神速のGK   作:インパラス

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二回目です
タイトル詐欺続


対、武蔵野ユース

 

 

 

 「ゴンタ」

 「あ?…ああ、おはよ」

 「これ、前から言っていた…アップ、クールダウンのメニュー作ってみたから、ドウゾ」

 「どーも。必要なのは、記録だけでいいの?」

 「あ…うん。体感で、今までと比べてどう違うかとかも教えてほしい。それと、日課のストレッチ……は、複雑なのもあるから、今日教える。でも、やっぱり…いいのか?あたし、ホントに素人だぞ」

 「いーや、献立の方も任せてから身体の調子いいしね。花ちゃんのこと、信頼してるから。このメニューもさ、かなり考えてくれたんだろ?」

 「…うん」

 

 土曜日の朝。

 午後からはBの試合があるが、午前中は花ちゃんと学校授業だ。

 本人は平静を装っているつもりだろうが、いつもより普通に固い。一度も目、合ってねえし。

 つっても、何事も無かったように接されてもアレだが。

 

 「で、どこでやんの?」

 「試合観た後、エスペリオンに行って…から?」

 「りょーかい」

 

 

 

 

 

 

 「こんにちはー」

 「…は?…お、花も来たのか」

 「…兄ィ…うん」

 「何だ、ボーっとして」

 

 お前こそ、挨拶してやったのに、何だよその反応は。

 

 16時前。

 Bの試合会場に着くと、オッサンがいた。

 オッサンも今来たばかりなのか、フィールド内ではなく柵の外だ。

 

 「ほら、青井。サインと印も押してある」

 

 オッサンが差し出してきたのは、昨日渡したファイルだ。

 

 「どうも」

 「確認しないのか?」

 「信用してるさ」

 「へぇ…」

 

 流石にもう狡い真似はしないだろ。と、言うわけじゃない。花ちゃんがいるからだ。

 オッサンのことは、微塵も信用してねえ。当然、後で確認する。

 

 「それ…」

 「ん?」

 「あっ…ううん!なんでもない」

 

 朝よりかは目を合わせてくるようになったが、合っても一瞬だけ。今も、露骨に逸らしているし。

 

 「…お前ら、どんな関係?」

 「学業仲間、選手とサポーター、親友」

 

 あと、遊び相手予定。

 

 「…ふーん。じゃあ、中入って観ようぜ。青井は、ベンチ入りしてるしな」

 「は?」

 「GK一人、体調崩したらしくてな。出場は無いと思うが、チェックあるから急げ」

 「あ"ーー?」

 「兄ィ、ゴンタってAの選手じゃないのか?」

 「それはな…実は、プレミアで出場少ない選手は、Bの試合にも出られる。青井はまだ、一試合も出てないし、問題ないんだ」

 

 オッサンが嫌らしく笑う。

 うぜえ。

 

 「残念ながら、ユニフォームがない。見れば分かるだろ?学校帰りだ」

 「葦人の奴に頼んでるさ。スパイクもな」

 

 そんなことだろうと、分かっていたよ。

 

 「ゴンタ…」

 「分かった、いいよ。そういう訳で、ごめん花ちゃん」

 「あたしは、いいけど…頑張って」

 「ベンチだし、出番無いと思うけど…頑張るよ。しっかりベンチ温めてくる」

 「ぷっ!あはは、しっかりな」

 

 完全、キャラじゃねえが、笑ったしまあいいか。

 

 「で、何だよ、その顔」

 「は…?いや、いいのか」

 「オッサンが言ったんだろ」

 「そうだが…」

 

 そうだよ、分かってんじゃねえか。全然よくねえから。

 クソカスが。マジで消えろよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「よお、やってくれたな葦人(クソハゲ)ちゃん。不法侵入しちゃったの?お前」

 

 途中で、葦人を拾ってロッカールーム。まだ残っている奴らの視線が鬱陶しい。

 

 「ゴ、ゴンタ……ごめん俺、お前に戻ってほしくて…その、俺が言えることやないけど…ごめん」

 

 逆にウザいな、こういう反応。

 反省してますよって顔に、イラっとくる。

 あの一件から、ずっとこの調子だ。いい加減…いや、やっぱ、このままでいいか。振り返ってみれば、馴れ馴れしくされるより面倒がないし。微塵レベルでだが、気分もいい。

 

 「許さねえから。早く、ドリンク買ってこいよ」

 「あ…わかった!」

 

 いや、なんでそこで嬉しそうな顔すんだよ。

 気色悪いよ、お前。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前半終了10分前。

 花ちゃんから貰ったストレッチのメニューをやっていたら、いつの間にかスコアは4ー1。

 普通に、負けている。

 何があってこうなったのかと疑うレベルだが、実際どうでもいいしな。俺試合出てねえし。もう、Bでもない。

 

 1点入れたのは、葦人アシストで、モミアゲ君。葦人が下手なお陰で、そこそこ目立ったシュートだった。

 で、取られた4のうち3が、あのカスに取られている。顔見ろよ。如何にも調子づいた顔をしている。

 あー…潰したくなる。

 

 失点の原因、一。

 葦人ちゃんが、飛ばされ過ぎ。カスとの体格差で、当たり負けしている。一度、葦人から容易くボール奪取されたカスは、次からは自ら当たりに行った。

 そういう経験がほぼ無い葦人は即座に対応出来なかった。まあ今は修正して、クリアぐらいは何度かやっている。

 

 失点の原因、二。

 カス如きの勢いに、エリート擬きどもが圧倒されている。それだけ。

 僕たち技術あるある言ってるが、それ冗談だろ。フィジカル、メンタルを寄せ付けないからこその、技術って言うんだよ。

 俺は、全て持っているが。

 

 失点の原因その三。

 先週に続いて、CBの連携がカス。特に、リーゼント。以上。

 

 もう負け試合だろ、これ。勝つ空気が殆どない。

 

 スコアはそのままに前半も終わり、ハーフタイム。

 点差をつけられ、見るからに陰鬱とした奴らが、ロッカールームに引っ込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 「よう。前半観て、どう感じた?」

 「消えろ」

 

 ソファで横になっていると、上にオッサンの顔が現れた。マジで最悪な気分になった。

 もはや、お前の声すら耳に入れたくないんだよ。ホント消えろよ。

 

 「なぜ、ここまでの結果になったのか。それはな、今、チームには…いや、ピッチ上に立て直せる人間がいなかったことが原因だ。待て、話している途中だろ。何処に行くんだ」

 「トイレ」

 「奇遇だな。俺も行こうと思っていた」

 

 

 

 

 「点を取られない。その絶対的な存在がお前だった。今日のゲームは、先月の四節の延長線だ。まあ、良くも悪くも、お前はBチームの中心的存在だったってことだ。だが、これからは…あ、手にちょっとかかった」

 「カスが」

 「なんだよ、よくあることだろ。…それで、ハーフタイム中に立て直すように、望に言ってきた。後半は、前半よりも内容はマシになるだろう。

 だけどなー…あれ、葦人のブラコンはどうにかならねえの?あいつ、先週の半分も動けてねえじゃん。意識が足りないのが、完全にプレーに出てしまっている。まあ、それでも他の人間よりは、全然動けているが…俺が求めているのは、あのレベルじゃないんだ」

 「知るか」

 

 コイツ、本当に気に障ることしか言わねえ。

 あと、それ。俺に話していいのかよ。お前、監督だよな。

 

 「とういう訳で、発破かけてやってくれ」

 「断る」

 「じゃあ、花に頼もうかなー」

 

 勝手にしろ。あー、無駄に時間使った。

 

 「あ、それと。残り15分で、一点差まで追いつけば出すから、準備しておけよ」

 「GKじゃなかったら、要求一つ増やすから、お前も準備しておけよ」

 「それ、Aのやつだろ。Bのは、記されてなかったぜ?だからそれ、着替えておいてな」

 「チッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「頑張れ。負けるな。力のかぎり」

 

 ハーフタイムが終わりに近づき、ピッチへと戻る際。そんな言葉掛けを、花ちゃんが葦人にしていた。

 

 「…含太選手?」

 「ああ、ごめんね。話、また後でもいいかな」

 

 お嬢様と、クソつまらない前半のプレーを振り返って話していた。あー、クソ怠かった。

 

 「…はい。その、頑張って下さい」

 「何を?」

 「えっ、あっ…ごめんなさい…」

 「嘘、嘘。後半、出たら応援頼んだ」

 「…あ、はい!」

 

 そのまま、花ちゃんの前を通り過ぎる。

 気分じゃ無かった。それだけだ。

 

 「…とっ」

 「…」

 

 だが、向こうはそうでも無かったらしい。ユニフォームの裾を、掴まれている。

 見方によっては、凄い軽い女だな、お前。

 

 「へぇ、俺にも何か言ってくれんの?」

 「…あっ!…ごめん、その」

 

 分かりやすい顔だ。今のは完全に無視したな。花ちゃん、正解。

 

 「俺はいいよ。昨日の分のパワーが、まだ全然残ってるから」

 「…?…あっ……っ…!」

 

 だから、分かりやすいって。

 そこ、葵さんもいるからさ、その顔やめろよ。

 

 「でも、そうだな。試合出たら…アレ、またお願いしてもいいかな」

 「ぅ…」

 「最初のヤツでいいからさ」

 「〜〜!」

 

 反応はウケたが、お嬢様がガン見してきているので、もう終わりだ。

 その場でしゃがんで、膝を抱え始めた花ちゃんは放っておいて、フィールドへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 「おい、葦人」

 「え…な、何や?」

 「…」

 

 葦人にしか声を掛けてねえのに、周りの奴らも反応した。他は早く行けよ。

 

 「あと2点は入れろ。対面のカスは潰せ」

 「お、おう!あっ、いや潰すとかせんけど…点は、獲るぞ」

 

 

 

 

 

 

 花ちゃんから貰ったアップメニューをやっていると、出番が来た。いや、マジかよって感じだ。

 葦人ちゃんは無駄に頑張っちゃうわ、前半クソだったDFラインもやる気出しちゃって、相手のカスを翻弄していた。

 だが、4ー4になった後半30分。カスを始め、敵全体が持ち直した。崩れていたハイプレスも元通りってな。

 よくやるよ。お疲れ。

 だが、もう終わりだ。

 

 ベンチの外にいるオッサンに目を向ければ、ドヤ顔していた。即、目を外す。

 もう、アレだ。ウザいの通り越してきたよな、アイツ。

 

 後半残り10分、アディショナルは3分くらいか。メンバーチェンジのボードが上げられ、ピッチに入る。

 ポジションは、GKじゃない。初の右SH(サイドハーフ)だ。後ろには、金髪くんがいる。 

 通り過ぎる時、葦人がショック受けていたのが笑えた。

 

 

 

 「あ"ーー、」

 

 やっとかよ。全然ボール来る気配なかった。

 この試合で、3度目か。ゴール前で葦人がボールを奪って、カウンターの基点になる。

 

 「ゴンタ」

 

 先週よりはまだマシだが、軽くトリップした葦人が、ロングフィードを飛ばしてくる。

 敵は、最後の賭けってとこか。試合中盤と同じく、ハイライン気味だった。つまり、裏がガラ空きだ。

 最後の最後で、リスク冒すタイミングを誤ったよな、お前ら。

 

 ボールは、センター寄り。まあまあ、絶妙な位置に転がる。というか、サイドまで届かなかっただけだ。

 スタミナ切れて碌に蹴れねえのに、目線で示すなよクソハゲ。

 

 「当たれエ!!直接でも止めろォ!!」

 

 ボールにパワーが無いせいで、敵DFが後ろから追いついて来ている。中央も、同様だ。

 味方は、誰一人追いついていない。

 

 「関係ねえけど」

 

 遅かったのは、緩急つけているからだ。これが、トップスピードなわけないだろ。

 つうことで、スピードを一段上げて、中央へカットイン。

 これも別にトップスピードじゃねえが、十分。

 

 「なっあっ!?」

 「止めろォーー!!」

 

 今のは、カスの声か。残念、お前逆だから何も出来ねえよな。

 こっち側にいれば手ずから潰してやったのに、残念だ。ホント。

 

 勢いが死んだボールに合わせて、左を振る。

 フェイント入れるまでもない。キーパーも、明らかに重心が左に寄っている上に、今、足も浮いた。

 狙いはゴールマウス、ど真ん中。

 

 「ゴンタ…」

 

 逆サイドに、葦人が上がってきていた。

 フラフラじゃん、お前。何しに来たんだよ。

 つうかアレ、パスミスじゃ無かったのかよ。分かりにくいんだよ、お前。

 

 当然、既にゴールネットは揺れている。

 少し遅かったな。

 まあ、間に合っていたとしても、これは俺が撃っていたが。

 

 

 

 

 

 

 

 東京都リーグ第八節

 

 エスペリオンB 6ー4 武蔵野ユース

 

       前半18分 金田晃教

       前半25分 武藤千秋

  橘総一郎 前半37分

       前半43分 金田晃教

       前半45分 金田晃教

 

  大友栄作 後半10分 

  青井葦人 後半23分

  橘総一郎 後半28分

  青井含太 後半39分

  黒田勘平 後半44分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 試合終了後。

 葦人、チビ、七三、リーゼントがAに上げられた。明日の日曜から、Aに参加するらしい。

 それ、俺もなんだけど。コイツらと同時期かよ。

 

 「青井〜!夜、寮で祝勝会すんだけど、お前もどう!?てか、何で制服?」

 「…」

 「あ、来ないのね…」

 

 チビが何か言ったが、シカト。

 

 

 「青井、含太君。今日の試合、ラストのオフェンスについてなんだけど…」

 「…」

 「……また、反省会で話すよ」

 

 次に、七三くんが来たが、当然無視。

 つうかお前、七三じゃ無くなった?

 じゃあ…黒いしチビだしカサカサ動くし…いや、流石にない。おそらく、その度に頭に浮かぶ。

 

 

 「……」

 「…」

 

 リーゼントが前を通った。一瞬立ち止まったような気がしたが、多分気のせいだ。

 

 

 「よ。お疲れ、青井弟」

 「…」

 「ちょっと、聞こえてるか?もしもしー」

 「ケータイの番号言え」

 「は?…あ、そうだな。###-####-####だ」

 「わかった。じゃ、もういいよ。帰れ」

 

 その後も何か言っていたが、無視。暫くして、オッサンはどっか行った。

 

 

 「…含太選手。お疲れ様です」

 「そっちも、暑い中お疲れ様。応援、ちゃんと聞こえてたよ。ありがとう」

 

 応援で注目を集めるのが恥ずかしかったのか、小さい上に棒読みだったが。

 

 「…あ。はい…。今日も、素晴らしい活躍でした。できたら、お時間を頂きたいのですが…」

 「試合の話?」

 「…はい」

 「じゃあ、この後寮戻るからさ、それからでもいいかな」

 「…はい、ぜひ。宜しければ、車に乗っていかれますか?」

 

 寮までは、一応送迎バスがある。だが、俺は一度しか乗ったことがない。

 あんな、汗臭くなるヤツに二度と乗れるか。

 

 「折角だけど、ごめん。今日、見ての通り、学校の帰りだからさ。帰りは、花ちゃんと約束してあるんだ。だから…そうだな、19時にクラブハウスで。あ、電話でもいいけど」

 

 学校のくだりは何の関係も無いが、今の関係だど、適当でも理由があると違うんだよな。

 

 「行きます。その…その時間ならば、今夜は夕食、ご一緒にどうですか?」

 「ホント?楽しみにしてる」

 

 お嬢様の奢りだしな。

 

 

 

 

 「ごめんっ!待ってたか!?」

 「いや、全然」

 「そっか…」

 

 花ちゃんが、チャリ漕いで来た。

 やっとか。何してたんだよ。

 

 「何かあった?」

 「あ、違うんだ。少し、アシトと話してて…」

 「…へー。じゃあ帰ろうぜ」

 「あっ…ごめん…」

 

 俺は、少し声を低くしただけ。

 それだけで、そんなに凹んじゃって、分かりやすいヤツ。

 

 「何が?」

 「…ちょっとキミが、怒っているように見えたから、何となく」

 「何も怒ってないよ。ほら、漕ぐから乗って」

 「…うん」

 

 何、笑ってんだよ。それ、お前の勘違いだから。

 

 

 

 

 

 「それ、頼んだぞ」

 「りょーかい」

 

 花ちゃんの家の前。

 渡されたのは、献立表だ。俺のじゃない。栗林のものだ。

 ACL(アジアチャンピオンズリーグ)のグループ戦が終わり、ベトナムから明日帰ってくるらしい。

 直接渡すつもりはない。広報にでも、渡しておくつもりだ。花ちゃんも、そうしてきたらしいし。

 

 「じゃあ、また明日。ストレッチよろしくね」

 

 時間は、まだ余裕。タクシーで寮に戻って、準備して、その後メシだ。

 

 「……」

 

 花ちゃんから、返事がない。俯いて、顔も見えなくなっている。

 

 「…?何、どうした」

 「……」

 「…大丈夫か、どこか…」

 「……っ……んっ………また明日!」

 「サンキュー」

 

 花ちゃんは、ダッシュで家に入っていった。

 まあまあ、よかったよ。

 頬を合わせただけで、相変わらずガキっぽかったけど。

 

 

 

 

 

 「…どうですか、焼き加減は」

 「いい感じだよ。杏里ちゃんも食べたら?」

 「はい、では。いただきます」

 

 お嬢様が、焼き肉奉行になっている。一度、仕切ってみたかったらしい。味は、普通だ。

 お嬢様は、母親から俺とお好み焼きを食べに行ったことを知って、自分も行きたくなったそうだが、あいにく今日は試合後だ。お好み焼きは、次回に持ち越しになった。

 先週行ったし、暫くはいいんだけどな。

 あとついでに、ジジイもいる。

 

 

 「…その、これからはどう…」

 

 肉食いながら、今日の試合内容を一通り話し合った後。

 お嬢様が、遠慮がちに切り出してきた。

 

 「明日から、Aの練習に参加するよ」

 「…!絶対っ、見に行きます!!」

 「あ、うん。よろしく」

 「はい!……あっ。し、失礼しました」

 

 かなりデカい声だった。

 予備動作があったから驚きはしなかったが、お嬢様の隣にいるジジイが、ギャグみたいになってんだけど。

 老人は労わらないとな、お嬢様。

 

 「ううん、素直に嬉しいよ。それだけ気にしてくれてたってことだろ?」

 「…いえ…あ、いえ、はい…」

 「心配かけて、ごめん」

 「…はい。本当に、よかったです。このまま、いなくなってしまうんじゃないかって…私…」

 

 お嬢様の顔に影が差す。ジジイが、涙を流す。いや、お前かよ。

 

 「しっかり見ててよ」

 「……?」

 「杏里ちゃんが、一つ一つのプレーに対して丁寧に意見くれるの、ホントに助かってるからさ。これからもお願いしたいんだけど…ダメかな」

 「…!任せてください。私の、夢にも繋がりますので、是非…これからも」

 「そうだね、これからも」

 

 ジジイは、早く泣き止めよ。鬱陶しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




柏大商業戦まで書く予定でしたが、一軍メンバーの半数は、情報まだなことに気づきました。出ているメンバー中心で書いてしまうかどうか、迷い中です。


申し訳ありませんが、次回投稿は未定です。
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