神速のGK   作:インパラス

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色々あって予定より遅れました。申し訳ないです。

キーパー時の描写は、持ち越しました。原作登場人物が相手の時までに。


オフ・ザ・ボール

 

 

 

 

 

 「おほん。ええー、みんなのキャプテン、義経健太ですー。おいらの怪我の経過も順調ー…」

 

 一ヶ月前に試合中の接触で肉離れして、Aを離れていた義経だったが、Bの試合で調整するらしい。

 出されたスタメンでは、コイツはワントップ。次は余裕で勝ったな。なんせ、去年のプレミア得点王サマだ。

 

 「勝つぞー。うおおおおおー」

 

 棒読みなのが、イラっとくる。

 惚けたヤツにしか見えないが、これでも使えることには違いない。筈だ。

 

 

 

 

 「そこなウネウネ君、ちょいとよろしいかね」

 「あ"〜?」

 「こっわあ…反抗期かナ?お宅の弟クン」

 「ゴンタは、昔からこんな感じっス。義経さん」

 「ツルリン君も、苦労してるのね」

 「…?はあ…」

 

 試合開始二時間前。

 暑苦しい奴らから離れ、日陰で身体を伸ばしていると、葦人と義経が寄ってきた。この陰には入れねえからな。

 

 「まあ、よいぞ。俺は、今日の試合のためにお話に来たんだぞ」

 「は?必要ねえよ。勝手にやってろ」

 「そう言われてもナー。お前、後半から前に入るんだろ」

 「あー?んなこと誰が…」

 「え?もしかして知らなかった?じゃあ今のは無かったことに〜」

 

 すぐ予想はついた。

 取り敢えず、去ろうとする義経は逃がさん。

 

 「離してくらさい」

 「待て。やってやるから、お前、俺の言う事聞けよ」

 「無理やりはいかんゾ」

 「……ゴンタが」

 

 普通だったらしねえけど、コイツは去年の得点王。少し興味が出たから、使ってやるよ。

 

 「…あの、俺戻ってるス」

 「ん?モジャ男君なぜ?お前も参加だぞ」

 「え…俺も!?」

 「その通りナリャ。オイラはお前に興味しんしんナリ」

 「ど、どうも…(ナリャ?)」

 

 

 

 

 

 前半残り半分ちょいか。

 この時間で、セーブしたのは二回。いずれも左サイドから攻められ、撃たれたボールだ。

 葦人の奴のミスが原因だ。

 微塵の苦も無く止めたがな。同じコース撃ってくるとか、マジで馬鹿にしてんのかと思ったぜ。

 どこに来ようと無意味であるのは変わりないけどな。

 

 

 葦人は今週、牙突コーチから課題を出されていた。

 攻守の切り替え。それだけだ。

 だが現に、コイツはそれすら出来ていない。練習でも似たようなものだった。

 これまでのゲームで、コイツの意識は、分かりやすく分かれていた。ラスト以外は、守備に徹し、ラストは攻撃しか考えていなかった筈だ。

 守備的サイドバック、攻撃的サイドバックとは違う。葦人は、片方に意識を置く代わりに、片方は完全に放棄していた。

 ハタから見れば、それなりに出来ているように見えても、実際は全く変わっちゃいなかった。

 

 今は、ボロが出ている真っ最中〜。本人は、見るからに追い詰められている様子だ。意味のないところでライン崩して飛び出したりとか、お前頭大丈夫かよって感じだ。

 つうか、まずは守備からだって牙突コーチに言われたの、完全に忘れてるだろお前。

 

 クソハゲは更にやった。

 ペナルティエリア前でのファウルだ。横から、普通に足にタックルを決めていた。どうせなら、エリア内でファウルしろよ。FKとか、壁になっている奴らが、逆に邪魔だ。

 

 「ゴンタ…俺、ごめん…」

 「見ていて笑えるぜ、お前」

 「っ……」

 

 どっちでくるか。直接狙える位置でもある。絶対に入ることはねえがよ。

 キッカーは、二度シュートを撃ってきた奴だ。蹴り足は、たぶん右で来る。

 撃ってこいよ。混線とかマジで面倒だから。

 

 「ディフェンダー!!次、頑張れー!」

 

 花ちゃんが、外から叫んでいた。葦人が、気の抜けた顔で反応する。

 いや、おい。そこは俺だろ。するなら俺を応援しろよ。

 

 「ゴンタ、とめろー!!」

 

 それ、応援じゃねえから。

 

 

 

 

 

 

 前半終わって、ハーフタイム。

 スコアは、1ー0。左枠上に来たフリーキックをセーブしてからのカウンターで、義経がほぼ単独で決めて一点だ。つうか、義経の動きにディフェンス機能してなかったし、むしろアレで決めなかったらカスだ。

 

 「メンバーチェンジを行う…」

 

 牙突コーチから告げられたのは、事前に義経から聞いていた通りだった。

 これ、先に知ってなかったら俺キレてたかもよ、牙突サン。

 前半で負傷していた三年のDFが抜けて、そこに繰り下がる形で二年のMFがCBに入った。インしたのは、GKのヤツだ。

 

 「じゃあ、使ってやるよ」

 「優しくしてネー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アシト↓

 

 

 

 

 後半が始まった。

 いつもより、めっちゃ身体が重い。

 前半は、走り回った上に、接触するプレーもあった。でも、その殆どが意味の無いプレーだった。

 空回りしているのは、気づいていたけど、どうすればいいのか分からなかった。そして遂には、あのファウルだ。

 

 「俺、何してるんや…」

 

 ゴンタの背中が見える。いつもとは、逆だ。つまり、後ろにゴンタはいない。点が、取られるかもしれない。

 

 「アシト!」

 

 大友から、バックパスが来る。

 逆SBの冨樫は…上がっていないから、俺は上がれる。

 ここは、まず大友にリターン…じゃない。

 

 ゴンタだ。左サイドラインに寄って、ディフェンスを引きつけている。だから僅かに、中央が空く。

 

 そのスペースに、パスを出す。

 それを、義経さんがダイレクトで、前に抜け出たゴンタへと繋げた。

 ゴンタが、ボールを持って左から進む。ドリブルで一人かわし、敵DFラインの前に差し掛かったところで、中央に詰めていた義経さんにまたパスを出した。接触嫌いやからって、それはないと思う。

 義経さんの前には、DFが一人だ。

 

 「義経さん!!」

 「ほい」

 

 義経さんが、視線で右へとフェイントを入れて、パスを出してくれた。DFの裏をついている。これ、受け取ればフリーや。

 凄え!撃てる!

 俺が撃てる………あれ?

 

 「…え?」

 

 届かないぞ、これ。

 

 「おっそ」

 

 俺の前を抜けたボールを、ゴンタが左から拾った。

 ゴンタは、右足でシュートフェイントを入れて、DFのブロックを避けた。

 左足で撃ったシュートは、無回転。ゴール逆サイドのネット、ポスト下に突き刺さった。

 

 俺が、決めれたボールだった。何で、ゴンタが…?パスミス…?元々俺は、囮だった…?

 いや…違う。義経さんは、俺に反応してくれたんや。

 それを、ゴンタが拾えて…俺が受けれなかっただけだ。

 

 "得点への嗅覚は認める。だが、それを押し上げる能力がない"

 

 

 「む…Bだと、もうちょっと手加減しないといけないのか…ナルホドナルホド。しかし、ウネウネ君は、さっすーが」

 

 俺が、遅いだけだったのか。

 

 

 

 

 義経さんが、二回決めた。ゴンタと二人で前に進んだ。俺は、ついていくこともできない。動いた時には、もう遠くにいる。

 

 「ぁぁ…」

 

 ああ、無理だ。

 俺には、ゴンタみたいには出来ない。

 だって俺には、ゴンタみたいな、身体も、スピードも、技術もないんや。

 ずっと前から、知っていたことだ。認めたくなかった。けど、この試合で、また、思い知らされた。

 今の俺じゃ、この二人にはついていけない。Aに上がれない。

 

 このままじゃ、プロになれない。

 

 

 

 「ッ……考えろ、俺」

 

 そうや。できることを。前に、進むしかない。

 母ちゃんに、瞬兄に、自分に、誓ったんだ。

 だから、考えろ。

 俺には、できる。絶対に、できるから。

 

 考えろ、考えろ、考えろ。

 どうやったら、追いつけるか。どうやったら、二人についていけるか。

 今のままじゃダメだ。どうすればいい。

 

 「アシト、惜しかったなー。でもお前今、あそこから動き出すの、かなり早かったぜ」

 

 動き…なんか、前にも。

 

 「………あ。そうだ…そうやった…」

 「はぁ?」

 「サンキュー、大友。早く位置に戻ろうや」

 「お、おお。そうだな」

 

 そうやった。

 できる、できる。俺にも、できる。

 もっと、早く。早くだ。見ろ。そうだ。もっと、早く!

 

 「はやくはやく、はやく…」

 

 誰よりも早く動くんだ。先を読め。

 思い出せ。DFラインの動きは、どうだった。前半よりも、義経さんを警戒して、引っ張られている。サイドが甘い?じゃあ、あいつは?あの13番は?20番は?8番は?25番は?2番は?

 どうやった。どんな表情をしている?どんな動きをしていた?今は、どう動いている。

 

 負けねえ、やれ。

 あの時のあの感覚を、思い出せ。

 考えろ。

 攻撃も、守備も同じだ。そこに、ボールがあるんだから。

 誰よりも、ワンステップ早く動け。

 

 「全部、見れ…把握しろ俺」

 

 多分、俺にはそれしかない。

 それ以外には、ゴンタに勝てない。

 でも、それがあるんだ。ちゃんと、見えてる。

 身体は、技術は追いつかない。俺は、()()動けない。動きたくても、スピードが出ない。

 でもそんなの、ずっと前から知っていた。俺は、ゴンタにはなれないんだ……ああ、チクショウ。

 

 「…できる、俺にはできる」

 

 でも、俺にはできる。ゴンタにも出来ないことが、やれる。

 足りないんなら、補え。周りを使って、前に行くんだ。

 

 誰よりも見て、獲るんだ。人を、スペースを、ボールを。

 点を。

 

 「獲れ、俺」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後半残り15分。スコアは、4ー1。

 葦人ちゃんの目は、トリップしちゃった上にギョロギョロ動き回っている。首もキモいくらいに左右へと振られている。ハゲになった分、アフロ時代よりも気味悪さが増している。ずっとブツブツ言ってるしよ。

 コイツ、マジでキモいな。

 

 敵FW陣はオフェンス時、後半は殆ど左から繋げてきている。前半からずっと守備の穴だったやつがいるしな。どうしても、あと一点は取りたいって感じだ。

 必死になっちゃってよ。もう、どうなっても勝てねえのにな。

 

 ボールホルダーがドリブルで自陣に入ってくるが、俺は中央のスペースとパスコースを埋めるだけ。間違っても、近づくことはない。理由は、単純に、触れたくねえから。汗とかつけられたら最悪だし。

 

 「大友。そこを動くな。前を見ろ、ふさげ!」

 「お、おお!」

 

 後ろから、葦人の声がかかる。小せえ声だが、チビには聞こえたようで、その場で一人抑える。

 ボールホルダーの動きが、一瞬止まる。出せる場所ねえもんな。

 唯一空いているように()()()のは、葦人の前のスペースだけだ。だが、それも、もう無理だ。

 葦人が詰めている。

 ボールの持ち主は、必然と葦人へと代わった。おい、お前何か鼻血出てんだけど。

 お前、俺につけたりすんなよ。

 

 「ゴンタァ!!」

 

 俺を経由して、葦人はワンツーで前に行く。

 だが、その前には壁一枚、距離が近い。コイツには抜けない。俺なら余裕だが、葦人には無理。

 当然、葦人は、俺にボールを戻してきた。

 

 「義経さんー!!」

 

 義経と目を合わせた葦人は、左サイドラインに向かって走り出した。見当違いな動きに見えるせいで、敵の追尾は甘い。あんな奴より、義経の方が危険ってな。それはそうだ。

 

 だが、囮にはなった。ガチガチに固められていた義経の周りが、少し浮いた。義経の視線が移ったと同時に、そこに結構強めのパスを出す。

 ボールを受け取った義経は、DFを背負いながら、右方向へと突き進む。首を振って、左を確認しながら。

 さっきと似た形だ。

 違うのは、葦人の動き…と、チビか。葦人の方も、敵のラインコントロールを見て、タイミングを合わせて出ている。オフサイドはない。

 

 「大友、」

 

 当然、義経が左裏に出したスルーパスを受けるのは、オーバーラップしているチビじゃない。

 そこには、DFが残っている。既にプレスもかけている。ボールを受けた瞬間に当たりがくるだろう。

 だから、チビはボールをスルー。そもそも追いついていないが。

 

 「アシトいけえ!!」

 

 左から、ナナメに切り込んできた葦人が、ファーストタッチで身体を中に向け直す。

 だが、受けがクソすぎてボールが浮いている。

 葦人はそのまま、浮いたボールを右足で振り下ろして、グラウンダー。

 カバーもない、義経が位置を抑えている。よくやるよな、あんなの。

 

 低弾道で飛んだボールは、反応の遅れたキーパーの横を通過する。

 そのまま、逆サイドネットを撃ち抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 アシト↓

 

 

 

 「あ…」

 

 入った。

 いつ振りやろうか、点決めたの。

 

 「…」

 

 あれ。でも、なんかおかしい。変だ。そんなに、嬉しくない…?

 点を決めた時の、叫びたくなるほどの気持ちがない。声が出ない。

 何や。

 

 「あ…」

 

 手、めっちゃ震えてる。

 足が、ガクガクしてきた。これ、大丈夫か俺。

 ちょっと怖くなって、後ろを振り返る。

 

 「…」

 

 うおおお、フィールドって、こんなに広かったっけ。人って、こんなに少なかった?

 

 おかしいぞ。俺は、点を獲っただけ。何も、変なことなんてないんやぞ。

 俺が点を取ることは、この流れの中の()()()()、決まっていたことだ。

 だから…何も、変わったことはない。

 

 「うん…」

 

 選択肢は、一つしかなかった。

 SBの俺以外…チームで点を獲るアイディアなら、あの時、俺がボールを獲った時だけでも、あと二つはあったんだ。

 でも、相手の位置取り、前半からのDFラインの動きで、俺を入れて考えたら…ゴンタと義経さん、あの二人の中に俺が入れるのは、一つだけやった。

 

 あの時…いや今もまだ。分からないけど、分かる。目に映っていたものが、頭の中で鮮明に残っている。

 ああ…すげえー…。

 

 胸のあたりが、ざわざわする。肌が、ビリビリってしてきた。ホントにスゴいぞ、これ。

 なんか、初めてゴールを…初めて点を決めたみたいや。そんな感覚だ。

 ……いいなあ、これ。サッカーって、楽しいなぁ。

 

 点を、獲った。獲ったんだ。

 

 「…よっしゃ……」

 

 でもまだや、もう一点獲る。

 まだ、やるぞ俺。

 

 「アシトーー!やったなー!…え!?アシト!?血ィ!?た、大変だ、アシトが倒れたぞー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 何か、ヒンヤリしてる。気持ちいいや。

 

 「あ…アシト!大丈夫か!」

 「…花?」

 「そうだぞ!キミ、倒れたんだ。覚えてるか?」

 

 あ…でこが気持ちいいと思ったら、冷たいやつが貼ってある。首と脇にも、アイシングが挟んである。

 でも、頭ガンガンして、めっちゃ痛いんやけど…。

 

 「なんとなく…試合は?」

 「まだ、あってるよ。一度止まったあと…お前がダウンしていたのは、10分くらいか。で、気分はどうだ、葦人」

 「あ、オッチャン……どうって…普通や」

 「あ!まだ立ったら駄目だぞ。はい、お水」

 

 花に、肩を押さえられる。試合、観たいのに。

 

 「なあ、何を考えて動いた?」

 

 横目で見えたオッチャンは、笑っていた。あの時の、初めて会った時の顔だ。気色悪い、あの顔だ。

 

 「ーーー!」

 

 歓声が聞こえる。点が入った?どっちが点、決めたんやろ。

 こっちが決めたなら、義経さんのお陰で、右ラインの方も、前半よりスペース緩くなっていたから、今度は右から…?でも、橘も、まだ点獲れてなかったし、橘だったらいいや。あー…でも、さっきの攻撃でも、前に出すぎてたんよなあ。

 

 「葦人、聞いているか。大丈夫か?」

 

 そうだ。それより、こっちのDFライン。竹島と冨樫は大丈夫なんかな…全然声かけしてなかったし、一点入れられたのだって、サイドから上げられたボールから、清水さんのところが抜かれた後、ブロックに行ったアイツらが最後にお見合いして、結局フリーで撃たれたからだ。

 アイツら、練習でも声かけ合ったこと、一度もないんだよなあ。

 俺、あの時何も言わなかった。自分のことで精一杯やったし…いや、指示くらいはできたはずなんや。見えていたんだ。お見合いするとは、思ってなかったけど。

 だから、俺の責任でもある。だって、俺もディフェンスラインの一人だ。今は、修正できたんやろうか…

 

 「わあ!!!」

 

 「ひやっっ!!」

 「うおっ!」

 

 ビックリした。花が、いきなり大声を出した。心臓飛び出るかと思ったぞ。

 

 「アシト、深呼吸しよう。一旦、落ち着け。また鼻血出るぞ、キミ」

 「お、おう…」

 

 そうか。今俺考えていたんだ。そうだ、花。お前が言ったんや。

 考えて考えて考えてたら…いずれ、考えなくてもできるようになる。それが、自分のものになること、だって。

 人間は、考える葦。……俺は、まだまだや。

 

 試合がしたい。あの感覚を、もう一度味わいたい。いや、これから先もずっとだ。

 

 ものに、しなければならない。

 

 「…花、何か書くものあるか?」

 「は…?ノートと、シャーペンはあるけど…」

 「悪い、貸してくれんか。…オッチャンも、見てくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鼻血垂れ流しながら倒れた葦人が、大げさに運ばれて退場した。

 救急車呼べとか叫んでいる馬鹿もいたが、普通にキャパオーバーしただけだろ。無駄が多い上に、普段から頭使わねえから、そうなんだよ。アホが。

 

 「ツルリン君と、まだプレーしたかった。でも、これは良いお土産話が出来たゾ。な」

 「知るか」

 「なあ、ウネウネ君って、サッカーやってて楽しいか?」

 「別に。あとお前、次その呼び方したら殺すから」

 

 残り一つの交代枠で、GKがアウト。葦人が抜けたDFが埋められ、俺はGKに戻った。

 残り8分、プラス5くらいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 東京都リーグ第七節

 

 エスペリオンB 6ー1 多摩大附高

 

 義経健太 前半24分

 青井含太 後半6分

 義経健太 後半11分

      後半18分 相馬晃竜

 義経健太 後半21分     

 青井葦人 後半33分

 大友栄作 後半45分+4    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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