クラナド紅の桜 作:ゼロ
「古河渚がどうしたそいつそいつだと俺は思う……けどなあ」
レックスは窓の外見ながら言う。
「そうかお前昔からかわらないなあ」
ゼットは一瞬時計見るがばっと立ち上がった。
「やべぇ時間がねぇ今日も古河頼むなあ」
「なんでまた……」
レックスが言い終わる前にゼットは走って教室を出ていた。
「はあ」
レックスは廊下歩いていると周りの生徒が話している。
「見て、あの子」
「ほら、あそこ」
窓際にいた女生徒が窓の外を指さして、隣の連れに話しかけていた。
「ひとりで、パン食べてる。なんか、一生懸命で可愛い」
「どこのクラスの子だろ。あんまり見ない子だね」
それだけで想像がついた。
同じように窓から中庭を見下ろすと、石段の緑に座り、ひとりパンを食べている渚の姿。
渚だった。
(暇だから……行ってみるか……)
レックスは中庭向かって歩いて行った。
「よお古河」
レックスは近づいていって、声をかけた。
「どうして、こんなところでひとりでいるんだ」
渚は無言でパンをぱくぱく食べている。
「………」
なるほど……確かにあんパンを食べている。
ぱくぱく。
「おーい古河渚聞いてるか?」
「ごめんなさいです……今、ご飯中ですので」
渚は謝罪して食べるのを止めて、それだけを答えた。
「俺こそすまん」
隣に座って待つことにする。
先ほど見下ろしていた場所をここから見上げることをできる。
そこにはドラグーンと藤林杏が何かを話していた。
今はもう、誰もこっちを見ていなかった。
あんパンを食べ終わると、牛乳パックを口にしてそれも飲みきる。
「………」
「………」
渚、レックスは無言。
「…あの、なんでしょうか」
渚がレックスに質問
「誰に俺の家教えてもらった?」
レックスが聞くと『ゼット君です』と答えがかえてきた。
ゼットいつか殺す。
「どうして、こんなところでひとりで昼飯食ってるのかなって」
「この学校は好きですか」
レックスが質問するなり変な答えがかえてきた。
聞いたことのあるセリフ。今度はレックスに向けられていた。
「あまり……好きではないかも」
「そうですか……」
渚はしゅんと悲しそうな顔になった。
「わたしはとってもとっても好きです
でも、なにもかも…変わらずにはいられないです楽しいこととか、うれしいこととか、ぜんぶ、ぜんぶかわらずにはいられないです…」
すべて、昨日の朝、聞いたセリフだ。
「それでも、この場所が好きでいられなくなったのか」
最後の言葉はレックスが言った。
また悲しそうな顔になる。
「はい、そうです」
「具体的に言ってくれよ。なにがなんだかわからない」
レックスは心配して話を聞くことにした。
「病気でずっと休んでいたんです」
「おまえか?」
「はい」
「どれぐらい?」
「長い間です」
「ふうん……それで?」
「もうこの学校は、わたしが楽しく過ごせる場所じゃなくなってたんです」
「それでもよくわからないな……」
「友達とかいたんだろ?」
「友達と呼んでいいのかわからないですけど、話が出来る人は少しだけいました」
「別に仲は深くなくていいよ。いたんならな
つまりこういうことだ」
一瞬だがゼットのセリフ頭によぎった。
『留年』
「もしかして留年したのか?」
「はいそうですだからひとりで昼ご飯を食べていました」
「わかった」
「はい」
どうしたものだろうか……あのバカならなんとかてくれそうけど。
遠慮なく、話を聞きすぎたような気がする。
ここまで聞いておいて、じゃあ、がんばれよ、と言ったらバカ櫂斗に笑われるそれだけは死んでもイヤだ。
「…当然だ。時間は進んでいくんだから」
「はい?」
「昨日も言ったよな、俺
変わらないものはないんだから、また別の形で楽しみを作ればいいんだよ
友達、作ればいいじゃないか、また新しく」
「時期が時期ですから、みんなそういうふういんきじゃないです」
「三年生だったか…」
確かに…いや櫂斗たち立場関係ない連中いるにはいる。
「あ、部活は。部活は入ってなかったのか」
思い出したように訊く。
「入ってないです」
「そっか…」