「なんで…アンタがここにいるのよ!龍崎ッ!!」
猫娘は爪を伸ばし殺意を溢れさせた。それに対し龍崎は不敵に笑った。
「ハハッ。相変わらず凶暴だな 猫。なぁに、別にこれといった理由はねぇよ。バイトしてたら面白そうな光景が映っててここに来た訳だ。最初は残念だと思ったよ。コイツら全然面白くないし」
「うぐぅ!?」
そう言い龍崎は再生し立ち上がろうとしている河童の頭を踏みつけた。
「だが、お前がいたから来て正解だと改めて思ったよ。お前がいるって事は『鬼太郎』もここにいるって事だろ?棚からぼた餅とはまさにこの事だな」
「なんですって…!」
笑いながら放たれたその言葉には狂気と殺気が込められており猫娘や砂かけ婆を震えさせた。
猫娘はもちろん 横にいる砂かけ婆も初めて見る龍崎へ最大レベルの警戒態勢を取った。
「猫娘…奴が前に言っておった…」
「えぇ…たんたん坊達に加担していた人型妖怪よ。気をつけて!アイツはたんたん坊達を一撃で倒す程の力をもってるわ…!」
「なんじゃと!?これまた骨が折れそうじゃ!」
2人は戦闘態勢を取り龍崎を睨んだ。それに対し龍崎は落胆の声を上げる。
「俺がやりたいのは鬼太郎だぞ?お前らに用はない。消えろ」
その言葉が終わった瞬間 猫娘の姿が消えた。
「消えるのはアンタよッ!」
「お?」
突如 横から猫娘が現れ伸びた鋭い爪を刃物のように振り回してきた。その刃物は龍崎の右半身を捉え肩から腕へ抜けるかのような傷を負わせた。
「ハァッ!」
更に追い討ちをかけるように猫娘はすぐさまその体制さら爪を上に振りかざし龍崎の頬へ傷を入れた。
「ほぅ」
龍崎はその場から後ろへ飛ぶと2人を睨んだ。
「なんだ。やるのか?なら……」
『…ッ!』
2人は絶句した。垂れた髪を取り出したワックスで後ろに流し結ぶ姿から強烈な殺気と妖気が放たれた。さらに曝け出した龍崎の額には抉られたかのような傷が現れ更に濃い狂気を漂わせていた。
「容赦はしねぇぞ…?」
小柄な身から考えられない程の濃い妖気に猫娘や砂かけ婆は汗を流し攻撃しようにも仕掛ける事が出来なかった。
「来ないのか?ならこっちから行かせてもらうぞ?」
それに対し龍崎は戦闘態勢を取り2人目掛けて攻撃を仕掛けようとした。
その時
「髪の毛針ッ!」
「ん?」
空から無数の針が龍崎目掛けて降り注いだ。龍崎はその場からすぐさま跳躍する形で避け背後に着地した。
「やっとお出ましか。ゲゲゲの鬼太郎…ッ!」
「やぁ。久しぶりだな」
そこに立っていたのは河童に尻子玉を取られダウンしていたはずの鬼太郎だった。
「鬼太郎!アンタ河童達に尻子玉取られてたんじゃ…」
「いそがし が取り憑いてくれたんだ。お陰で普段の数倍以上のやる気が出てくるよ」
「成る程。いそがし という妖怪か。それで尻子玉があればさらに強くなるという訳か」
そう推測している時 龍崎の足元や周りにいた河童達が立ち上がった。
「お前……よくもやってくれたな…!」
「ただじゃおかねぇ!河童を敵に回したこと思い知らせてやるッ!」
『ケケケッ!!!』
そう言うと河童達は龍崎を取り囲み四方八方から襲いかかって来た。だが、それは間違った選択であった。
その行動自体が、龍崎を苛立たせた。
「邪魔なんだよ…!」
「ッ!」
その言葉と同時に龍崎の手が一番近くにいた河童の手を捉えた。
そしてその掴んだ手を引き河童の胴体を自分の目の前に持ってくると縦横無尽に振り回した。
『ぎやぁぁぁぁ!!!!!』
周りにいた河童達はその風圧に押され一気に吹き飛ばされた。振り回した事によって四肢が全てグシャグシャになった河童を放り捨てると直視出来ないほどの速さで吹き飛ばされた河童へと向かった。
「う…!?うぎぁぁ!!!」
「がハァッ!!」
「うぁぁ!!」
龍崎は次々と河童達の四肢をもぎ取り辺りに放り投げた。
「やめろっ!」
「あぁ?」
鬼太郎の制止の声に龍崎は反応し 最後の1匹を殴る手を止めた。
「別にいいだろ?どうせ時間が経てば再生するし」
「だからと言って惨すぎるぞッ!お前に河童達の痛みは分からないのか!」
「痛み?ンなモン知るか。ただ単にコイツらがわりぃだろ。力の差も理解しないで向かってくる愚かさがこの現実を招いたんだからな」
「ッ!」
グシャァ
「ぎゃぁぁぁ!!!」
鬼太郎の言葉に耳を貸すことなく龍崎は最後の河童の手を握り潰し残りの手足を引きちぎった。辺りには河童達の血で溢れあまりにも残酷な風景が広がっていた。
「さて、待たせたな。精々楽しませてくれよ?」
そう言うと龍崎は学ランを脱ぎ捨てタンクトップ一枚になると髪を結び直した。
「お前には…キチンとした痛みを知ってもらう必要があるな…ッ!」
対する鬼太郎も激昂したのか普段よりも数段階も低いトーンで声を上げ戦闘態勢を取った。
「じゃあ教えてくれよ?その痛みというのをよッ!」
龍崎は拳を握りしめるとすぐさま鬼太郎へ向かって殴りかかろうとした。
「2人とも下がれ!」
鬼太郎は猫娘と砂かけ婆を離れさせるとその拳を避けた。だが避けた瞬間 龍崎の上半身が鬼太郎の方向へと振り向きそれと共に下半身も動き出し強烈な回し蹴りが放たれた。
「オラァッ!」
「うぐぅ!?」
それは見事に鬼太郎の腹に命中し近くの噴水へと吹き飛ばした。
「まさかこの程度じゃねぇだろ?」
「当然だッ!髪の毛針ッ!」
鬼太郎は立ち上がると自分の髪の毛を硬質化し龍崎目掛けて放った。それに対し龍崎は頬を三日月のように釣り上がらせると両腕を交差するような形で身を守った。するとその針は次々と弾かれた。
「俺の四肢は少し硬くてな。ンな刃物じゃ皮膚は通らないんだよ」
「ッ!?だったらコイツはどうだ!」
「ん?」
すると鬼太郎は自分の手を地面につけた。見ると地面には先程 壊れた噴水の水で辺りが水浸しになっていた。
「何をする気だ?」
距離が離れているのに地面に手をつくその瞬間 龍崎は何かを予測した。
「まさかッ!」
「そのまさかだよ!体内電気ッ!!」
「!?」
その瞬間 鬼太郎の身体が輝き出すと同時に龍崎の全身に激しい電流が流れた。
「ぐぅ!?……」
龍崎は即座にその場から跳躍し近くのビルへと着地した。鬼太郎は電流の放出を止めると身体から湯気が出ている龍崎を睨んだ。
「……反応を見る限り『電気』が弱点らしいな?」
「ハハッ!よく分かったな。俺は高圧電流が苦手でな。受けるとしばらく動けなくなるのさ」
「変な奴だな。自分の弱点の効果を暴露するなんて」
「こうでもしなくちゃ面白くねぇだろ?」
そう言うと龍崎は手に青く光る炎を生成した。
「さぁ…!もっと楽しませてくれよ…!」
「ッ!」
その瞬間 青い炎は鬼太郎へ向かって放たれた。
「くっ!?」
鬼太郎は咄嗟に霊毛チャンチャンコを広げ炎を防いだ。その炎はチャンチャンコに触れると同時に飛散し辺りに飛び散った。
「ほう?今のを防ぐか。ならコイツはどうだ?」
そう言うと龍崎は拳を握りしめると全身から青い炎が溢れそれが次々と腕に集まり発光した。それと同時に龍崎の目は透き通るような青い目へと変化し身体から発せられる蒼炎は辺りを美しく照らした。
______いくぞ?」
「ッ!!」
燃え盛る炎を纏いながら龍崎はその場所から一気に飛び出すと鬼太郎へ向かって拳を振るった。対する鬼太郎も自身の腕にチャンチャンコを巻きつけ迎え撃つ。
「オラァッ!」
「霊毛チャンチャンコッ!」
2人の拳がぶつかり合うと、辺りを閃光が包み込んだ。
ーーーーー
「何て強さじゃ…いそがしの力が合わさったと言うのにあそこまで追い詰められるとは…」
猫娘の肩に乗りながら目玉おやじは龍崎とぶつかり合う鬼太郎の姿を見ていた。だが決して優勢というべきではなかった。むしろ劣勢となっていた。
「親父殿!何か方法はないのか!?」
「このまま鬼太郎がやられるところを見てるだけなんて…」
「ふぅむ…」
目玉親父は頭を振り絞り考えた。どうにか奴を足止めできないか。
そう考える間 闘いは止めることなく続いていた。
「…!そうじゃ!」
ーーーーーー
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「どうした?もう終わりか?」
現在 鬼太郎は満身創痍の状態で地面に膝をつき息を切らしていた。鬼太郎に取り憑いたいそがし も少しずつ限界が近づいていた。
「く……まだだ…!」
鬼太郎が立ち上がろうとした時 心の中にいる いそがし は止めた。
「(やめた方がいい…コイツは次元が違いすぎる…)」
「(な…なんだって…!?)」
「(お前だって分かるだろ…あの妖力の量…儂とお前の妖力を足してもまったくたりねぇ。それにさっきから全開でやってるんだがな…それでもアイツは平然と追いつくどころか上回ってくる。妖力ももうすぐ底についちまうぞ…)」
改めて鬼太郎は龍崎を見る。傷は所々にあるというのに疲れどころか、息切れ一つも見せていない。
「(じゃあ…どうすれば…)」
「(今から一気に残りの力を出す。お前は逃げる事だけを考えろ…)」
「(そんな…!)」
いそがし の思いついた策。それは『逃走』だった。今のいそがし の妖力を全開すれば少なくとも時間は稼げる。だが 逃亡するとなると確実にオババや猫娘に被害が及ぶと考えた鬼太郎は流石にそれは賛成できなかった。
だが、他に手はない。
「なんだ?さっきからだんまりだな」
龍崎は倒れ伏している鬼太郎に近づこうと足を動かした。
だが次の瞬間 背中に巨大な衝撃が襲った。
バァンッ!!!
「ゴホッ…!?」
その発せられた衝撃によって龍崎は胃液を吐き出しながら近くのビルへと叩きつけられた。
「…!ぬりかべ!?」
「ぬり!」
そこには尻子玉を抜かれダウンしてた筈のぬりかべが張り手のポーズを取りながら立っていた。恐らく龍崎はぬりかべの張り手によって吹っ飛ばされたのだろう。
「鬼太郎さん!」
するとそこへ河童の太郎丸の弟である次郎丸が走ってきた。
「鬼太郎さんごめん!尻子玉を返すよ!」
「きょぽ!?」
そう言うと次郎丸は鬼太郎の肛門へ尻子玉を押し込んだ。すると同時に鬼太郎の身体から倒れるようにしていそがしが出てきた。
「いそがし!」
「へ…へへ…流石に力を出しすぎたか…こりゃ参ったぜ…」
それだけ言うといそがしは意識を失ってしまった。
「いそがし…ありがとう…後は任せてくれ」
鬼太郎はいそがしを一反木綿に渡しここから離れるように言った。
そして皆は先程 ぬりかべの張り手によって吹き飛ばされた龍崎が突っ込んだビルへと目を向けた。
だがそこには何もいなかった。皆はまさかと思いすぐさま目の前に目を向けた。
ドォオオオオオオオオンッ!!!
『ッ!』
何かがその場に飛来した。見てみるとそこには 切り傷を負いながらも未だ平然な龍崎の姿があった。皆は絶句した。ぬりかべのパワーは巨大なサイの突進をも凌ぐ程ある。その上あの至近距離でのその威力の張り手を喰らったからにはただでは済まない筈なのに切り傷しか与えられていなかったのだ。
「次郎丸…河童達を頼めるかい?」
「うん!任せて!」
次郎丸は再生して立ち上がろうとしている河童達を説得すると安全な場所へと連れて行った。
次郎丸達がいなくなると同時に龍崎はタバコを握り潰すと立ち上がる。
「んん?お前って確か尻子玉抜かれてなかったか?どうやって元に戻ったんだ?」
龍崎は立っているぬりかべに指をさした。すると横にいた砂かけ婆は懐からひとつまみの砂を出した。
「この『オババ特性気配消しの砂』のお陰じゃ。これを一振りするだけで数分間 自分から目を離している相手に限り気配を完全に消すことができるのじゃ。さっきからお主は鬼太郎ばっかに意識を集中しておったからその隙を突いて河童達から尻子玉を取り返して回復したという訳じゃ!」
「なるほど。道理で…まぁいいい。来いよ?全員まとめて相手してやる」
手を招くような形で挑発すると鬼太郎達は全員戦闘態勢を取った。
風が吹く中 両者は睨み合った。
その時砂かけ婆の手が動き出した。
「砂玉ッ!!」
「!?」
砂かけ婆は懐から出した玉を龍崎に向かって投げた。すると同時にその玉は割れ中から大量の砂が竜巻のように吹き荒れた。流石の龍崎も予想外なのか咄嗟に目を塞いだ。
「……ん?」
龍崎が目を開けたそこにはもう鬼太郎達の姿はなかった。
「ッ…逃げたか。まぁいい。またの機会だな」
鬼太郎への興味が尽きる事がない龍崎は脱ぎ捨てた学ランを拾うとこの場を去った。
ーーーーー
「はぁ…はぁ…はぁ…」
一方で姿を消した鬼太郎達はゲゲゲの森へと戻ってきていた。中でも鬼太郎やいそがしは疲労の為か横になっており後の皆も全速力で退却したため息がきれていた。
「流石の奴もここへは来られないわね…」
「あぁ。太郎丸達よ大丈夫か?」
「はい…なんとか…」
鬼太郎の他にもその場を離れていた河童達もゲゲゲの森へと帰還していたのだ。すると太郎丸は突然頭を下げた。
「皆さん…すいませんでした…。私たちの所為でこんな事になってしまって…」
「僕からも謝ります…兄ちゃんが迷惑かけて本当にごめんなさい!」
太郎丸に続いて次郎丸も頭を下げた。すると目玉親父は首を横に振る。
「今回はお主達の所為ではない。奴の出現は予想外じゃったからな。じゃがお主達はお主達で悪い所がある。無差別に尻子玉を取ることはよくない。ちゃんと返しておくのじゃよ」
「はい!」
「だけど……参ったわね…龍崎のあの妖力の量…私達全員でもまったく行き届かなかったわ…」
「うむ…奴について少し調べねばなるまい…」
それから河童達は先程の場所へと戻り龍崎がいない事を確認すると尻子玉を全て持ち主に返し、ゲゲゲの森へと戻ってきた。そして鬼太郎達と別れると自分たちの住処へと帰っていきそこで再び暮らす事に決めたのだった。
翌日
目玉親父達は今後の龍崎への対策について考えていた。
「さて…あの龍崎という妖怪についてどう対策をとるか…」
目玉親父は首を傾げていた。すると隣にいる猫娘が提案する。
「奴の狙いは恐らく鬼太郎よ。何故かは分からないけど…鬼太郎以外には手を出さないと思うわ」
「そうか…ならしばらくは鬼太郎は人間界に立ち入らない方がよいな。まぁあまり人間界に行かないから別にいつも通りということじゃな。だが…まなちゃんは奴と同じクラスなのじゃろ?大丈夫なのだろうか…」
目玉親父はまな の事を思い浮かべた。一番忘れてはいけない事。龍崎が自分達と一番親しい人間であるまなと同じクラスであるという事。つまり平日は四六時中一緒にいるという事だ。
「確かに心配ね…それにまなのクラスメイト達も…」
ーーーーーーー
「あ?なんだ龍崎?その目は?」
「…」
斎藤やその取り巻きに加え自分を今まで虐めてきた人達に龍崎は不敵に笑っていた。
「気持ち悪い顔 見せんじゃねぇよ!」
バンッ
斎藤のアッパーからの蹴りは見事に命中し龍崎を教室の隅に叩きつけた。だがそれでもなお龍崎は笑みを消すことは無かく壊れた人形のように笑い始めた。
「なに笑ってんだテメェ!」
「フフ…昔 読んだ本の中に『弱者は群れる』と書いてあって本当なんだなと思いまして」
その言葉が斎藤やその取り巻き達を刺激した。
「んだとッ!龍崎の癖に生意気なこと言ってんじゃねぇッ!」
そう言い斎藤は龍崎に向かって拳を振った。
ガシッ
「え?」
斎藤の拳は見事に受け止められていた。その瞬間
「うぁぁぁぁぁ!!!!」
斎藤の悲鳴がその場に響いた。皆は耳を塞ぎながらもう一度2人の姿をみた。
そこには
「お…おいおい嘘だろ…!?」
右手を抑えながらうずくまる斎藤 それを怪しい笑みで見つめている龍崎の姿が映っていた。
すると同時にクラスの何人かは口を押さえた。その理由は斎藤の腕が骨が見える程まで握り潰されていたからだ。
「て…テメェ!何やってんだよ!そこまでする必要ねぇだろ!」
「そうだ!」
後ろにいる取り巻き達は口々に龍崎に言った。だが龍崎は表情を歪ませるどころか 更に口角を釣り上げた。
「面白いな…虐められっ子に逆襲され…絶望に叩き落される虐めっ子の反応は。さて、お前達はどんな反応をするのかな?」
龍崎は黒く鋭い目を向けた。その瞬間 斎藤の取り巻きや他の虐めっ子 はたちまち悲鳴を上げながら教室を出て行き始めた。
「うわぁぁぁ!!!」
「先生ぇぇ!!!助けてぇぇ!!」
「龍崎が!龍崎がぁぁぁ!!」
逃げ惑うその姿を龍崎は嘲笑うかのように見つめていた。
「ハハ。どうせ逃げても無駄なのに」
笑い終わった龍崎は教室へ戻るとうずくまる斎藤の他に壁に倒れかかっているまなや他の生徒へ目を向けた。
目を向けられた まな 以外の皆は怯えて立つ事すら出来ずにいた。
「別にそんな怯えなくとも。貴方達は俺を虐めてないから殺しませんよ。俺が殺すのは…コイツとアイツらですから」
そう言うと龍崎は髪を後ろに流し結ぶとうずくまる斎藤へ目を向けた。斎藤は顔を上げ龍崎の顔を見た瞬間 全身を震わした。
今 鬼太郎達が予想していた最悪の事態が起ころうとしていた。