──以下言い訳──
いやぁ僕、前投稿からこれまでハリポタSS2つ読破してたんですけど、ハリポタSSのあの引き込まれていく感じと地味に長く続く感じは僕をダメにします。
「おっそ~い!」
僕は現在水色の髪を後ろで束ねた小柄な少年───紫雲院素良のお叱りを受けている。理由は明白、菓子を買って帰ってくるのが遅かったからだ。
「こ、これには深い訳が……」
「その手は通じないよ。どーせ可愛い女の子でも見付けて話し掛けてたんでしょ」
「うぐっ……」
素良は見事僕がどのようにして道草を食っていたかを言い当てる。
僕は素良が少し苦手だ。顔を会わせるなり僕の心のイレギュラーを見抜き、僕が相当な性欲魔神だと言うことも知られている。流石に何にも知らない他の遊勝塾のメンバーには言っていないようだが。デリカシーはあるらしい。現にこの説教も他の皆がお菓子を食べて出払った後だしね。
「もう皆に言っちゃえば良いのに」
「それはさぁ、その、社会的な問題があると言いますか?」
「面倒だねぇほんと。そんなに気になるの?」
素良はつい最近入った遊勝塾のメンバーであり、遊矢に弟子入りを求めるもデュエルに敗北しそれは叶わず、ならばと遊矢の友として遊勝塾に入ってきた。
僕の睨みでは、素良もまた何らかの闇、とまではいかなくとも隠し事をしている。まぁ僕の勘なんて信用できるものじゃないけどね。
「そう言うもんだよ。あとそれを言っちゃうとせっかく沢山の女の子達と仲良くなったのが台無しになる」
「…………ユウカはやっぱりユウカなんだって改めて認識させられたよ」
酷くない?僕男の子なんだからしょうがなくない?女の子と仲良くしたいっていうのは男の子の性じゃない?
◇◇◇◇◇◇
それから数日後。
なんか遊矢が沢渡って奴と色々あったり、柚子がどうたらこうたらしただかなんかして、いつの間にか素良が柚子に融合を教える流れになっていた。因みに僕は柚子に教える上での相手役として、今回素良に呼び出されている。僕働きすぎ。しかし女の子のためと言われると断れない辺り、僕はやっぱり女の子が大好きである。健全で何よりだ。
「じゃあユウカ、準備はいいね?」
「オッケー」
「「デュエル!!」」
ユウカ LP4000手札5
素良 LP4000手札5
「先攻は私か…………まずは手札から、永続魔法『黒の魔導陣』を発動!」
僕のフィールドに、不思議な文字が描かれた魔方陣が出現する。
「その効果で、発動時デッキトップを3枚めくり、その中にブラック・マジシャンまたは『ブラック・マジシャン』とテキストに書いてあるカードがあれば手札に加える!……私はブラック・マジシャンを手札に!他のカードは好きな順番でデッキの上に戻す」
ユウカ 手札4→5
「そして手札より、『マジシャンズ・ロッド』を召喚!」
マジシャンズ・ロッド ATK1600
フィールドにモンスターが召喚される。と言ってもただの仰々しい杖だ。
「その効果で、デッキから『ブラック・マジシャン』のカード名が記された魔法・罠カードを一枚手札に加える!私は罠カード『マジシャンズ・ナビゲート』を手札に。……カードを2枚伏せ、ターンエンド」
ユウカ LP4000 手札5
「僕のターン!ドロー!」
素良 手札5→6
「僕は手札から、永続魔法『トイポット』を発動!」
素良のフィールドに舌を生やしたガチャガチャの様なものが現れる。
「そして効果!手札を1枚捨て、デッキから1枚ドローする!」
素良 手札5→4→5
「ドローしたカードが『ファーニマル』モンスターなら、手札から『ファーニマル』モンスター1体を特殊召喚できる!そうでないなら捨てるけど。僕がドローしたのは『ファーニマル・オウル』!そのまま特殊召喚!」
ファーニマル・オウル ATK1000
続いてフィールドに降り立つのは賢そうなフクロウのぬいぐるみ。天使のように愛らしい姿だが、こんな可愛いモンスターも素良のデッキでは鋏で引き裂かれたあげくバイオレンスな悪魔と化すのかと思うと可哀想になってくる。どうか鋏の餌食になりませんように。
「オウルの効果!このカードが手札から特殊召喚されたとき、デッキから『融合』を手札に加える!そして発動!僕が融合するのは、フィールドのオウルと手札の、『エッジインプ・シザー』!」
『融合』によって出現した渦に2体のモンスターが吸い込まれ、フクロウの体を鋏が切り裂く。
「融合召喚!現れ出ちゃえ!デストーイ・シザー・ウルフ!」
デストーイ・シザー・ウルフ ATK2000
そして現れる禍々しい悪魔。引き裂かれた狼のぬいぐるみの中から赤い眼光が覗く。
「柚子、これが融合召喚だよ。魔法カード『融合』を発動して、その効果で自分のフィールド、手札から融合素材モンスターを墓地に送って、エクストラデッキから融合モンスターを特殊召喚するんだ…………それじゃバトルに移るよ!デストーイ・シザー・ウルフはその効果で、融合素材にしたモンスター1体につき1度攻撃できる!融合素材は2体!よって2回攻撃できる!僕はデストーイ・シザー・ウルフでマジシャンズ・ロッドを攻撃!そしてダイレクトアタック!」
「ぐっ……」
ユウカ LP4000→3600→1600
「僕はカードを2枚伏せる」
「罠発動!『マジシャンズ・ナビゲート』!手札から『ブラック・マジシャン』を特殊召喚!」
ブラック・マジシャン ATK2500
フィールドに魔方陣が描かれ、黒き魔法使いが召喚される。
「さっき手札に加えてたやつか……」
素良が悔しそうな顔をする。
「そゆこと!さらに、デッキから魔法使い属の闇属性モンスターを1体特殊召喚できる!私が特殊召喚するのは『ブラック・マジシャン』!」
ブラック・マジシャン ATK2500
「1度に2体も!?」
デュエルを見ている柚子が驚く。
「まだまだ!『黒の魔導陣』の効果!『ブラック・マジシャン』が召喚、特殊召喚されたとき、相手フィールドのカード1枚を除外する!私は伏せカードと『デストーイ・シザー・ウルフ』を除外!さらにここで手札の『マジシャン・オブ・ブラックイリュージョン』の効果発動!相手ターンに自分が罠を発動したとき、このカードを特殊召喚できる!」
マジシャン・オブ・ブラックイリュージョン ATK2100
フィールドを崩壊させられても、素良の顔にはまだ余裕がある。恐らく残った伏せカードには逆転の可能性があると言うことだろう。
「やっと終ったか……全く、相手のターンに上級モンスターを一気に3体特殊召喚して相手フィールドを更地にするとか、友達なくすよ。僕はこれでターンエンド」
素良 LP4000 手札1
「余計なお世話だよ!私のターン、ドロー!」
ユウカ 手札2
「私は罠カード『永遠の魂』を発動!」
カードの発動とともに、フィールドに巨大な石碑が現れる。
「そして効果!デッキから『黒・魔・導』を手札に加える!そして発動!フィールドに『ブラック・マジシャン』が存在するとき発動できる!相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」
2体のブラック・マジシャンとマジシャン・オブ・ブラックイリュージョンが黒い魔力の弾丸を放ち、素良のフィールドにあるたった1つの伏せカードを破壊する。見た目は明らかにオーバーキルである。まあ、詰めるときは徹底的に詰めるのがスタイルだから。性格悪いとか言わないで。
「うっそぉ……」
素良があんぐりと口を開けている。いや、自分でやっておきながらめちゃくちゃ可哀想。
「2体のブラック・マジシャンでダイレクトアタック!黒・魔・導!」
素良 LP4000→1500→0
◇◇◇◇◇◇
「何もわざわざ追い出さなくても……」
素良とのデュエルが終わると、そのまま追い出されてしまった。何でも『ユウカは加減を知らないから、こっちが柚子に融合を教えようとして引き延ばしてるのにそれに構わず攻めてくるから全く話にならない』らしい。これでもサブのデッキで加減した方なんだけどなぁ。
「ん?こんなところにカードが…………ってうわ!?」
道端にカードが落ちていてラッキーと思い拾ってみると、恐怖に目を見開いた人間のイラストだった。というかこれ……LDSの塾生?
カードを拾って周りを見渡すと、怪しい人影がひとつ。
「ちょっと待って!」
怪しい人影に声を掛ける。
「何だ」
声からして男か。それにしても…………冬でもないのにコートは少し暑くない?
「これをやったのは、君かな?」
そいつにカードを見せる。
「っ!貴様、もしやLDSの者か!」
「えっ、ちょっ」
僕は何も言ってないのに勝手に自己簡潔した。えぇ…………
「LDSなら問答無用!デュエル!」
「えぇ…………デュエル」
めんどくさいのに捕まった…………
今回はユウカが素良をいとも簡単に倒していましたが、素良は本気を出さない上で柚子に融合を教えるため力は抜きまくり、ユウカもユウカでサブのデッキなのでどちらが強いかはまだ分かりません。
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