第1話 何がが起こりそうな予感
「ペンデュラム召喚!現れろ!我が僕のモンスター達よ!」
天へと伸びる一対の光の柱。その中心に現れた輝くペンデュラムが魔方陣を描き出し、鮮やかな光と共にモンスターが現れる。
「雄々しくも美しく輝く二色の眼!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!」
「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンが相手のモンスターとバトルするとき、相手に与えるダメージは2倍になる!リアクション・フォース!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
僕は
舞網市はデュエル────遊戯王というカードゲームによる対戦────の技術がとても発展した街で、リアルソリッドビジョンという最先端の技術によりデュエルに質量を持たせることを可能にし、世界中の人々を熱狂させている。
と、ここまで説明したものの、僕自身は舞網市の地元民と言うわけではなく、この世界の住人ですらない。
そう、私は別の世界からやって来た転生者と言うやつなのだ。
高校の修学旅行で乗っていたバスが事故に遭い、目の前が真っ暗になったと思ったらいつの間にかここ舞網市、つまりは遊戯王ARC-Vの舞台に流れ着いていたと言うわけだ。アニメはVRAINSの途中まで見た筈だがストーリーはおろかメインキャラでさえ何かのコテ入れなのか全く思い出せず、最初に持っていたのは生前に使っていたデッキとデュエルディスクのみ。お金も何もなく茫然自失状態だった僕に、遊勝塾の塾長である柊修造さんの娘さんである柊柚子に声を掛けられ、拾われたと言うわけだ。柚子中学生とは思えないような美しいプロポーションで最初は少々興h…………おっと失礼。僕は性同一性障害と言う障害らしく、可憐な女の子の見た目でも中身はバリバリ男の子である。ベットの下にエロ本を隠していたりするのだが、バレたらどうなるかと思うと内心ヒヤッヒヤだ。まずエロ本を所持しなければいいのでは、と言う意見は聞こえない。
茶番はさておき、僕は今買い出しに出掛けている。先日の遊矢による未知の召喚であるペンデュラム召喚───僕は知っていた訳だが───によってか、遊勝塾に二人もメンバーが増え、しかも片方はお菓子が大好きとあって、買い置きの菓子類がすぐさま底をつき、何故か僕が買い出しを命じられたと言うわけだ。遊矢許すまじ慈悲は無い。エロ本が見付かったら遊矢に罪を被せてやる。
◇◇◇◇◇◇
無事スーパーで大量の菓子類を買い(重い)ジュース類を買い(重い)ついでに本屋で小説を10冊ほど買い(何のジャンルなのかは訊かないでほしい。あと重い)完全に女の子に持たせる量では無くなった荷物を抱え、やっとの思いで中間地点である公園へと辿り着く。ベンチには先客が一人──柚子や遊矢と同じくらいの年齢のポニーテールの少女だ。スパッツとかエロい──いるが、座れない訳ではない。
「あのー、隣失礼しますねー」
「む……あ、あぁ」
無事女の子の隣に座ることに成功する。間に荷物を置くなんて野暮な事はしない。
あぁ~いい匂い。疲れた身体が癒されるわ~
少女の膝の上にはカードの束が幾つか置かれている。デッキの調整でもしているのだろうか?
「ねぇ、君もデュエルするの?」
気になったので話しかけてみる、と言う名目で仲良くなろうと話しかけてみる。共通の話題は大事だ。
「…………あぁ、そうだが。お前もするのか?」
「うん」
「っ、そうか!」
ポニテ少女はパァッと顔を輝かせてこちらに顔を向ける。よく見たら柚子に超似てる、というかまんま柚子だった。でも柚子はいま遊勝塾にいる筈だし、他人の空似かな?まあ、柚子と同じ顔ってことはとてつもなく美少女ってことだ。今の挙動も含めてかわいい上にかわいく、かわいさがオーバーキルである。そうか、この子が女神か。ウッ、鼻血が。
「?どうした?」
「いや、なんでもないよ……。君、名前は何て言うの?」
自然な流れで名前を訊く。やっぱり僕コミュ力高いね。
「私か?私はセレナだ。お前は?」
「あぁ、ぼ……私の名前はね、」
とそこで、僕のデュエルディスクに着信が入る。こんな良いときに空気の読めないヤツめ…………
「はい、もしも『ちょっと、遅いよ!僕お腹空いてるんだから早くして!……プツッ、ツー、ツー、』……はぁ」
ほんと、あの甘党融合使いは世話が焼ける。まためんどくさいのが入ってきたもんだ。
「ごめん、セレナ!今直ぐ帰んなきゃだから、それじゃね!」
「あっ、」
急いで荷物を抱えて公園を飛び出す。しばらく走って、はたと気付く。
「あ゙あ゙!連絡先交換すんの忘れた!」
一方、公園に取り残されたセレナは。
「結局名前訊いてない…………」
この二人の出会いが物語を動かすのは、もう少し先の話。
「藤」木+「Ai」→藤愛
遊作→遊+作→「ゆ」+「ふか」→ゆふか→ユウカ
え?デュエルシーンがない?あるじゃん、最初の方に。
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