龍崎がその場を去ってから数十分後
猫娘達は元に戻った競技場で鬼太郎達と合流した。目玉親父は拐われた子供達の容態を確認していた。
「ふむ…身体に異常はなさそうじゃな。あとは人間の医者に任せればよかろう」
子供達の安全を確認すると まな はホッと息を撫で下ろすと共に鬼太郎へ頭を下げた。
「ごめんなさい…鬼太郎の言う事を聞かないで……迷惑をかけてしまって…」
その謝罪に猫娘は反論した。
「謝る必要はないわ。まな がいたから倒せたのは間違いないじゃない。そうでしょ?」
「……うん…でも倒したのは僕じゃない」
「え…?」
猫娘の問いに鬼太郎は首を横に振った。周りの皆は予想外の反応に驚いた。
「ど…どう言う事じゃ鬼太郎!?たんたん坊はお前が倒したのじゃろ!?」
砂かけ婆は焦りながら鬼太郎に問う。だが鬼太郎はまた首を横に振った。
「違う。一緒にいた妖怪…猫娘の言っていた制服をきた人型妖怪さ…」
「なッ!」
猫娘の頭には以前自分を助けた妖怪が浮かび上がった。
砂かけ婆は首をかしげ「だ…誰じゃ?」と猫娘へ聞いた。すると猫娘は口を噛み締めながら答えた。
「前に見上げ入道の時に突然現れたの…私は見てなかったけど…ソイツはたった一人で見上げ入道を倒した…やっぱりアイツだったのね…」
その時 猫娘はたんたん坊が言った言葉を思い出した。
『下にアイツを置いといて良かったわ!』
「あの妖怪…一体何が目的なのよ…私達を助けるわ……たんたん坊に協力するわ…終いには裏切って……」
猫娘の疑問に目玉親父はただ「わからぬ」としか言えなかった。
その後まな と鬼太郎は和解すると同時に まな に学校での龍崎への干渉をなるべく控えるように言った。
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一方で龍崎は妖怪城を後にし帰宅していた。
「ふぅ疲れた…」
龍崎は部屋に入ると制服等を脱ぎ捨て上裸 半ズボンとなり、帰る途中に買ってきたカップ麺を開けお湯を入れた。
「取り敢えず5分でシャワーを終わらせよ…」
そう言うと龍崎は全裸になり風呂場へと入った。
〜5分後
「ふぅ…」
龍崎は頭にタオルを乗せるとカップ麺を手に取り口に運んだ。
食べ終えた龍崎は電気を消すとカーペットに敷いた布団に倒れこむようにして睡眠に入った。
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翌日
今日は土曜で学校はない。俺は少し自然な風景を楽しみたく台東区にある上野公園へと来ていた。
「ふわぁ…」
俺は池の近くにあるベンチへ腰を下ろした。土日なのか子供が多く結構うるさかった。
まぁ学校に比べればどうってことはない。俺は買ってきたパンや飲み物を出し口にした。
「ふぅ…やっぱ公園は落ち着くな…」
そう垂れ流しながら俺は飲み物の蓋を開けた。
「隣 失礼するわね」
「お気になさらず〜」
飲みながら返事をしたから顔は分からないが声の質からしてまだ若い女性が俺の隣に座った。
ん?どっかで聞いた事のある声だな……
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たんたん坊の件から翌日
あれからというもの私の頭から人型妖怪の顔が離れる事はなかった。思い出す度によく分からない感情に見舞われた。
だから私は気分を安らげるために台東区にある上野公園へと来ていた。
「はぁ…変な感じ…」
そう垂れ流しながら歩いているとベンチを見つけた。先客がいたけどもまぁ一人だから大丈夫だろう。
「隣 失礼するわね」
私はそう言いながらそのベンチへと腰を下ろす。
「お気になさらず〜」
相手からも許可の声が返ってきた。声の質からしてまだ学生だろう。
さて 少し寝よう………ん?
この声どっかで………。
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するとお互いはゆっくりと顔を向けた。
「「あ」」