学戦都市アスタリスク ~冥王の帰還~   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

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プロローグ

かつての神代が終わって数千年。世界は統合企業財体と呼ばれる財閥が台頭し星脈世代と呼ばれる新人類が諸事情によって生まれ世界は回っていた。しかし、とある統合企業財体で働く予言者の魔女がこんな予言をした。

 

「かつて滅ぼされた冥王サウロンが復活する。かの冥王は自ら定めた理に従い、8つの心を持たぬ世界的大金持ち共を、人間の形をした機械は世界には数は要らぬとして討伐するだろう。8つの大金持ちの内2つは見せしめに滅ぼされ、生き残った6つは冥王にひれ伏し、配下として従う他なくなるだろう。滅びの山が主を迎えるべく火を噴く時こそ討伐が始まる合図である。」

 

これを聞いた某統合企業財体最高幹部達は他の統合企業財体と連携し、ロシアのゴルゴロス高原に軍を配置し、滅びの山が噴火する時を待った。噴火した途端に飽和砲撃・爆撃でバラド=ドゥーアのサウロンの城を破壊する手筈だ。冥王の死後世界遺産になっていたバラド=ドゥーアだったが、統合企業財体からすれば知ったことではない。サウロンを倒さねば自分たちが倒されるからだ。

 

 

そして滅びの山が火を噴いた。繰り出される攻撃。しかし、城には一切のダメージを与えられていない。攻撃の煙が晴れると、そこには禍禍しい黒鎧を着た者がいた。

 

「我が名はサウロン。貴様ら心なき金持ちを討伐しに甦った者。悪そのものたる我の願いを妨げる者を討伐しに来た。かかってくるが良い金持ちの犬共。冥王の戦い方を教えてやろう。」

 

そう言われて突撃する統合企業財体の精鋭兵たち。だがいくら星脈世代でも神代の冥王には敵わない。10分足らずの時間で全ての統合企業財体の軍は壊滅し、2つの統合企業財体はその日の内に滅びた。残る6つの統合企業財体は彼に和平交渉を持ち掛けた。すると、

 

「我は貴様らに力を示した。貴様らを隷とする為だ。和平も何もあるまい。貴様らが我に無条件で従うのだ。それとも貴様ら全員今すぐ滅ぼしてくれようか?」

 

「「「服従しますから滅ぼさないで!!」」」

 

となった。

 

冥王はE=P、W&W、銀河、フラウエンロープ、ソルネージュ、界龍の6つの生き残った統合企業財体に対し指輪を与えた。無論サウロンの「一つの指輪」の支配下にあり、服従の呪いがかけられた代物である。最後に冥王は

 

「貴様らは我から別命あるまで今まで通りにしているが良い。我は弟子を探す。神代に比べれば今の人間は弱すぎるが、鍛えれば光る石があるようだからな。後金儲けばかりしてないで慈善事業に少し手を貸してやるが良い。それで救われた者の中に貴様らに利をもたらす者がおろう。最後に一つ命ずる。我の存在を世間に広めないように手を尽くせ。我にはかつてのように世界を支配するだけの覇気がないからな。放浪の旅に出る。無名の方が何かとやり易い。」

 

そう言ってサウロンは灰となって消え去り、呆然とする各統合企業財体最高幹部達が残るのみであったという

 


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