軍祭
中央暦1639年9月25日
フェン王国 首都アマノキ 軍祭
ドイツ海軍は戦艦グナイゼナウを派遣、
船員によるフェンシングの試合を披露していた
「ほう、これは変わった武技ですな」
「しかし、あのドイツの船も城のようにデカイ・・」
参加国の誰もがドイツの戦艦の圧倒的な大きさに目を奪われる
「剣王様、そろそろ我が国の廃船に対してドイツの攻撃を始めてもらいます」
これから本日の目玉であるドイツ艦の廃船への砲撃が始まる、グナイゼナウから更に沖合5キロの辺りに標的艦が4隻浮かんでいた、ドイツ海軍はロウリア海軍を殲滅させたことで有名になっていた為、各国武官は海辺に殺到した。
その様子を剣王シハンは望遠鏡で眺める
「あの距離から攻撃するのか? 『剣神』の魔導砲でもあの距離は届かないぞ?」
「あの距離は・・一旦接近してから攻撃するのかもしれませんね」
そんな会話を交わしていると・・
標的艦に向けられた主砲から爆煙が噴き出る、僅かな差で音がやってくる
ーードォォオオオオン・・・ーー
4隻のうち2隻が木っ端微塵に砕け散り、
もう1隻の近くにも巨大な水柱があがる
それを眺めていた観客達は歓声をあげる
ーードォォオオオオン・・・ーー
それからすぐに2発目が発射され
残り2隻が同様に木っ端微塵に砕け散る
「これは・・・あまりにも・・凄まじいな・・」
シハンは耳を塞ぎながら唖然とする
剣王以下フェン王国中枢も同様に唖然としていた
◆◇◆◇◆◇
その頃、パーパルディア皇国観察軍東洋艦隊所属のワイバーンロード20騎は、フェン王国に懲罰的攻撃を加える為、首都アマノキに来ていた、軍祭には文明圏外各国の武官がいる、彼等の目の前で皇国に逆らった愚かな国の末路がどうなるかをしらしめる為に、あえてこの日に合わせて攻撃の日が決定されていた。
20騎のワイバーンロード(以後飛竜)は
ガハラ神国の風竜から距離を取りつつ
攻撃体制に移る、
「・・ガハラの民には構うな、フェン王城と・・・そうだな、あの一番デカイ船を攻撃せよ!!」
◇◆グナイゼナウ◆◇
見張りの2人はこちらに近づいてくる
飛竜を発見する
「・・おい、あの飛竜こっちに来てないか?」
「曲芸飛行でもするつもりか?」
すると向こうの方で二手に分かれた飛竜の片割れがフェン王城に向けて火炎弾を発射し、木製の城が勢いよく燃える
「お、おい!」
「なんだアイツら!こっちに来るぞ!!」
もう片割れの10騎もグナイゼナウに向かって急降下を始め、口内に火球を形成する
「ひいい!!」
「逃げろ逃げろ!」
艦上のドイツ兵は慌てふためき艦内へ逃げ込む
その後10発の火炎弾がグナイゼナウに命中し、甲板に火が移ってしまう
「あちっ!あちち!」
「消火器をよこせ!」
「早く火を消せッーー!!!」
艦内は軽くパニックを起こしていたが・・・
「何ィッ!あれだけ食らって無傷だとッ!?」
外から見てみればあれだけ火炎弾を食らって尚、傷一つなく何事も無く浮かんでいる船を見て飛竜の騎兵は戦慄していた
グナイゼナウ艦長のハラルトは声を張り上げる
「これくらいなんだ!直ちに対空戦闘用意! 蜥蜴を撃ち落とせ!」
兵達は直ちに対空機関砲の用意をする
そして・・・艦上の37ミリと20ミリの計13基の連装機関砲が一隻に火を噴いた、そして上空にいた20騎の飛竜が
瞬く間に殲滅された
◇◆◇◆◇◆
軍祭が行われていた港にグナイゼナウが戻って来ると、港全体が拍手喝采に包まれる
通常文明圏外の国が飛竜(ワイバーンロード)を倒すのはほぼ不可能に近い、もし落とせたとしたら国として世界に誇れるレベルだ、しかしドイツはその飛竜をあたかもハエを叩き落とすかのように飛竜20騎を叩き落とした。
(ドイツと国交を結んで良かった!)
剣王シハンは心の底から安堵しながら笑いながら燃え盛る自分の城を眺めていた
そういえばムッソリーニはフェンシングが強かったらしいですね