「なに!?上陸部隊が全滅だと?!」
報告を受けたパーパルディア皇国アルタラス侵攻軍の将軍シウスは、驚きの声を上げる。
「・・・はい、後方で待機していたリントヴルムを積んだ揚陸艦も数隻程撃沈されました様です・・」
報告しに来た将校も、信じられないという顔だった。
「・・よし、わかった、こうなれば反抗する奴らを根絶やしにするまでだ。
明朝、我が皇国艦隊による艦砲射撃の後に、再度部隊を上陸させろ、奴らも我が艦隊の砲撃を食らっては無事では済まないだろう。」
「はっ!」
◆◇◆◇◆◇◆
翌朝
ドーーーン!!
ドーーーーン!!
ドーーーン!!
王国兵士は塹壕の中に身を潜めていた。
早朝からいきなり艦砲射撃ときたものだ、どうやら皇国軍は意地でもここから上陸したいらしい。
もうかれこれ30分は経っただろうか?
皇国軍はまたボートを出してこちらに向かって来た、しかしまだ皇国艦隊は砲撃を続けている、砲撃の中に向かってくるとは見上げた根性である。
しかし、こちらもやられっぱなしでは寝覚めが悪い、ドイツに頼んで作ってもらった我々沿岸防衛隊の虎の子であるコンクリート製のトーチカの15㎝砲を艦砲射撃を行なっている100門戦列艦に向けて撃った。
◆◇◆◇◆◇
アルタラス侵攻艦隊の砲艦の内、50隻が艦砲射撃を行なっている。
「そろそろアルタラスの奴らが死に絶えた頃かな?」
100門戦列艦「クスモズ」艦長ムパス
は、望遠鏡を覗きながら呟いた。
「沿岸から発砲!!」
「大丈夫だ、ただの虚仮威しだ。」
見張りは叫ぶが、沿岸から2キロも離れており、ムパスと幹部連中は特に慌てる様子もなかった。
しかし・・・
ギュルルルルル!!!
ドォーーーン!!!
凄まじい揺れがクスモグを襲い、直後に内部から爆発が起こる、ムパスはなにが起こったのか理解する暇も無く消し飛んだ。
クスモグの轟沈に、他の船員は慌てる。
「馬鹿な!2キロも離れているのだぞ!」
「奴らがそんな高性能な砲を持っているわけが・・・!」
皇国の戦列艦の射程は2キロ先に「届く」というだけで、しっかり当たるわけではない、あくまで「届く」のだ。
しかし、先程放った15㎝砲の最大射程は22,000mである、これでは最初から勝負にならない。
15㎝砲は着実に戦列艦を屠っていくが、皇国兵の幾らかは上陸して来ている、王国軍側も艦砲射撃で少なくない被害を受けており、いくつもの火点が撃破されていた、そこを突いていくつかの皇国部隊は防衛線を突破した。
◇◆◇◆◇◆
「これ以上奴らに祖国の土を踏ますな!」
王国兵はドイツから供与されたgew98を構えて、木の陰や蛸壷壕に潜り、皇国兵
と激しい銃撃戦を繰り広げていた。
見てくれは激しかったが、
完全に皇国側が不利だった、
皇国側はマスケット銃で1発撃つごとにいちいち前から弾を込めなくてはならないし、ライフリングが無く、何より集団で撃つものなので命中率が悪い。
射程も装填速度も桁違い、そもそもgew98とマスケットでは300年もの技術格差があるのだ、勝てるわけがないのである。
弾を込めている間にもバカスカ撃ってくる王国兵に、皇国兵の士気はみるみるうちに下がって行く、後退しようにも
アルタラス王国沿岸防衛隊が、侵入して来た穴を塞いでしまった。
そもそも無理して進んだ時点で詰んでいたのだ。
暫くは何とか抵抗していたが、上陸した皇国部隊は全滅した。
◆◇◆◇◆◇◆◇
その日の戦いはパーパルディア皇国軍上陸軍2400人 砲艦26隻 が海中に消え、
アルタラス王国軍も、300名が犠牲となった。
しかしパーパルディア皇国皇帝のルディアスは、この結果に怒り狂い、何としてでもアルタラス王国を滅ぼせと殲滅戦を宣言した。