◆◇◆ロウリア王国 王都
ジン・ハーク 緊急御前会議◇◆◇
会議室の中はまるでお通夜の様に静かで皆悲痛な面持ちであった
ギムを陥としてからもいうもの連戦連敗が続き、あろうことか序盤にして敵の王都の空の侵入、攻撃を許してしまう
4400隻用意した海軍も全滅、エジェイ攻勢に出した本隊も壊滅、王国軍残存部隊全てを集結させた最後の砦であったビーズルでさえも敵の手に陥ちた
最早ロウリア王国に出せる兵力はない
パタジンはパーパルディアの使者に非常に言いずらそうにこう告げた
「・・・パーパルディア皇国の使者殿、第三文明圏唯一の列強国、貴国の援軍があれば助かるのだが、どうだろうか。再度援軍を送ってもらうわけにはいくまいか・・・?」
パタジンはすがる様な気持ちでローブの男に頼み込んだ
しかしローブの男は気持ちの悪い笑みを浮かべ、パタジンだけでなくロウリア王国までもを突き放す様に言い放つ
「ロデニウス大陸を統一する為に十分な支援は行ったはずだ、飛竜を、兵をいくつ貸した?これで破れる様な無能な友好国は、我が国には必要ない」
国の重鎮が集まる会議であまりに無礼な発言であるが、パーパルディア皇国という存在に、たかが使者に対して言い返せる者はいなかった
すると会議場に誰かが飛び込んで来た
飛び込んできた者に対しパタジンは怒鳴りつける
「誰だ!今は御前会議を行なっている!」
「はっ!申し訳ございません・・ しっしかし大変であります!」
「一体どうしたのだ!」
「・・外交省に来たドイツ外交官からこの様なものを渡されてきました!」
「なんだと・・見せてみろ・・・」
「・・・なんだ!これは!」
その紙に書いてあったのは・・・
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎
始めに、ドイツ国総統、クワ・トイネ公国首相、クイラ王国国王は、我々の国民を代表し協議の上、ロウリアに対し戦争を終結する機会を与えることで一致した。
1.3ヶ国の軍隊は増強を受け、ロウリアに最後の打撃を加える用意を既に整えた。この軍事力は、ロウリアの抵抗が止まるまで、同国に対する戦争を遂行する一切の連合国の決意により支持され且つ鼓舞される。
2.我々の条件は以下の条文で示すとおりであり、これについては譲歩せず、我々がここから外れることも又ない。執行の遅れは認めない
3.ロウリアは「ドイツ国の利益のため」国土の3分の2に当たる北側の領土をドイツの占領に委ねる。以南の地域は一部を除いてロウリアによる統治を行う
4.アルタラス海峡とパーパルディア皇国に向いた港のすべてをドイツ海軍に引き渡す
5.ロウリアの商船は当分出港を禁止する
6.ロウリアは、ドイツ軍およびクワ・トイネ軍、クイラ軍の占領経費を負担しなければならない
7.我々はロウリアが全ロウリア軍の即時無条件降伏を宣言し、またその行動についてロウリアが十分に保障することを求める。これ以外の選択肢は迅速且つ完全なる壊滅があるのみである。
8.ロウリア王国国民が自由に表明した意志による責任ある政府の樹立を求める・・・などなど・・・etc
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎
ロウリア王国に対してドイツはこの様な声明を出した
「なっ、なんだと・・・」
「そんな条件呑めるかっ!!」
「・・・しかし、王様については処罰などの事が書いてないことが唯一の救いか・・・」
「大王様!ご英断を!」
ハーク・ロウリアは周りから意見を求められる
・・・
6年もの歳月をかけ、列強の支援と服従と言っていいほどの屈辱的なまでの条件を飲み、ようやく実現したロデニウス大陸を統一するための軍隊、錬度も列強式の訓練により上げてきた。
資材も国力のギリギリまで投じ、数十年先まで借金をしてようやく作った軍、念には念を入れ、石橋を叩いて渡るかのごとく軍事力に差をつけた。
圧倒的勝利で勝つはずだった。
しかし 、結果は陸軍海軍ともに壊滅
このままではロウリア王国は滅びてしまうだろう
苦悩に満ちた面持ちでハーク・ロウリア34世はこう告げた
「・・わかった、条件を呑むと外交官に伝えてくれ・・、このままでは国は滅ぶ、皆辛いだろうが耐えてくれ・・・」
ロウリア王国は戦争に負けた
この事実に将校達はただ俯いてじっとしている者や、膝を落とし涙を流す者まで現れた
◆◇◆中央歴1639年5月13日 ◆◇◆
ロウリア王国はクワ・トイネ公国、クイラ王国、ドイツ国に対し無条件降伏した・・・
(風雲!ロデニウス大陸!編. 完)
次回、動乱!フィルアデス大陸!