ゲゲゲの鬼太郎 天翔の少年   作:狂骨

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迫り来る侵攻

 

 

龍崎が去った後、その場の空気は元に戻ると共に、軽くなったが、先程の話が今もなお皆の頭の中に残り続けていた。

 

「鳳凰の討伐…ぬらりひょんの暗躍…六将…」

 

鬼太郎は龍崎の話した内容を復唱し続けてる。

 

「いずれにせよ…バックベアードを退けるだけでは終わらんようじゃの」

 

「そうですね。まずはアルカナの指輪を探しださないと…そうだ」

 

目玉親父の言葉に頷く中、鬼太郎はある事を尋ねた。

 

「猫娘、一つ聞かせてくれないか?」

 

「え?」

 

「僕が龍崎に追い詰められた時に、君に助けてもらったけど…あの時の君姿は、まるで虎みたいだったんだ。何があったんだい?」

 

「…!!」

 

尋ねた途端、猫娘の表情が突然と曇りだす。その様子に鬼太郎は気に障ったと感じ、すぐに訂正する。

 

「辛かったら無理に話さなくていいよ」

 

「いや…話す」

 

首を横に振った猫娘は薄れゆく意識の中で最後に見た光景を思い出しながら答えた。

 

「鬼太郎が倒されそうになった時に…目の前が突然と真っ暗になったかと思ったら、突然と明るくなって…目の前に大きな虎が現れたかと思うと…そこから意識を失ってしまったの。それで気づいた時にはここに寝ていたわ…」

 

「なるほど。暴走していた時の事を覚えておらなんだか」

 

「え…暴走…?」

 

猫娘の話を聞き、ふと溢した目玉親父の言葉に猫娘は驚き、尋ねた。

 

「どういう事…?親父さん」

 

「ここからは、儂と鬼太郎で話そう。お主が意識を失ってから目覚めるまで何があったのかを」

 

 

ーーーーーーー

 

それから目玉親父が中心に、猫娘へと意識が失った後の出来事を話した。

 

身体中に虎の紋様が巡った姿。そして妖気も妖力も龍崎に匹敵し、彼を殴り飛ばし渡り合っていた事を___。

 

「そしてさらに___」

 

「父さん」

 

続きを話そうとする目玉親父を鬼太郎は止めた。

 

「…」

 

見れば、話を聞いた猫娘の表情からは冷静さが消えており、顔面は蒼白し、身体も少しだけだが、震えていた。

そんな彼女の様子に、鬼太郎はすぐさま声をかける。

 

「大丈夫かい?猫娘。酷く顔色が悪いようだけど」

 

「…うん…」

 

そう猫娘は頷くものの、普通ではないその様子に目玉親父は話を切り上げる。

 

「これ以上はよそう。すまなかったな猫娘…」

 

「いや…」

 

目玉親父の言葉に猫娘は首を横に振る一方で、鬼太郎は彼女に改めてお礼を言う。

 

「それよりも猫娘、あの時は助けてくれてありがとう。今度はもう、君をあのような姿にさせないために、僕も頑張るよ。だから猫娘も無理に力に身を寄せすぎないでね」

 

「…うん」

 

鬼太郎のその言葉に猫娘は笑みを浮かべながら頷く。そんな中、今度は目玉親父は涙を流し始めた。

 

「それよりも鬼太郎…すまなかったな。儂らで片付けるべきであった業をまだ幼いお主に背負わせてしまって…」

 

そう言い目玉親父は、龍崎から聞いた話を思い出し、鬼太郎へと改めて謝罪した。

 

 

鳳凰を葬るには、幽霊族すなわち、唯一の生き残りである鬼太郎の力が必要不可欠となる。

 

もはや鬼太郎に引き返す道などない。

 

そんな重く辛い道に歩ませる結果に目玉親父は無力感に苛まれていた。

 

 

だが、彼の言葉に鬼太郎は首を横に振る。

 

「大丈夫ですよ父さん。遅かれ早かれ、いずれこの時は来ましたし、僕も覚悟はできています」

 

「鬼太郎…!!」

 

その言葉に目玉親父が泣く一方で、その横で猫娘は己の両手を見つめていた。

 

「暴走…私が…」

 

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

それから数日が経過したある日の夜。渋谷のとある喫茶店にて、龍崎は勉強の手を止めて鈴鹿と通話をしていた。

 

『それで?猫ちゃんは誘えなかったの?』

 

「まあな。本人は俺を嫌ってるからな」

 

彼女の疑問に龍崎は、以前の事を思い出しながら頷く。

 

『どうするの?時間ないわよ?素直に教えてあげれば?』

 

「素直って言っても、アイツは俺を嫌ってるから安安と頷かないだろ。まぁ安心しろ。あの様子だと、また暴走する。そうなりゃ嫌でも俺を訪ねてくるだろう。それより、他に要件は?」

 

『茨木が、九州でブエルとベリアルを見つけて討伐したらしいわよ。西洋妖怪の連中の対策も兼ねて、今度、食事しよってさ』

 

「了解」

 

 

 

その時であった。

 

「…ん?」

 

何か妙な妖気を感知する。

 

「おい鈴鹿」

 

『えぇ。何か日本に入ってきたわね。しかも2体。距離としては京都に近いわ』

 

○◇○◇○◇

 

同時刻。和歌山県のとある山荘あたりの空間が歪むと共に穴が出来上がり、その中から2人の男が現れた。

 

1人はおかっぱで大柄な身体を持つ男。そしてもう1人はその肩に乗る金髪で小柄な少年だった。

 

「着いたか」

 

その小柄な少年は大柄な男の肩から降りると、笑みを浮かべる。その笑顔と共に開いた口からは、鋭い牙が光っていた。

 

その少年は男へと呼び掛ける。

 

「さて、やるぞマンモス」

 

「はい…ラセーヌ様」

 

 

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