・

 

 

 

その後、一刀が心労で倒れてしまい洛陽強襲も黄巾援兵も一刀の決定が無い為見送りと成ったのだった。

 

そして、一刀が目を覚ますのが二月後・・・丁度黄巾の乱が鎮まり洛中で政変が起き、董卓と天の御遣いが漢朝を立て直している最中であった。




オリキャラの説明はいずれ行います。

ではまた次回。
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