外ではミールだった物の瓦礫が浮かんでおり、昨夜の夜襲で兵達も疲弊していた。
「監察軍から援軍を!?」
シウスの突飛な提案に参謀は裏返った声を出す。
監察軍は、シウス等の所よりも装備の質も物量も違う、その為監察軍は普通の軍よりも格下な存在なのだ。
しかし、その格下に援軍を頼もうとしている。
「あぁ、しかしただ援軍を頼もうというわけではない、 監察軍がこの北側海岸を攻めている間に、我々は北西海岸から上陸する」
「囮というわけですか」
「奴らも皇軍から直々に頼まれた事に文句も言うまいて。」
「しかし北西海岸ですか、そこはたしかアルタラス王国軍の基地があったはずでは?」
「あそこまで激しい陣地を築いてるのは、おそらく北側海岸だけだと思うのだ」
「成る程、しかしその予想が当たりますか・・・」
「分からん、しかしやって見なければ分からないのも確かだ。
この作戦が失敗したなら、私は責任を取るしかないな」
そう言い、シウスは深く考える様に目を閉じた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
アルタラス王国 北部 沖
パーパルディア皇国監察軍が、アルタラス王国に向け、戦列艦25隻と陸戦隊を率いて進んでいた。
「しかし、皇軍が我々監察軍に援軍を要請するとは・・・何か裏があるのでは・・」
監察軍の提督チタは、腕を組み考える。
「提督、考え過ぎなのでは?ルディアス様はようやく、我々監察軍が皇軍と一緒に戦える技量をもった軍だと認めてくれたのではないでしょうか?」
補佐はそういうが、その皇軍というのは一向に姿を現さない。
「・・・ウダウダ言っていても仕方ないか・・、よし!あとアルタラスの海岸までどれくらいか」
「あと20分であります」
「よし、総員は戦闘に備えておけ」
「はっ!」
◆◇◆◇◆◇
アルタラス王国北側海岸
監視は沖に犇めく戦列艦を発見する
「また来やがった」
迅速に迎え撃つ準備が始まる
猛烈な砲撃を塹壕の中で耐え、
海からは皇国兵がボートに乗ってやって来る。
「テッ!」
戦闘と言う名の一方的な殺戮が始まった
◇◆◇◆◇◆
アルタラス王国北西海岸
そこには皇国軍艦隊砲艦180隻、竜母8隻と揚陸艦60隻が、西海岸から上陸するため船を進めていた。
(果たしてうまくいくだろうか・・・)
シウスは先日はああ言ったものの、やはり不安の方が優っていた。
そして・・・
ドーーン!!
ドーーン!!
ドドーーーン!!!
壮絶な艦砲射撃を行なったのちに上陸を行う、皇国兵も幾らか学習したようで、
出来る限り頭を下げ、這うように進む。
しかしそこに王国兵はおらず、皇国兵は拍子抜けしたが、その後海岸堡を確保し、野営陣地を築いた。
◆◇◆◇◆◇
その頃
ーーアルタラス中部の小規模魔鉱石鉱山がある都市ダーリンエンーー
魔鉱石調査の為に、数十名のドイツ調査団がこのダーリンエンに派遣されていたが、アルタラスとパーパルディアの戦争が始まった為、保護という事でドイツ軍が南西の港まで避難する準備をしていた。
◇◆◇◆◇◆
装甲車が数台並んで止まっている中で、兵士は煙草を吹かしながら休んでいた。
「そろそろ交代か・・」
今度は自分が見張りの番になるので、煙草の火を消そうとしたその時、彼は空に釘付けとなった。
「・・・トカゲ? 」
空を飛ぶトカゲの様なものを見て、一瞬思考回路がストップしたが、飛竜につけてあった旗がパーパルディアの旗だった
ため、兵士は慌てて仲間に報告しに行った。
◆◇◆◇◆◇
ドイツ人技術者をトラックに乗せて避難し、敵の事を王国側に報告して、ドイツ軍自身も迎撃の準備にあたる。
「急げ!急げ!」
兵士たちは急いでMG35を用意する。
空を見上げれば、数騎の飛竜がこちらに向かって来ている。
「対空射撃!!」
ドイツ兵は上空の飛竜に向かって射撃を始める。
「避けろ! 攻撃だ!」
飛竜騎士は回避行動に移すが、数騎が腹を撃ち抜かれ落ちて行く。
「今はとにかく港に向かうことが先だ!行くぞ!」
ドイツ軍は急いで港へ向かう、皇国軍は直ぐ目前まで迫っていた。