茜「ボンバー!!」
快活な声が晴れ渡った公園に響き渡り、用意していた白線を橙色のきらめく髪が力強く駆け抜けていく。それを皮切りに、悔しそうな表情を浮かべる少女や、息も絶え絶えなメンツが続々とその白線を越えて行って力尽きたように芝生へと倒れ込んでいく。
美穂「体力には、自信があったのに、最後まで追いつけませんでした」
茜「ふふん、私。昔から駆けっことマラソン、タックルにかけては負けた事がないのです!!ですが、美穂さんの食いつきに久々に冷やりとしました!!流石です!!」
美穂「え、えへへへ、茜さんも凄かったです」
爽やかに笑いあってお互いの健闘をたたえ合う美少女達の輝かしさに思わず目を眇めてしまう。なに、なんならこのままカメラに収めてCMに使っちゃえそうなくらいに爽やかな空間だ。なんなんこの人たち。あ、アイドルだった。
まゆ「あら、まけちゃいましたねぇ?」
幸子「ふへ、ひぃ、せ、世界いち可愛い僕が、遅れを取るとは」
小梅「あ、あついなぁ」
瑞樹「ふう、運動は欠かした事はないのだけど、やっぱり張りあうのはきついわ―」
美嘉「はぁ、はぁ、ちょ、誰か、げっほ。水…ちょうだい、げほ」
その爽やか空間のちょっと横に目をやれば思い思いに力尽きている彼女達に苦笑を洩らしつつ、それぞれの記録を記して行く。今まで実施してきた各種目に目を通して行くと、まあ、概ね予想通りな順位だろう。
文句なしのトップには日野と小日向。運動経験者とスクールに通っていた事もあるのだろうが、ソレにしたってこの記録ならばアスリートとしても十分やってイケそうなレベルである。次点では、佐久間・幸子・小梅が並んでいる。彼女達の年齢では平均的な記録ではあるので問題はなさそうだ。その次は、まあ、年齢にしては好タイムな川島さんと平均より軒並み下回ってる城ヶ崎。だが、それより問題なのは――――
ルキトレ「文香ちゃん、頑張って!!ゴールは目前だよ!!」
文香「フーフー、カヒュ、ケホケホ、ヒューヒュー」
もはやルキトレさんの肩に寄りかかりながら生命の危険すら感じる呼気を漏らして這ってくる鷺沢を見て眉間が痛くなってくる。運動公園を五周という簡単なノルマでまさかの未達成者が出てくるとは思いもしなかった。
ルキトレ「文香ちゃん!!ゴールよ!!アナタはいま、やり切ったのよ!!」
文香「ヒューヒュー、もう、立ち止まっても、いいのでしょうか?ゲッホ」
茜「うおーー!!ナイスガッツです!!文香さん!!」
美穂「感動しました!!私、大切な何かを学びました!!」
幸子「僕には及びませんが、なかなかの走りでしたね!!」
小梅「お、おめでと」
瑞樹「いいわ!これこそフレッシュさね!!」
そして、達成されていないにも関わらずフルマラソンを走り切った様な歓声と賞賛が彼女を包み、ルキトレさんが大粒の涙をこぼしつつ鷺沢に力の限り抱きしめている。……なんだこれ。そんな大騒ぎをしている彼女達に雷を思わせる様な一喝が響き渡る。
「なにを馬鹿な事やっている!さっさとストレッチに移れ!!あと、文香には酸素を吸入しておけケイ!!」
「「「「「「は、はい!!」」」」」」」
持っていたハリセンを鳴り響かせ轟いた一喝。たったそれだけで従順にストレッチに移って行き、そんな彼女達に細かい指導をしていた妙齢の女性がこちらにやってきて記録帳を寄こすように手を伸ばす。
八「お疲れ様です。マストレさん」
マストレ「うむ、記録御苦労。……まあ、こっちは順当な所か。」
八「意外と焦りもなさそうっすね?」
記録にざっと目を通した彼女はなんてことないようにそう呟くのを聞き、少々意外に思ってしまった。上位はともかく、川島さんの年齢差や、鷺沢の体力の無さにもっと渋面を浮かべるものだと思っていた。そんな内心が漏れ出ていたのか彼女は軽く笑って記録帳を肩にあてて答えてくれる。
マストレ「ある程度はプロフィールを貰った時に覚悟はしていたからな。文香も持久力がないだけで筋力値だけを見ればトップクラス。時間はかかるがやり様はいくらでもある。それに、これだけで決まらないのが”アイドル”の難しい所だ」
八「…といいますと?」
マストレ「ボイストレーニングやダンスレッスンも午前中にやってみたがな、経験者の美穂を除けばダンストップはまゆと美嘉。ボイスは瑞樹と文香がトップだ。茜は鋭さがあっても大雑把。幸子はまだ音程のコントロールが未熟。まあ、それぞれに課題はあるものの、どれも素材としては中々悪くない」
”もちろん、トレーナー泣かせな個性だがな”と笑う彼女にこちらも苦笑を洩らしてしまう。日本どころが、世界からも声が掛かるほど優秀な彼女がこう太鼓判を押してくれているのだから素人の俺よりずっと安心できる。
「アナタにそういって頂けると私も安心できますね」
マストレ「む、嫌な奴が来たな。面倒事を毎回持ち込んでくるお前が言えた義理ではないだろう、武内」
後ろから掛けられた声に振り向けば鋭い眼光を携えた偉丈夫と、その後ろで手を振る楓さんが朗らかに笑っている。あけすけな嫌味の割には棘がなく冗談だと分かるその口調に武内さんは首に手を添えながら苦笑してこちらに近づいてくる。
武内P「そう言われると耳が痛い限りです。ですが、まあ、彼女達の個性を潰さずに伸ばしてくださる優秀なトレーナーの知り合いなどアナタしかいないのです。そして、それを疑った事は一度だってありません」
マストレ「…これだよ。無自覚で毎回こんなことを女に言って回る癖をそろそろ直したまえ。刺されてからでは遅いぞ、なあ、楓?」
楓「ふふふ、流石は刺す側は言う事が違いますね…ふふ、まあまあの出来ですね」
マストレ「なんだ、そんなにレッスンに禁酒制限を設けて欲しかったのか?早く言ってk「あっ!私、皆に差し入れ持ってきますねー!!」……ちっ、逃げたか」
ワザとらしく舌打ちして悪態を吐く彼女に思わず俺と武内さんが笑ってしまう。いつものお決まりと言えばそうだが、最近忙しかったせいで随分と久しいそのやり取りにちょっとだけ気持ちが和らぐ。そうして、ひとしきり笑った所で武内さんは遠くで差し入れに色めき立つ彼女達に目を向け、真剣な表情に切り替える。
武内P「素質に疑いはありません。…青木さん。アナタが付きっきりで指導するとして、彼女達をステージに上げられるのはどれくらい掛かりそうでしょうか?」
その真剣な問いかけに朗らかに笑っていた彼女は胡乱気な視線をこちらに向けて深くため息をつく。
マストレ「どんなに詰め込んでも3カ月はかかるだろうな。…脱落者と個性のすり潰しを容認すれば、もう少し早まるがね?」
武内P「いえ、それでも十分に早すぎる程の工程でしょう。半年から一年すら覚悟していましたから。後者の方法を選ぶならば、私はあんな無茶をする必要など無かった」
試すように投げかけられたその問いと視線に、真っ直ぐに返す武内さんは小さく微笑んだあとで深くため息をついてその胸に指を突き立てた。
マストレ「半年も一年も成果なしで周りを納得させられるような状況では無い事は百も承知だろう。馬鹿者」
武内P「それは私の都合であって、彼女達に無茶をさせる理由にはなり得ません」
マストレ「…はぁ。君は本当に変わらないな。―――二ヶ月だ。あくまで、バックダンサーとしての出演に限るなら二ヶ月でステージに立てるようにしてやる。ソロでのステージやライブに上げるにはやはり三カ月はかかるが、まあ、場馴れと実感を持つにはちょうどいい誤差だろう。それに、あまり楓だけを長いこと表舞台に上げているというのもプロジェクトとしては問題があるだろう」
武内P「―――心遣い、感謝します」
胸に突きたてられた手をそのまま握り、深く頭を下げる武内さんにマストレさんは鬱陶しげに手を払って邪険にするがその頬は楽しげに緩められていて楽しげだ。
春も賑やいで来た公園には若々しい新緑の匂いが立ちこめ、姦しく楽しげな少女達の声と共に風がそれらを運んでいく。
きっとこれから始まる事の中にはつらい事だって、苦しい事だって山ほどある筈だ。だが、どうか、その先に今日の様な穏やかな日がまっているようにと願って俺は小さく目を瞑った。
―――――――――――
さてはて、そんな感動的な体力測定も終わって本日最後のイベント”収録見学”へと向けての準備をするために姦しい彼女達を移動用の車両に詰め込んで一旦、本社のシャワー室へと送り届ける。女の人特有のいい匂いが残る車内に落ち着かない気分になりながら彼女達をまち、ゾロゾロと出て来た彼女達をまた詰め込んで車を走らせる。あれだけ動いてくたびれ切っていたはずなのに、お出かけとなると女性の体力は別口の様で、車内は彼女達の会話が途切れる事がない。普段は無口に近い鷺沢まで言葉を交わし笑いあっているのだから、少々意外であった。
思い返せば、大学に上がったばかりの頃に雪ノ下や由比ヶ浜、小町など知り合いを乗せて旅行に行った時も女性陣は常に会話が絶えなかったのだからそういうものなのかもしれない。男と違い、女性に備わる華やかさが彼女達にそうさせるのだろう。なんとなく、そんな事を考えつつ彼女達の声をBGMに車を走らせていれば目的地が見えてきて、緩やかにスピードを落としてパーキングへと入って行く。先に現場入りしている武内さんにメールを送って見ればもう入っても大丈夫とのこと。
八「分かってると思いますけど、収録とはいえ騒がしくしない様に。あと、今から渡す名札は必ず見える所に着けて、纏まって行動をお願いします」
全員「「「はーい」」」
素直な御返事に頭ン中で花丸をつけつつ、それぞれに”スタッフ”と書かれた名札を配って確認。問題がなさそうだと判断すると、ゆっくりと収録しているはずの箱を目指して歩き始める。ぞろぞろと広くはない廊下を歩いていると背中を軽くつつかれ、歩みを止めないまま振り返れば城ヶ崎が落ち着かなそうな様子で後ろに付いていた。
八「なんだよ、トイレか?」
美嘉「違う!!」
だから騒ぐなっちゅうに、と目線に載せて訴えかけてみれば納得いかなさそうに憤然とした彼女がこちらを睨んでいる。からかいがあって大変結構なのだが、今は用件だけを簡潔に済ませる事にする。
八「で、なんだ?」
美嘉「…いや、この前に聞いた話の割には楓さんがテレビにもう出てるって事はそこまで切羽詰まってないのかって聞きたくて」
ちょっとだけの気まずさと安堵がないまぜになった様な顔に期待する様な色が混じった視線。その視線になんと答えるべきか思案してみるが、どうにもなんと説明するべきかは上手い事出てこない。なので、知ってる事実以外は勝手に補って貰う事にした。
八「テレビって言っても深夜のちょっとした時間にやってる小さな番組だ。それだって地道にやって、必死に頭を下げて入れさせてもらってるってんだからなんとも云えん。それに、そっから先はお前が楓さんを見て自分で決める事だろうからな。そのための見学なんだろ?」
美嘉「…説明になってないんだけど」
八「説明してないからな―――もう着くぞ。後は自分で判断してくれ」
俺の方に不満げな視線を向けてくる彼女に苦笑を洩らしつつ、赤いランプの点いた扉をこじ開ける。一瞬だけスタッフ陣の視線がこちらに集まるのを感じるが、すぐさまそれは霧散して彼らは収録中の番組へと意識を戻して行く。音を立てない様に静かに室内に全員を入れれば、武内さんが静かに手招きをしてスタジオが見る事のできる場所に呼んでくれたのでそちらに集まり、用意されていた椅子に腰下ろした。
八「もう、そろそろですね。楓さんは大丈夫そうでしたか?」
武内P「…”利口かつ狡猾に、こう勝つってなもんですよ"との事です。大丈夫かちょっとだけ不安になってきました」
俺の問いかけに苦笑しながら首筋を抑える武内さんに思わず肩を落としてしまう。ていうか、あのギリギリのギャグセンスさえなければ文句なしの絶世の美女なのになぜこうもちょくちょく残念なのか…。痛む頭を抱える俺に武内さんは笑いつつも言葉を掛ける。
武内P「まあ、ここまできたら我々が出来る事もありません。信じて待つより無いですし…彼女ならばきっと輝いてくれるでしょう」
そう短く言葉を紡いだ彼の顔には揺るがぬ信頼と見守る強さが見てとれ、俺としては溜息を吐くしかない。そんな顔を浮かべてなにが”不安”なのだか。俺の呆れを余所に司会者の声が彼女の名前を呼び、ステージの明かりが落とされる。
真っ暗になったステージにただ一点、輝く淡いその光。
魔法使いが全てを擲って守ったその微かな灯は人々にどんな篝火を灯すのか。
今はただ、見守ろう。
――――――――――――――――
名前を呼ばれた瞬間にスタジオの照明を一身に受け、ちょっとだけ目を眇めてゆったりと周囲を見回す。たくさんの機材に、怖い顔をしたディレクターさん。心配そうなスタッフさんに、期待と不安を織り交ぜた様な仲間達。
その中で、一個だけ揺るがないでこちらを見つめる視線とかち合う。楽しそうに、嬉しそうに。普段の厳めしさからは考えられないくらい無邪気な顔でこちらを見てくるその人。
笑う事を長らく忘れてしまっていた私に、”アナタの歌が聞きたいと”顔を真っ赤にして迫って来た不思議な人。
結構な苦労をしてここまで来た気もするが、そんな顔をしてくれるならばその甲斐だってあったのだろう。そう思って、くすりと笑った所で伴奏が大音量で流される。ソレに合わせて大きくなる胸の高鳴りの原因は完全に私的な感情によるもの。そんな不謹慎な自分にもっと笑いそうになって何とか噛み殺す。
だがまあ、丁度いい。今から歌う曲を歌うにはこれくらい自分に酔っていた方がよい。なんせ”恋”なんて素面でやろうとするにはちょっとてれ臭すぎるのだから。
際限なく高まる胸の高鳴りが自然と伴奏と重なり、唄となる。
その名は”恋風”。
この気持ちが、一欠片でもアナタに届けばいい。そう願って歌を歌おう。
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「ねぇ、ちょっといい?」
無事に収録が終わり、各関係者へのあいさつ回りが終わった頃に後ろから声を掛けられる。張りがありつつも力強さを感じるその声を、スカウトした自分が間違える事など絶対にありはしない。振り返った先にいたのは若年層の流行を全身にさりげなく忍ばせたピンク髪の女子高生”城ヶ崎 美嘉”だった。
武内P「はい、どうかされましたか。城ヶ崎さん?」
美嘉「…美嘉でいいよ。あんま他人行儀なの好きじゃないし」
武内P「そ、そうですか。以後、気をつけます」
どうにも上手く返せない自分に”まだ硬いんだよな~”と苦笑する彼女に申し訳なくて首筋を抑えてしまう。そんな弱り果てていると彼女が下から覗きこむようにこちらを見つめてくる。
美嘉「楓さんの歌、すっごく良かった。正直、ちょっと舐めてたけど、本当にすごいなって思った」
その一言と真剣な瞳に背筋が伸びる。自分個人の評判などどうでも良いが、彼女のプロデューサーとして情けない姿をいつまでも晒している訳にもいかない。そんな自分を見た彼女は小さく深呼吸をして、ちょっとの逡巡を挟んで言葉を紡いだ。
美嘉「比企谷さんに色々聞いてかなり鬱だったんだけど、アイツの言ってた”良い注目されてる理由”ってのが今日、はっきり分かった。あんな歌を聞かされたら、難しい事なんて全部ぶっ飛ばして応援したくなるもん」
武内P「…すみません。騙すつもりは決して無かったのですが、そういって頂ける事をプロデューサーとして嬉しく思います」
美嘉「いや、その事を責めてるわけじゃなくて…。えっとさ、聞きたい事があって…」
慌てたように手を前で振った彼女が気まずげに手を後ろに組み、戸惑ったように言葉を選ぶのを静かに待つ。きっと、彼女は自分の中にある様々な感情を必死に噛み砕いて纏めようとしてくれている。それを邪魔することなど、決してしてはならない。そうして、しばしの時間をまっていると彼女は意を決したように顔を上げ自分の顔を見つめてくる。
美嘉「私も!!私なんかでも、あんな風になれるのかな!!いろんな煩わしい事なんて関係なくなっちゃうくらいに凄いアイドルに!!」
武内P「……!!」
その微かで弱々しくも、確かに煌めくその輝きに息を呑む。
仮初の星には決して出せぬ、心の全てを魅了するその至高の光を、彼女は間違いなく持っている。
ならば、いや、最初から自分の答えなど決まり切っている。だからこそ自分は彼女達に全てを捧げたのだから。
膝を突き、震えるほど強く握られたその手を出来る限りそっと取り、誓いを改める様に言葉を紡ぐ。
武内P「もちろんです。始めに言った言葉に嘘偽りなど一片もありません。皆さんは、美嘉さんは世界を塗り替えるだけの力を秘めている最高の原石です。誰よりも苛烈な情熱を秘めたアナタは誰よりも強く輝いて人を引き付ける」
この一言に籠めた自分の気持ちが、どれだけ伝える事が出来ただろうか?こんな不甲斐ない自分の言葉が信用してもらえるだろうか?そんな不安に自分がさい悩まされ始めた頃に彼女がようやく動き始める。
美嘉「ぷ、プロデューサー…」
武内P「はい」
美嘉「手、はなして」
武内P「っ!すみません!御不快でしたか!!」
美嘉「あ、いやっ、違くて!!そういんじゃなくて!!男の人の手とか初めてで!!恥ずかしくて!!」
武内P「いえ、やはりすみません。少々、軽率でした」
美嘉「だから、そういうんじゃないって!!うう~、もう!!」
気遣ってくれてはいるのだろうが、顔をあれだけ真っ赤にしているのだから相当に怒っている事は簡単に見てとれる。自分のこういう所にうんざりして嫌気がさしてしまう。その証拠に彼女は苛立たしげに唸り声を上げてそっぽまで向いてしまった。こうなると自分なんかではどうしたらいいのか分からなくなって右往左往してしまうしかない。
美嘉「…ねぇ、プロデューサー」
武内P「はい」
困り果てた自分に彼女が小さく声を掛けてくれる。
美嘉「トップアイドルになってみせるから、しっかり見ててよね?」
武内P「…ずっと見ています。貴女のプロデューサーなのですから」
美嘉「よろしい!!」
その返答が彼女にどう響いたのか自分には分からない。だが、弾ける様な笑顔でうなずいてくれたのならば、きっと間違った返答では無かったのだろう。
この笑顔をステージまで送り届けると、再び心に誓って自分は力強く頷き返した。
―――――――――――
プロフという名のあらすじ
青木 麗 性別:女 年齢:28歳
トレーナー姉妹のヤベ―方。”マスタートレーナー”の名で親しまれ、出てくる謎のドリンクと笑顔のごり押しに、ハリセンによる容赦ない指導でどんな問題児も調きょ ゲフンゲフン 指導して一線に送り込んでくる事で名を馳せる名トレーナー。346でゴタゴタを起こした武内にそっぽを向かずに付き合ってくれている貴重な人脈でもあり、時たまビジネス以上の表情を見せる事から何か昔あったような事を匂わせる。
ちなみに、厳しいのはレッスンの時のみでひとたび終われば頼り気のあるおねーさん。―――だが、出される飲み物には気をつけろ。
青木 慶 性別:女 年齢:19歳
トレーナー姉妹のあざとい方(天然モノ)。”ルーキートレーナー”の名で親しまれ、見習いという事でアイドル達と特訓を共にすることが多く最も親しく接している。なんならうっかりステージに上げてもバレなさそうなまである。
そんな彼女ではあるが、昔から結構特殊なレッスンをする姉たちにべったりで育っていたため色々常識がナチュラルにぶっ飛んでいる時があるので注意が必要である――――出されたお菓子とお茶には絶対に手をつけるな。