次元を導くサーキット   作:島知真

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サイバースデッキ回すの楽しい。


第3話 嵐と重力と勘違い

「デュエル!」

 

「デュエル」

 

どうも、なんか変なのに絡まれてデュエルを挑まれた藤愛ユウカです。

─────それにしても、状況からみてこの人がカードになっているLDS生をデュエルで打ち負かしたのだろうが、LDSの塾生は基本みんな優等生なのだ。先日遊勝塾の遊矢がLDSの沢渡とか言う輩に勝ったが、あれはただ遊勝塾には下手なLDS生には負けない者が揃っているだけで、別に沢渡が雑魚い訳ではない。むしろ沢渡はLDSの中でもかなりトップクラスの実力者だ。まあ僕からすればそんなに変わらないが。

まあこの不審者はLDSの塾生を下しただけでなく如何なるテクノロジーによってかは知らないが人間をカードにすることを可能にしている。警戒するに越したことはないだろう。遊びで組んだブラマジデッキじゃなく本気のデッキを使った方が良さそうだ。

デュエルディスクには対戦相手の名前が表示される。『SHUN』……『シュン』か。相手の持っているデュエルディスクは見たことのないものだが、こうしてしっかりデュエルが出来ると言うことはシステム上の問題は特に無いのだろう。

 

ユウカ LP4000 手札5

シュン LP4000 手札5

 

「私のターン!手札からフィールド魔法『天空の虹彩』を発動!そして『EMドクロバット・ジョーカー』を召喚!」

 

EMドクロバット・ジョーカー 星4 ATK1600 

 

フィールドの上空に輝く魔方陣が現れ、それに続いてフィールドに『EM』のピエロが降り立つ。

 

「ドクロバット・ジョーカーの効果で、デッキから『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』を手札に加える!そして天空の虹彩の効果!ドクロバット・ジョーカーを破壊し、デッキから『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』を手札に!」

 

さぁて、早く帰りたいし初っぱなから飛ばしちゃいますか。

 

「さぁ、ここからがShow timeだよ!まず私は、手札のスケール1の『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』とスケール8の『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

2体のオッドアイズが空へと浮かび上がり、その2柱の間に現れたペンデュラムが魔方陣を描き出す。

 

「これで、レベル2から7のモンスターが同時に召喚可能!揺れろ、導きのペンデュラム!光のアークよ、我が未来を映し出せ!ペンデュラム召喚!現れよ、我に仕えしモンスター達よ!まずは、幻想を映す二色の眼、『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』!そしてEXデッキから甦れ!『EMドクロバット・ジョーカー』!」

 

オッドアイズ・ファントム・ドラゴン 星7 ATK2500

EMドクロバット・ジョーカー 星4 ATK1600

 

「ペンデュラム召喚だと!?」

 

シュンくんはペンデュラムを見たことが無いようだ。遊矢のストロング石島戦見てないのかな?

 

「さらに、私は手札から魔法カード『螺旋のストライクバースト』を発動して、デッキから『EMオッドアイズ・ディゾルヴァー』を手札に加える。私はこれでターンエンドだよ」

 

ユウカ LP4000 手札0

Pゾーン 2 1-8

 

「俺のターン、ドロー!」

 

シュン 手札5→6

 

「ペンデュラム召喚……初めて見るな。スケールの間のレベルを持つモンスターを一度に複数特殊召喚する召喚法か。しかしドクロバット・ジョーカーは天空の虹彩の効果で破壊された筈。何故特殊召喚できる?」

 

シュンくんが疑問を口にする。ペンデュラム召喚の仕組みのほとんどを一瞬で見抜いただけでもかなりのものだけど、まあこれは初見じゃ分からないか。遊矢でも素良のズタズタくまちゃんの効果のトリガーをヒントにしないと分からなかったし。

 

「ドクロバット・ジョーカーみたいなペンデュラムモンスターは、フィールドを離れるとき、墓地に送られる代わりにEXデッキに表側表示で加わるんだ。で、ペンデュラム召喚は手札のモンスターだけじゃなくて、EXデッキの表側表示のペンデュラムモンスターも特殊召喚出来るってわけ。分かった?」

 

「成る程、幾ら破壊しようとも甦るとは強力な召喚法だ。これまでのLDSの輩にペンデュラムを使う者は居なかった。つまり貴様はLDSの中でもエース級の実力者と言うわけだ。貴様を倒せば、今度こそ赤羽零児を誘き出せる」

 

「いや私LDSじゃないし…………そうだな、それじゃあ、私が君に買ったら私をLDS生じゃないと認めてほしい。その代わり、私が負けたらカードにでもなんでも好きにするといいよ」

 

言ってからはたと気付く。僕体は女の子じゃないか。負けたら何されるか分かったものじゃないな。負ける訳にはいかなくなった。まあカードにされるの嫌だし最初から負ける気は無いけど。

 

「ふん、LDSの輩などには負けん。俺は手札から、『RR-バニシング・レイニアス』を召喚!」

 

RR-バニシング・レイニアス 星4 ATK1300

 

「そしてその効果で、手札より2体目のバニシング・レイニアスを特殊召喚する!」

 

RR-バニシング・レイニアス 星4 ATK1300

 

「さらに2体目のバニシング・レイニアスの効果で、3体目のバニシング・レイニアスを特殊召喚!」

 

RR-バニシング・レイニアス 星4 ATK1300

 

瞬く間にフィールドへと3体の鳥が舞い降りる。プレイングもさることながら、初手の手札がかなりいい。運も実力の内ってことかな。

そしてフィールドにはレベル4が3体──────来るか。

 

「俺は3体のバニシング・レイニアスで、オーバーレイ!雌伏のハヤブサよ!逆境のなかで研ぎ澄まされし爪を挙げ、反逆の翼翻せ!エクシーズ召喚!現れろ!ランク4『RR-ライズ・ファルコン』!」

 

RR-ライズ・ファルコン 星4 ATK100

 

攻撃力100……いや、ここまでしてその程度で済むわけはないだろう。

 

「ライズ・ファルコンの効果!1ターンに一度、このカードのORUを1つ使い、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体の攻撃力分だけライズ・ファルコンの攻撃力をアップする!俺はライズ・ファルコンの攻撃力をお前のオッドアイズ・ファントム・ドラゴンの攻撃力2500アップさせる!」

 

RR-ライズ・ファルコン ORU3→2 ATK100→2600

 

「くっ……」

 

確実にこっちの攻撃力を上回ってくるって訳か。それに加え永続効果と来ている。なかなか面倒だね。

 

「バトル!ここでライズ・ファルコンの効果!ライズ・ファルコンは、相手の特殊召喚されたモンスター全てに攻撃できる!オッドアイズ・ファントム・ドラゴンとドクロバット・ジョーカーに攻撃!ブレイククロー・レボリューション!」

 

「私は手札の『EMオッドアイズ・ディゾルヴァー』の効果発動!このカードを特殊召喚し、このターン、ファントムは破壊されない!」

 

EMオッドアイズ・ディゾルヴァー 星8 DEF2600

 

「だがダメージは受けて貰う!」

 

赤く燃え上がるライズ・ファルコンが、ドクロバット・ジョーカーとファントムを貫く─────

 

「ぐ、うぅぅぅぅぅ!?」

 

ユウカ LP4000→3000→2900

 

突然体を痛みが駆け巡る。自分の体を見てみると、あちこちに傷ができていた。何故、ソリットビジョンは発動していない筈─────向こうのデュエルディスクの機能か?

 

「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

シュン LP4000 手札1

 

「私のターン、ドロー!」

 

ユウカ 手札0→1

 

ソリットビジョンがなくともダメージに質量が伴うと分かった以上、今後相手の攻撃には気を付けなければならないか。だったら、手っ取り早く終わらせるまで。何より早く帰りたい。

 

「天空の虹彩の効果発動!ファントムをリリースし、『オッドアイズ・アドベント』を手札に加える!そして、セッティング済みのペンデュラムスケールでペンデュラム召喚!EXデッキから甦れ!『EMドクロバット・ジョーカー』!幻想を映す二色の眼!『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』!」

 

フィールドに3体のペンデュラムモンスターが並ぶ。でもこれだけで終わらせるつもりは毛頭無い。

 

「オッドアイズ・ディゾルヴァーの効果!このカードと、ペンデュラムゾーンのカード1枚で融合召喚を行う!」

 

「融合…………!」

 

融合召喚というワードを聞いた瞬間シュンくんの顔が歪む。嫌な思い出でも有るのだろうか。

 

「私が融合するのは、オッドアイズ・ディゾルヴァーとペンデュラムゾーンの『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』!闇夜に輝く二色の眼達よ!今こそ交わりて、新たなる力へと生まれ変わらん!融合召喚!現れろ、疾風纏いし二色の眼!レベル7『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』!」

 

オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン 星7 ATK2500

 

フィールドに新たな『オッドアイズ』のドラゴンが召喚される。そしてその効果は────正に疾風。

 

「ボルテックスの効果!このカードが特殊召喚に成功したとき、相手の攻撃表示モンスター1体を手札に戻す!ライズ・ファルコンには控え室に戻って貰うよ!」

 

「罠発動!『RR-レディネス』!ライズ・ファルコンはこのターン、破壊されない!」

 

ライズ・ファルコンに破壊耐性を与えた………?すぐにEXデッキに戻るのに何故?まあ考えても仕方がないか。

これでライズ・ファルコンの除去は出来た。あとは後ろの伏せカード。

 

「まだまだ!私は手札から儀式魔法『オッドアイズ・アドベント』を発動!フィールドのファントムをリリースし、儀式召喚!二色の眼の竜よ!捧げられし贄を糧とし、大いなる大地を揺り動かせ!現れろ、レベル7『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』!」

 

オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン 星7 ATK2800

 

フィールドに次なる『オッドアイズ』が降臨する。ボルテックスの効果を疾風と例えるならば、グラビティの効果は、相手にとって満足に動くことも出来ない重厚な枷となる。

 

「グラビティの効果!このカードが特殊召喚に成功したとき、相手の魔法・罠カードを全て手札に戻す!」

 

「何!?」

 

これで相手を守るものは何も無くなった。そろそろ勝負を決めようか。

 

「さぁ、バトルだよ!グラビティでダイレクトアタック!震撃のクエイク・ストライク!」

 

「墓地にあるレディネスの効果!墓地にRRモンスターが存在するとき、このカードを除外することでこのターン受けるダメージを0にする!」

 

成る程、墓地で発動する効果か。それならさっき意味もなくライズ・ファルコンに効果を使ったのも頷ける。最初から墓地に送ることが目的だったか。

 

だが──────詰めが甘い。

 

「甘い!ボルテックスの効果発動!1ターンに一度、このカード意外の効果が発動したとき、EXデッキの表側表示のペンデュラムモンスターをデッキに戻し、その効果を無効にする!」

 

「何!?ぐぁぁぁぁぁぁ!」

 

シュン LP4000→1200

 

「さぁ、フィナーレだ!ボルテックスでダイレクトアタック!烈旋のストームストライク!」

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

シュン LP1200→0

 

 

ふぅ、終わった。

 

「よし、私がデュエルに勝ったから、私はLDS生じゃないって認めてね─────────ってあれ?いない。帰っちゃったかなー」

 

いつの間にかいなくなっているシュンくん。まぁ、そこそこ楽しいデュエルだったかな?でも本気を出すにはちょっと足りないかなぁ。

 

「それにしても────これ」

 

私は落ちているカードを拾い上げる。

 

「やっぱ人がカードになってるよなー。どんなテクノロジーなんだろ」

 

カードをくまなく調べてみる。カードの色は通常モンスターで、レベル、攻守の表示は無し。───────お世辞にも使えるカードとは言えない。なんのためにカードなんかに?

 

 

 

「見付けたぞ!」

 

誰か男の人の声と共に、私の回りをデュエルディスクを構えた大人達が包囲する。

 

「貴様がLDSの人間をカードにして回っている犯人だな!今すぐ投降しろ!」

 

「───────え?」

 

どうやら僕の受難はまだまだ続くようだ。

 




藤愛ユウカ

遊矢、柚子と同じ中学校に通う少女。遊勝塾の塾生であり、現在は柊家に居候中であり、そんな中エロ本を部屋に隠し持つと言う何とも精神の強い、否、性欲に勝てない人間性を持つ。素良には男の心を持っていることがバレているため、苦手意識を持っている(と本人は思っている)。女好きなのでガンガン女の子に話し掛ける上、中身は男なので男とも遜色無く会話できる。正にコミュ力の塊である。
使用デッキ→オッドアイズ?





エースのファントムくんが攻撃を1度もすることなく、役割がライズ・ファルコンの攻撃力上昇とグラビティくんの生け贄というまさかの事態。次のデュエルでは活躍させてあげたい。
ユウカくんのデッキはまだまだ本領を発揮していません。タイトルから皆さん分かると思いますが、今作では主人公はある召喚法を使うことになってるので、まだ本気の20%くらい。それでも2ターン目で黒───シュンくんを下してしまうのだからかなり強い子です。




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