ゲゲゲの鬼太郎 天翔の少年   作:狂骨

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人の世に蔓延る妖

この世界は不思議な事に満ちている

 

そしてそれを信じるものと信じないものとで分かれている。

信じる者は見え 信じぬ者には見えぬ。ただそれだけである。

 

だが、後者は長い人生の中で、いずれ思い知るであろう。

 

 

 

“見えてる世界が全てじゃない”ということを

 

 

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東京のとある中学校

 

周りとは違う制服『学ラン』を着た1人の少年が登校していた。その少年は顔を前髪で少し隠しており、表情が読み取れない不気味な印象を与える容姿である。

 

「おはよう!」

「おはよう!土日どっかいった?」

 

 

「おい!今度のライブ行こうぜ!?」

「行こう行こう!」

 

周りから挨拶や話が飛び交う中 その少年は誰一人とも話さなかった。

すると周りからヒソヒソと小声で耳打ちする声が聞こえてきた。

 

「ねぇ…あの子なんで学ランなの…?」

「さぁ…?何でもお金がないとか?」

「マジか!?ちょーかわいそうじゃん!(笑)」

 

周りからは哀れみや冷やかしの題材とされていた。そんなことは気にせず、その少年は校舎の中へと入っていった。

 

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「……退屈だ……」

 

朝おきて学校へ行き授業を受け学ぶ。普通だが俺にとっちゃ何か物足りない。

 

俺は席に着くと取り敢えず気を紛らわす為にイヤホンをつけ音楽を流し本を開いた。

耳から流れる音楽が周りの話し声をかき消し、気分を変えてくれる。

 

ガラガラガラ

「おはよう!」

音楽を流していてもデカイ声は入ってくる。

今の声は確か犬山 まなというやつか…?男子からは『デカまな』ってよばれてたっけ…?まぁどうでもいいが。

 

俺は読んでいた本のページをめくった。

そこには『見上げ入道』と書かれた一つ目の巨漢な男が載っていた。

俺は少しだけ妖怪に興味があった。

 

 

『同族』だからな。

 

それと俺は何故か虐められている。

「うわぁ〜!!また龍崎がいるし〜!!まじ最悪!」

「死んでくれっての!」

ある者は言葉で俺を攻め立て、またあるいは…

 

バンッ!

集団で暴力を振るい俺を脅す者

「は?聞こえなかったんだけど?もう一回言ってみろよ」

「……嫌です…」

俺がそう言うとソイツは俺の鳩尾に膝を入れてきた。まったく痛みは感じないが面倒だからわざと倒れる。

「う……ゴホッ!ゴホッ!」

「ジュースぐらい買ってきてくれよ?」

「俺たち友達だろ?」

鳩尾を入れた奴の他 2人が倒れている俺を見下ろしてきた。

「お……お金がないんです…」

俺がそう弱々しく言うとソイツらは爆笑しながら俺の頭を踏みつけた。

「ハハッ!そうかお前んち貧乏だっけか?こりゃぁ失敬♪お前にねだった俺らがバカだったわw」

そう言うとソイツらはそのまま去っていった。

「……くだらん」

俺はそう言い捨て 制服に付着した埃をはらうと教室に戻った。

 

 

 

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俺は授業を終えるとすぐに校舎を出た。俺の家はスクランブル交差点の出た商店街の近くにある。ちなみに親はいなく一人暮らしだ。

 

俺はいつもの通り人混みの多いスクランブル交差点を抜け小さな商店街を歩いていると

 

バッ

突然横を通り過ぎた人のバッグに当たってしまった。当たった相手は俺より少し背が高く、赤いワンピースを着ている女だった。取り敢えず俺は謝罪をした。

 

「す…すいません」

俺が謝罪するとその女は大丈夫とだけ言い俺は頭を下げると通り過ぎた。あの女とは面識はないがぶつかった拍子に分かった事がある。

 

アイツは……『妖怪』だ。

 

 

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猫娘side

 

私は夕食の買い出しの為に人間の世界に来ていた。

私はいつもの通り行きつけの魚屋と八百屋に寄った帰り道

 

バンッ

 

「す…すいません」

1人の人間とぶつかった。背は私より低く学生服を着ていたから多分学生だろう。その人間はすぐに私に謝ってきた。目は前髪で少し見えなかったけど取り敢えず普通に『大丈夫よ』とだけ言った。その人間は頭を下げるとそのまま去っていった。その少年には気づかれてないと思うけど私は気づいた……

 

あの人間は………『妖怪』だという事を

 

 

 




設定

名前 龍崎 忍 (りゅうざき しのぶ)
身長 マナより少し高い。猫娘よりは断然低い
容姿 ベルゼバブの鷹宮忍 を小柄にした感じ

龍と人の間に生まれた半妖。10歳の時に母親が他界し父親は退治されその後 放浪しているところを1人の老婆に拾われ小学校に通えるようになり2年間を過ごした。2年が経ち小学校を卒業すると同時に育ての老婆が亡くなると蓄えた知恵で生活するようになり、その地から人口密度の多い東京へと上京し、自分や世界を知るために中学へと入学し、大学進学を目指すようになった。中学入学後はバイトで生活費を稼ぐ。
性格は龍の血の故か好戦的で妖怪が現れると髪をオールバックにし襲いかかる。
学校では虐めにあっており、パシリやリンチなどを何回もやられている。
意外と大食いであり、食費は大盛りチャレンジ等で賄う時がある。

顔は美形とはいえず、髪が目を隠しているのでいい印象を持たれていない。俗に言う陰キャ。髪をオールバックにした際は鋭い目が曝け出されるので大体の人から別人と思われる。額には過去の妖怪との激戦の証である深い傷跡がある。

また、綺麗事を嫌っており、絆や根性論を聞くとイヤホンをする時がある。


龍の鉤爪
小指と薬指 人差し指と中指をそれぞれ合わせて三叉にして相手を掴み、その部位を握りつぶし抉り取る

龍の舞
四肢に妖力を集中させ 相手に連続で100発以上ものパンチや蹴りを放つ。

龍の炎
体内にある膨大な妖力を青い炎に具現化させ手から放ち相手を塵にする。

天龍乱舞
龍の舞よりも上回る数のパンチやキックを放ち、相手を上空に打ち上げ、そこに向けて特大の波動を作り上げ相手にぶつける。

変化
巨大な龍の姿となる。見た目はミラユニコーン


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