ゲゲゲの鬼太郎 天翔の少年   作:狂骨

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妖怪城の決戦

龍崎side

 

俺は今 城の最深部にある13本の柱の隅にいた。たんたん坊にこの柱の見張りを命令されたからだ。

最初はムカッと来たが渋々了承した。

俺は13本の柱の一つに腰をかけると煙草を取り出し咥えた。

 

「ふぅ〜…」

 

ドォオオオンッ!!

 

その時 上から衝撃音が聞こえた。どうやら始まったらしい。

 

「楽しみだな」

俺は上を向くと煙を吐いた。俺の心の中は壮大なワクワク感で膨らんでいた。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

鬼太郎side

僕らは今 妖怪城に乗り込み たんたん坊達と戦っていた。

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

「どうした?こんなものか?」

 

 

 

戦況は劣勢… その理由は 何度攻撃しても奴らは瞬時に再生してしまうからだ。

胴体を真っ二つにしようと…頭に風穴を開けようと…奴らは瞬く間もなく再生してしまう。身体だけではない。妖力もだ。恐らく原因は妖怪城…奴らはこの城が放つ妖力を吸って身体を極限まで強化しているんだ。

 

「くっ……どうすれば……」

僕は考えた。単純に城を攻撃しても無駄だ…。どうすれば………

 

…ッ!そうだッ!

 

「猫娘ッ!まなに電話を!」

「分かった!」

猫娘は頷きすぐさま まなへ電話をかけた。

 

 

 

 

僕は全神経を集中させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピピピピッ…

 

 

聞こえた…!

その音は僕の真下から鳴っていた。

 

 

「そこだぁっ!!!!!!!」

僕はちゃんちゃんこを腕に纏わせその拳を地面へ放った。放たれた拳は地面に突き刺さるとその場が陥没し一気に崩れた。崩れた拍子に僕の体はその場所へと落ちたが何とか体制を整え着地することができた。

 

「よし。ここだな。………!?」

僕の体は動きを止めた。僕がその柱を見つけた時 そこにはタバコを吸っている謎の男が立っていた。その男は下を向いたままこちらへ顔を向けなかった。

 

「お前が……ゲゲゲの鬼太郎か…?」

その男は何の前触れもなく喋りかけてきた。声質はまだ若いから まな と同じくらいだろうか。僕は答えた。

 

「そうだ。僕が鬼太郎だ。お前は何者だ?」

「俺が何者かなどどうでもいい」

「なに!?」

すると その男は立ち上がると僕を睨んできた。

 

「お前、俺と戦えよ」

「…っ!?」

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

猫娘side

 

私は今 鬼太郎が開けた大穴を見ていた。

 

「着信音で見つけるなんて…よく思いついたわね…」

「さすが鬼太郎じゃのう!」

確かに…でも何だろう…この感じ…凄くヤバイ感じがする…。それに妙だ。たんたん坊達は何故焦らないのだろう。自分達の妖力の源を見つけられたのに何故…

 

「フハハハハ!バカな鬼太郎め。下にアイツを置いておいてよかったわ!」

『アイツ』!?他にも仲間が!?

「鬼太郎!」

「おっと!」

私はすぐさま下へ降りようとしたがカマイタチが妨害してきた。

「下には行かせんぞ」

「く…!」

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

「お前 俺と戦えよ」

そう言い龍崎はタバコを捨てるとワックスを取り出し髪を全て後ろに流し結ぶと学ランを脱ぎ捨てタンクトップ一枚となった。その身体からは青く透き通るような妖気がオーラのように出ていた。

 

「気をつけろ鬼太郎!あの妖力の量…只者ではないぞ!」

「はい!」

対する鬼太郎も話は聞かないと理解したのか戦闘態勢をとった。

 

 

「行くぞ」

「ガハ…ッ!?」

その声が聞こえたと同時に 鬼太郎の腹に龍崎の拳がめり込んでいた。

 

「い…いつのまに…!?」

「鬼太郎!一度後退するんじゃ!」

「おっと、逃がさんぞ?」

すると龍崎は逃げられないようにするため鬼太郎の足を踏みつけた。

その瞬間 追撃をかけるようにマグナムのような2発のパンチが鬼太郎を襲った。

 

「ぐっ…」

腹と顔をやられた鬼太郎は鼻から血を垂れ流す。それに加えてたんたん坊との戦闘で疲労があるせいか力が出せずその場に両手をついてしまった。

だが、龍崎はそれを良しとはしなかった。龍崎は鬼太郎へ近づくと低い声で言った。

「今から…右足で蹴り上げる…!」

「ッ!」

その宣告通り 鬼太郎が目を開けると自分の脇腹に龍崎の右足が迫ってきた。

何とか鬼太郎は自分の身を横へ投げその蹴りを回避した。だが回避はしたものの体力はもう残っておらず立つことすら出来なかった。

 

「ぐぅ…」

「あ?どうした?もうガス欠か?まぁそれもそうだな。上であんな奴らとやりあったんだしな」

そう言うと龍崎は動かない鬼太郎へ手を向ける。すると一瞬光り出したと同時にみるみる鬼太郎の傷が癒えてきた。

傷が癒えた鬼太郎はゆっくり立ち上がると龍崎へ顔を向けた。

 

「お前…何のつもりだ…?敵である僕を助けるなんて…たんたん坊達の仲間じゃないのか…?」

「は?」

すると龍崎は不満そうな表情を浮かべ答えた。

「誰が好き好んであんな低級な奴らと…俺はアイツらを利用しているだけだ」

そう言うと龍崎はタバコを一本取り出した。

 

「利用じゃと…?一体何の為に…?」

目玉おやじの問いに龍崎は煙を吹きながら答えた。

「それはお前と戦って見たかったからだよ」

「僕と?」

「あぁ。俺は元々戦闘を好む妖怪でな。一度でもいいからお前と戦ってみたかったんだよ。それで東京を彷徨ってたら丁度お前を付け狙ってた奴らがいたもんでな。それで一時的に手を組んだのさ」

 

「なんだと……!?」

鬼太郎は腹の底から怒りの声を張り上げた。

「そんな事の為に…何の関係のない まな を巻き込んだのかッ!!」

 

「落ち着くのじゃ鬼太郎!」

目玉おやじは鬼太郎に冷静になるよう促した。だが鬼太郎の怒りは治らなかった。

それに対し龍崎は尚も平然とタバコを吸いながら答えた。

「アイツがいたのは計算外だったよ。最初は止めようとしたがアソコで止めれば確実にお前と闘えなかったしな。まぁ安心しろ。目的は達成したし犬山は返す」

そう言うと龍崎は学ランを着用し柱へと近づいた。鬼太郎は信じ難いと思っているが見ることしか出来なかった。

 

柱へと近づくと龍崎は右の拳を振りかぶり一つの柱へ一直線に放った。すると拳が練り込むと同時に亀裂がはしりその柱がバラバラに砕け散った。すると砕けた破片の 中から捕らえられていた まな が出てきた。

 

「まな!」

鬼太郎は落ちてくる まなを受け止めた。するとまな も意識を取り戻し 涙を流しながら鬼太郎の背中に手を回した。

「これでアイツらはもう妖力を補充できない。後はお前らに任せるよ」

そう言うと龍崎は鬼太郎の開けた大穴へ向かった。

その時

 

「貴様ァァァァァァァァッ!!!!!!」

龍崎の頭上の壁が崩れ落ち そこから溶岩のように顔を赤くし憤怒の形相を浮かべたたんたん坊が降りて来た。

たんたん坊は着地すると すぐさま龍崎に向かって大量の体液を放った。だが龍崎はそれを全て軽快な身のこなしで躱したんたん坊から距離を取った。

 

「よくも我らを裏切ってくれたな!少しは話の通じる奴かと思っておったのにッ!」

 

「話の通じるだと?おいおい詰まらん冗談はよせよ。鼻からお前らに手を貸す気などない。俺はただ鬼太郎と戦ってみたかっただけだ。お前らの復讐ごっこに興味も微塵もねぇ」

 

「おのれぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!!!」

たんたん坊は遂に堪忍袋の尾が切れた。牙を剥き出しにすると龍崎目掛けて飛び掛かった。

だがその飛び掛かりは後ろに跳ぶ形で避けられる。

 

「おのれ ちょこまかと…!」

たんたん坊の飛び掛かかりを避けた龍崎はタバコを捨てるとたんたん坊を睨んだ。

「予定変更だ。やっぱ俺が殺す」

 

「ほざけッ!!!」

たんたん坊は口から石化の唾液を次々と発射する。

 

「ほっほっやっ」

龍崎はそれを全て軽業師の如く、バク転やバク宙、といったアクロバティックな動きで避けていった。

 

そして、たんたん坊から離れると、手に妖力を集中させる。すると、手は青く光だし、蒼い炎が漏れ出した。

 

“消えろ”

 

 

その一言と共にその青い炎はたんたん坊へ向けて放たれた。

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ…ッ!!!!!」

その炎は一直線にたんたん坊へ向かうと瞬時にその身体を包み込んだ。

 

「この力……まさか貴様ぁぁ…!!『六将』だったのかぁぁ…!!く…呪ってやるゾォォォ…!!!龍崎ぃぃ…!!!」

その言葉を最後にたんたん坊は龍崎を睨みながら炎の中で朽ちた。

その光景を目の当たりにしていた鬼太郎とまな はただ見ることしか出来なかった。

たんたん坊を葬った龍崎は崩れる中 鬼太郎達へ目を向けた。

 

「治療はしてやったが傷が癒えたがまだ完治した訳じゃない。次に戦う時はちゃんと万全な状態でいろよな…?ゲゲゲの鬼太郎」

 

それだけ言うと龍崎はたんたん坊の開けた出口に跳躍し外へと出て行った。

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

「よっと」

龍崎が外へ出ると城の崩壊はもう始まっていた。石垣は崩れ落ち 天守もボロボロに朽ちていた。

「さて、そろそろ帰る…「よくもぉぉぉぉぉぉッ!!!!!」 ん?」

龍崎が帰ろうと足を踏み込もうとした時 前方から憤怒の表情を浮かべた二口女が迫ってきていた。

だが龍崎は動じない。それだころかスマホで時間を確認しだした。

「もう3時半か…そろそろ寝るとしよう」

そう言いスマホを閉じるとすぐさま二口女が迫ってきている道へと自ら足を踏み込み駆け出した。

 

「よくも私たちを裏切ってくれたねぇぇぇぇぇぇぇ!!切り刻んで蛇のエサにしてやるぅぅぅぅぅ!!!」

「ん?」

その時 龍崎はようやく気づいたのだ。自分の行く先に敵がいる事を。いや、障害物がある事を

 

すると龍崎は走りながら指を出した。

 

「邪魔だよお前」

 

ヒュンッ…!

 

 

その一言を放ったと同時に二口女の胴体は縦に両断された。

両断され地面に落ちた肉片に目もくれず龍崎はそのまま塀に向かって跳躍し林の奥へと飛び去っていった。

 

その後 妖怪城は完全に崩壊したのだった。

 

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