◇◆◇◆ドイツ軍 作戦本部◆◇◆◇
「では作戦を説明します」
1人の将校がロウリア王国の地図を壁に広げ説明する
「次の目標はロウリア王国の工業都市ビーズルです、 これが偵察機が撮ってきた
写真ですがご覧の通り戦力が集結しています、 どうやらロウリア側はこの戦いが今戦争の天王山と捉えている様です」
「成る程な、航空戦力はどのくらいある?」
「確認できた数は20騎程、序盤の戦いで数をすり減らしているのでしょう、先程戦力を集結していると言いましたが兵士数もパッとみ3万、4万と 天王山の戦いにしてはいささか数が少な目ではあります」
今度は空軍将校が説明に移る
「今作戦では我々空軍が予め爆撃を行います、その後降下猟兵による空挺降下で
敵中心部を始末、それから陸さんの方の部隊で残り部隊を殲滅するという作戦です」
「この戦いでロウリア王国軍が壊滅すれば、政府はロウリア王国に対して条件を付けた降伏勧告を行います、降伏してくれれば良いのですが しなかった場合は完全に滅ぼすまで戦う事になるでしょう」
◇◆◇◆◇◆◇
グラ・バルガス帝国 諜報員 モルダ
ある日突然この世界へ転移した帝国は
各地へ諜報員を派遣して情報を集めていた、そしてこのロデニウス大陸における文明圏外の戦いにも諜報員を派遣して情報収集に当たっていた。
「ここ最近ビーズルでもロウリア兵の動きが活発になって来てるな・・・」
噂では列強パーパルディアの支援を受け
兵力を増強したと言われている、情報局の分析ではロウリア王国の圧勝で戦いは終わると思っていたが・・・
「どうもここまで押されているとは思わなんだ・・・」
とある空き家から外を覗いていると
空から異音が聞こえていた
ブオオオオ・・
「! この音は・・・ まさか!クワ・トイネにあるはずが・・・!」
まだ姿は見えないがモルダにとって聞き覚えのある音であった
「ひっ!飛行機!戦闘機だ!」
モルダは直ぐにカメラを構える
ビーズルの基地から次々と飛竜が上がっているが、戦闘機は容赦無く叩き落とす、その様はまるでレイフォルの飛竜とアンタレス型戦闘機の戦いの再現である
「ノーズが細い・・・液冷エンジンか・・?」
ビーズルの住民が恐怖で逃げ惑う中モルダは冷静に分析を行う
「今度は・・・エンジンが三つ付いてる・・・ 爆撃機か?!」
モルダは咄嗟に用水路の中に飛び込む
水が流れていなかったのが幸いだった
ヒュルルルルルルルル!!!
(くる!!)
モルダは用水路の中で必死にうずくまる
ズガァ!
爆発の衝撃はモルダの体を何度も揺さぶられ、まるで生きた心地がしない
ドンッ!
(こんな物がクワ・トイネとクイラに作れるはずがない・・・!)
バァン!
(となると・・・まさか・・ドイツ・・? 噂には聞いていたが、話によるとどうも我が帝国と同じ転移国家らしいが、全体像は不明だが先程の戦闘機を見る限り我が軍の戦闘機とあまり変わらない様に見える)
ボガァ!
(ドイツ・・・下手をしたら我が帝国よりも技術が進んでいるのか・・・いや、それは無いか、発動機を3発積むのは
発動機の信頼性が低い証拠、少なくとも航空分野においては我が帝国が上だ・・・)
そう考えている間にも爆弾は落ち、飛んできた細かい破片がモルダに降りかかった
やがて爆発が止む
(・・・終わったか・・・?)
モルダが体にかかった瓦礫屑を払いながら外に出る
外には飛竜一騎 飛行機一機いない
(早いとこ ここから離れなければ・・・
下手すりゃ侵攻部隊がやってくる)
するとまた数機の飛行機が飛んでくる、先程爆撃してきた物と同じやつだ
「ちっ!またか!」
モルダは用水路に入ろうとしたが、航空機を見たままぽかんと突っ立ってしまった
その航空機から次々と人が飛び降りているのだ
「落下傘兵!!」
次々と空に真っ白い薔薇の花模様を咲かす、モルダは慌ててカメラでその様子を撮った
◇◆◇◆◇◆◇
ビーズル守備隊 隊長コンルソー
「被害状況はどうなっている!」
「兵士は混乱を起こしています!」
「飛竜隊がッ!全滅ッ! 圧倒的不利ッ!」
「くそ!これはロウリア王国の存亡をかけた戦いなんだ!簡単に負けれるか!」
先程の爆撃で被害を受けていた軍を混乱から立て直している真っ最中であった
すると
「団長!!何ですかあれは!!」
望遠鏡で見張っていた兵が叫ぶ
「俺が知るか! それを貸せ!」
見張りから望遠鏡を奪い取り覗く
「?!!なっなんだ!人が飛び降りてるぞ!」
すると飛び降りた人の背中から白い何かが出てきて 落ちていくスピードがゆっくりになる
「空から軍を送り込んできやがった!」
「奴ら南部草原に降りていきます!」
「よし! 第三守備隊は敵兵を迎え打て!
あの様子ではろくな武器は持てまい!」
◇◆◇◆◇◆
「うぉー!!落ちる!!」
1人の降下猟兵がそう言いながら若干乱暴ではあるが着地する
「全員いるか!」
「「「はい隊長!」」」
「我々第1隊はコンテナを回収後速やかに敵司令部に突入し、敵司令官を倒す!その後は増援が来るまで防衛に徹する!以上!」
「「「応!!」」」
そう言うと隊長はピストルを出して弾を込める
「・・・コンテナは・・あそこか」
前方数百メートル離れたところに
武器を積んだコンテナが転がっている
「行くぞ!」
隊長の掛け声とともに
それぞれピストルを構えて走る
「前方に敵兵!」
「構わん!撃ち殺せ!」
パンパンパン!!
ぐわっ!
ロウリア兵が倒れるが
しかしまだまだ湧いて出て来る、それにご丁寧に城門にも弓兵らしき兵がいる
「コンテナ回収しました!」
「でかした!」
すると誰かが叫ぶ
「伏せろ!!」
「わっ!」
コンテナを持っていた兵を蹴り飛ばす
「何しやがる!イテェじゃねぇか!」
「馬鹿野郎!こんなのが当たったら痛いじゃすまねぇぞ!」
そう言って弓矢を拾い上げる
「mg34を用意!」
隊長が叫び、コンテナからmg34が取り出される
他にもそれぞれMP38を取り出したり
k98kを取り出す
その間にも弓矢は飛んでくる
「背を低くしろ!」
「クルツ!城壁にいる奴を狙えるか!」
「任せてください!」
スコープ付きのk98kを構え狙いを付ける
バン!
城門の兵士1人に命中し倒れる
「よぉし!良くやった!」
「mg34準備完了!」
「よぉし!薙ぎ払え!」
バァバァバァバァバァバァバァバァ!!
mg34から撃ち出された弾は次々とロウリア兵に当たり弾け飛ぶ
「ハハハハ!いいぞ!いいぞ!」
「よし!このまま突入だ!行くぞ!」
◆◇◆◇◆◇◆
外は第2隊に任せ、そのまま敵司令部へ突入する
「撃て!撃て! 邪魔する者は皆蹴散らせ!」
剣しか持ってないロウリア兵は鉄砲を前になすすべなく倒れて行く
◆◇◆◇◆◇
「何!敵が侵入してきただぁ!?」
「はい、守備隊が迎撃に当たっていますが敵は強力で未だに倒せていません」
「敵は何人だ!」
「4人です!」
「4人!?嘘だろ?!」
ビーズル防衛団司令部は建物中にバリケードを築き、これ以上敵兵を進ませまいと見張っていた
「あそこです、椅子とタンスで出来たバリケードと兵士が三人見張りについてます」
「よし、手榴弾を投げろ」
降下猟兵はピンを外した柄付手榴弾をバリケードに向かって放り投げる
カツン コロコロ
「?・・なんだこりゃ」
ロウリア兵が足元に転がってきた手榴弾を拾い上げようとしたその時
チュドーーン!!
手榴弾が爆発し、バリケードも見張りの兵も全てが吹き飛んだ。
「突撃!突撃!」
シュタタタタタタタタン!
MP38の連射でロウリア兵が剣を抜く前に倒して行くが次第に敵の数も増えていく
「敵の中心は近い!気を引きしめろ!」
「「「オォ!!」」」
◇◆◇◆◇◆
「状況を報告しろ!」
「はっ!敵は未だ勢いを止めぬままこちらへ向かってきています」
コンルソーも側近も青ざめている
「やばい、やばいぞ・・・」
コンルソーは何かを考えながら司令室を回る
ズガン!!
爆音と共に部屋が揺れ動く
「なっ?! なんだ今のは!」
「爆発です! 敵に魔導師でもいるんでしょうか?!」
すると
扉が蹴破られ
4人の風変わりな格好をした男が4人
出てきた
「なんだ貴様r・・」
タン!タン!タン!タン!
一番手前の兵士のワルサーp38により
コンルソーはあの世へ送られた
「うわぁ、 あああああ!!!」
側近はヤケになり剣を取り出し切りかかって来たが
タン!タン!
「イギェ」
同じくワルサーp38でコンルソーの後を追った
◆◇◆◇◆モルダ
「ここまで来れば直ぐに隠れられる」
モルダは町からある程度離れた丘の廃屋に身を隠していた
すると
ポン! ヒュルルルル・・・
ビーズルの一番大きい建物、守備隊司令部から信号弾が撃たれた
「信号弾・・さっきの落下傘兵が制圧したのか・・? !! あれは!」
信号弾が上がってから直ぐに向こうの丘からまたもモルダが見慣れたアレがやって来た
「戦車か!ドイツは戦車を開発しているのか!」
車体に先程の戦闘機とよく似た十字が描かれていたためドイツの物だと断定する
一方ロウリア側は司令部が制圧されまともに指示も得られず、連携も取れず
兵力はありながら瓦解状態になっていた
その様子をモルダは克明にカメラで記録し続ける。
それから数時間と経たないうちにビーズル守備隊は壊滅、ドイツの手に陥ちたのであった。
アデムの経歴思ったよりも重い感じで草も生えん