四丁目の入り口を通り抜け四丁目へと辿り着いた猫娘はまなと共に暗い道を進んでいた。元々、存在しない場所なのか人気がない。明かりだけはあり辺りの建物の電気がついていた。だが、人気がない代わりに感じられるのは妖怪達の妖気。目を向ければ物陰から自身らを見つめていた。
そんな中、猫娘はまなにある事を尋ねた。
「そう言えばまな…あれから龍崎はどうなってるの?」
「え?」
尋ねられたまなは唐突すぎる質問に首を傾げながらも答えた。
「う〜ん…特に変わった事はないかな…。学校でも問題を起こさない様になったし…」
「そう」
「えっと…どうして急に?」
まなはその質問をなぜ今尋ねたのか不思議に思い猫娘へと尋ねた。するとその質問を聞いた猫娘は表情を険しくさせる。
「まなは知らないだろうけど…アイツがとんでもない妖怪だったからよ」
「え…どういう……」
その時だった。
付近から巨大な爆発音が響いた。
「「!?」」
突然と辺りに響き渡った爆発音に二人は驚き話を中断させると即座に駆け出した。
そして その爆発が聞こえた場所へと向かうとそこにあったのは数名の妖怪達と鬼太郎が対峙している光景であった。
「鬼太郎!それに……アンタ達…!!」
それを見た猫娘は驚きの声を上げた。その声を聞いたのか数名の妖怪の内、巨大な図体を持つ見上げ入道が振り返った。
「お前は…猫娘!」
「なんだとぉ!?」
そして次々と妖怪達が自身へと目を向けてくる。見上げ入道だけではない。蛇女にかまいたちそしてたんたん坊といった過去に自身や龍崎が撃破した妖怪達であった。
「お前も来たか。なら、鬼太郎共々 我らが消し去ってくれるわ…!!」
「やれるもんならやってみなさい!!まなは下がってて!」
「うん!」
まなを下がらせた猫娘は四つん這いとなり戦闘モードへと移行すると鋭い目を向けながらかまいたちへと向かって行った。
すると行く手を阻むかの様に見上げ入道は口から圧縮した空気の塊を発射する。
「ハァ!!」
「…!」
向かってくる空気砲を次々と避けていき遂にかまいたちのすぐ側までたどり着いた。
「な!?コイツこんなに強かったか!?」
「追いついたわよ…!!」
「やらせるものか!」
「…!!」
驚くかまいたちへと爪を振りかざそうとしたその時であった。予想だにもしない方向から蛇女が飛び掛かってきた。
だが、何故か猫娘の目にはそれが一瞬___
____止まって見えていた。
「…!!」
その動きを見た瞬間 猫娘は即座に身体を横に跳躍させる形で回避すると爪を伸ばし蛇女へと振り下ろした。
「がぁ!?」
振り下ろされた爪は見事に黄色の軌跡を残しながら蛇女の身体を三等分に切り裂いた。
その一方で、猫娘は先程の現象に驚き自身の額に手を当てた。
「私…なんで…」
猫娘は疑問を抱く。先程の即座の軌道変更による回避。あれは恐らく今までの自身ではまず無理であった。ではなぜ出来たのか。
そんな中、一つの答えにたどり着いた。
「まさか…!!」
猫娘は脳裏にある男を思い浮かべる。それはよく遭遇している“あの男”であった。
「アイツの動きを…見てきたから…って事…なのね…」
すると
「き……貴様……なぜそんなに素早く…!!!」
背後から黒い靄を身体から漏れ出し今にも消えかけようとしている蛇女の声が聞こえてきた。それに対して猫娘は振り向くと答えた。
「アンタ達なんか…“龍崎”に比べたら止まって見えるわよ!!」
その言葉と共に蛇女の身体は黒い靄が溢れ出すと共に消滅して魂は何処かへと飛び去って行った。
そして蛇女を葬った猫娘はかまいたちへと目を向ける。
「まずは一人目…次は…!」
「ぐぅ…!」
かまいたちが一歩後ずさった時であった。
「避けろ猫娘!!!」
「!?」
鬼太郎の叫び声が響くと共に身体が何者かに掴み上げられた。
「な!?」
「フハハハ!すばしっこい猫が!捕まえてやったわ!」
「ぐぅ!?」
猫娘を掴み上げたのは鬼太郎と交戦していた見上げ入道であった。見れば鬼太郎は見上げ入道の【霊界送り】によって空中に停止させられていた。鬼太郎は霊界と現世を自由に行き来できる。故に見上げ入道はそれを考慮して鬼太郎が送り火から抜け出せない様にワザと空中で停止させたのだ。
「猫姉さん!見上げ入道みこ___むぐ!?」
「黙ってろ!」
咄嗟にまなは見上げ入道を消す呪文を叫ぼうとするが背後に回ったかまいたちによって口を抑え込まれた。
「まな!ぐぅ!?」
「よくも蛇女をやってくれたな!このまま握り潰してくれるッ!!!」
「…!!」
その言葉と共に見上げ入道の握り締める力が強くなると共に全身が締め付けられる。
「ぐぁぁぁぁぁぁ!!!!」
全身に痛みが巡ると共に身体中から悲鳴を上げるかの様に骨の軋む音が響き渡った。
「猫娘!!くっ!!」
「鬼太郎!早くこれに掴まれ!」
「あぁ…!!」
鬼太郎は咄嗟に旧校舎の屋根に登ってきたねずみ男の差し出した棒へと手を伸ばす。
だが、それをしている合間にも猫娘を握り締める見上げ入道の力が強まっていった。
「ぐ…!!ぎぃ…!!!」
「終わりだッ!!!!」
見上げ入道は遂に最大限まで力を強めようとした。
その時であった。
「おい。俺のナワバリで何勝手なことやってんだよ」
「「「「…!!」」」」
突然とその場に第三者の声がこだます。
「この声…!?」
その声が聞こえた直後だった。驚いていた猫娘を掴み上げていた見上げ入道の身体が真っ二つに裂かれた。
真っ二つに裂かれた事によって猫娘は見上げ入道の手から解放され地面へと着地した。地面に尻餅をつくように落下した猫娘は目の前の光景を目にした瞬間 目を震わせた。
「り……龍崎…!!」
そこには全身から着用している学生服よりも更に黒いオーラを放つ龍崎の姿があった。
「よぅ猫」