反董卓連合軍の本陣__
不気味と静まり返る陣中
そんな彼らの目線には、
腕を落され血飛沫を上げる董卓側連合解散の使者、王允。
その王允の血がついた剣を持ち黒い光を宿した傑、公孫賛。
反董卓連合軍からの宣戦布告は、まさかの天の御遣いの盟友とされる公孫賛から送られる事と成ったのだった。
時は遡る__
「さて、皆さん集まりましたわね。
始めて顔を会わせる人もいますし、まずは私から自己紹介から始めますわ。」
殆どの諸侯がこの連合に参加し、胸中を期待に膨らませた袁紹は初めにと自己紹介から始めた。
「私が!名門袁家の袁本初ですわっ。」
自信満々に言い切る袁紹は待ったくを持ってぶれてはいなかった。
「はぁ・・・・こいつはいつもこんな感じだから
ほっとくわよ私が陳留太守の曹孟徳よ。」
そんな様子を見て旧友であり陳留の太守曹操はとりあえず呆れながらも自分も自己紹介をする。
「袁術殿は体調不良のためこの孫権が代理として出させていただく。」
更に不満たらたらな空気を出す孫権。
そして袁紹を挟んで曹操の反対に座っている軽鎧を着た女性も自己紹介に及び
「私は幽州太守、公孫賛 伯珪だ。よろしくなっ。」
と答えた。
其の瞬間、
「おやおや、場所を間違えておいででは?シスイ関は向こう側だぞ?」
と嫌味ったらしい言葉が飛んできた。なんとその声は孫権からであった。
「この場所が自分の場所だからここに居るのだが?」
「いやいや、天の御遣いの盟友たる貴方がここにいては不味いでしょうに・・・」
といくら太守代理とはいえ無官である孫権は、正式に太守足る公孫賛に失礼な態度を取り続けた。
孫権は天の御遣いを恨んでいた。
母を殺し、姉すらも奪ったせいで孫家は修復不可能なほど落ちぶれて行った。
兵は離散し、頼みとした周瑜とは主義主張で反目しあい気まずい雰囲気になってしまっていた。
そんな折にこの連合の誘いであった。
彼女は歓喜した。
母と姉の仇が取れる。名声を得て再び呉の地で暮らせる。
だからこそ袁術を説得したのだ、下げたくない頭だって下げた。
そしてこれからだという時に天の御遣いの盟友と呼ばれる公孫賛に出会った。
噛み付くなと言うのがおかしいのだ。
「ご安心なされよ。背後からは勿論、状況に応じて裏切る事など致しません。」
「フン、口からではいくらでも言えるわ!だったらなんでこっちに貴女がいるのよ!!」
誠意でも見せてみろ、土下座でもしてみろ云わんばかりに公孫賛を見下す孫権であったのだが、
「______聞いてくれるか?」
と暗い表情になった公孫賛が見えたのが驚いてしまった。
「___どうぞ」
諸侯たちも静まり返り、それを見越して公孫賛の返答を説いた。
「_____あいつが悪いんだ___」
「・・・なにが・・・ですか?」
「あいつが悪いんだ!!!!あいつは何もかも奪っていった疫病神だ!!」
公孫賛の目がどす黒く濁り、感情を爆発させた。
「あいつは、桃香を利用して兵を・民を・臣下たちを私から奪っていったんだ!御陰で私は御上から散々な目にあったんだぞ・・・やれ税が足らない?収める民が半分もあいつに付き従ったんだ。収められるわけ無いだろ。やれ五胡が・賊が襲ってきた?精鋭すら、白馬陣の殆どがあいつの兵になったんだ!どうしろというのだ!!仕事が終わらない?臣に見放され、頼っていた客将達もあいつに付いてった・・・どうしろというのだ?!
それでも、私は幽州が好きだ。誇りでもある!・・・だというのに!あいつは!!それすらも奪おうとしている!!この連合が出来る数日前に漢から御達しがあったんだよ。『貴殿を執金吾に命じる即刻参るように。それと此処の代わりは田豫殿だ。』と言われたよ。其処から記憶が抜けたけど・・・目の前に使者と田豫の首があって確信したよ。『私がやった』ってな。もう、あっちに行けぬ身。故に、幽州太守としての戦いをしに此方に参った。」
壮絶な告白
此れには曹操を初めとした諸侯達が静まり
パチパチパチ
一つの拍手が鳴り響いた。
袁紹であった。
「白蓮さん(公孫賛の真名)・・・なんということを・・・私は、私は涙が止まりませんわ!!いいでしょう、この袁本初!白蓮さんの名誉挽回に尽力して差上げますわ!」
孫権もまた、
「・・・数々の無礼。誠に申し訳ない。」
と謝る他無かった。
其処に
「申し上げます!司徒王允殿が陛下からの勅書を持って参りました!」
「始めまして皆様方、司徒の王允でございます。」
そう初老の文官が出てきたのだった。
「陛下は酷く悲しんでおられる。洛陽で暴政が行われているなど虚実でございます。ここに陛下がお書きになった勅がございます。此れを聞いて、素早くこの連合を解散してほしい。」
静まり返る諸侯。曹操は相手側の迅速な動きに顎に手を添え考え始めた。
袁紹はせっかくの機会を台無しにされた怒りで顔を真っ赤に染めた。
孫権は何かを待つように待機した。
そして公孫賛は剣を帯刀したまま司徒殿に思いっきり殴り飛ばしたのであった。
「ぐあ___な、なにをなさいますか!!」
「ふん、どうせ其の勅なぞ董卓が無理矢理書かせたのであろう。読むに値しない。」
「お、お待ちください!!執金吾殿!狂われたか!!」
「黙れ!黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!!私は幽州太守の公孫賛だ!!!
ザン
「ぎゃひ!!う、腕がー!」
「帰って伝えろ。この公孫賛、お前達とは盟友では無く敵であるとな。」
そう言って王允を帰らせたのだった。
「皆様。此れが私の決意です。判断は任せます。」
そう諸侯の前で発言した。
今なら公孫賛の首で丸く収まるかも知れない・・・しかし、袁紹は皆の前で、
「皆様方。幽州は味方なり。・・・これで良いですわね。」
と発言した。
ここに公孫賛は連合入りしたのであった。
お待たせしました・・・なんとか書けました。明日も書くつもりです。唯しばらく仕事が忙しくなりそうなので遅れるかもしれませんが応援よろしくお願いします。
あと、感想待っています。
ではまた次回