クラナド紅の桜 作:ゼロ
「こんなところで、なにしてるんですか」
いつもの顔に戻っていた。
ただただ無垢な。
「……」
「いや…別に」
レックスはそう言う。
「不思議です。さっき家に入りました」
「そうだな…」
「家にご用ですか?」
渚が訊く。
「いや、別に…」
レックスは冷静になった。
「外から声聴こえたら気になっただけだ」
「演劇の練習です」
なるほど、と納得する。
「いつも、夜の公園で、練習してるんです」
渚はにこりして言う。
「こんなに遅くに…危なくなか?」
レックスは渚を心配する。
「今日はちょっと遅かったです。いつもはもっと早いです。だから大丈夫です」
「それで、戻ってきたら、神高くんがいましたから、ちょっと演技見てもらいました」
「そっか…」
「何か感想もらえるとうれしいです」
「そうだな…」
もしあれが演技なのであれば…褒めるに値するものなのだろう。
「下手くそ」
レックス珍しく冗談らしい顔で言う。
「……」
渚は涙目になる。
「明日は学校休むとおもいます」
「バカそんなことされたら俺がキラさんに殺されるからやめろ それにさっきのは冗談だ」
レックスは久しぶり少しクスと笑う。
「神高君冗談きついです」
「涙でてきました」
目の端を指で拭い始まる。
幼い子供のようにだ。
「古河泣かないでくれ頼むおまえの祖父ばれたから確実に明日俺の葬式なるからやめてくれ」
「えへへ」
渚は嘘泣きをしていた。
「お返しです」
その笑顔はたぶん家族には見せていないものすごく可愛い顔の笑顔だった。
本当に自然に笑っている。
「神高くんは…わたしを勇気づけてくれた人ですから…」
「だからわたしも力になりたいです」
「もしかして…家族に立ち向かう、か…?」
レックスは頭の中では神高家と銀牙家の全面戦争見えた。
確実に神高家滅びの道が見えた。
「それはダメです。立ち向かったりしたら…分かり合わないと」
渚が素直に言う。
「どうやって」
目では無理と決めつけていた。
「それは…」
「とても、時間のかかることです」
渚はゆっくり話せば分かり合えると言っていた。
「無理だあの人は話にならないからだ」
「もしよければ…わたしの家にきますか」
渚が意外な提案してくれた。
それは、短い時間で一生懸命考えた末の提案なのだろう。
「少し距離を置いて、お互いのこと、考えるといいと思います」
「家族ですから…距離を置けば、絶対に寂しくなるはずです」
「そうすれば、相手を好きだったこと思い出して…」
「次合ったときには、ゆっくりと話し合うことができると思います」
頑張って、たくさん喋っていた渚。
「どうでしょうか、神高君」
「神高君は、そうしたいですか」
「古河の話受けるよ」
「本当にそうできたら、いいな」
レックスは絶対無理な顔しなく渚を信じることにした。
「はい。そうしましょう」
「馬鹿」
「おまえは人を簡単に信用しすぎだ」
レックスは背中を向ける。
「神高君は、こんなわたしにこえをかけてく」たひとですからっ…」
張りつめた声。
「一緒に先導さん戦う仲間ですから…」
「それだけで、わたしには十分、いいひとです」
「古河また明日な話は考えさせてもらう」
「はい」