大ドイツ国召喚   作:イブ_ib

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やぁ、今日はエイプリルフール、四月馬鹿ですね。


イヤァァフウウウウウウ
⬆︎(ごちうさのエイプリルフールでこころぴょんぴょんしてる奴)





決着②

カスト邸

 

「何なのだコレはぁ!!!」

 

 

カストは叫びながら一枚の紙をビリビリに引きちぎる。

 

 

アルタラスから送られたその紙には、カストがアルタラス王国の王女であるルミエスに対して、奴隷として差し出す様に要求し、尚且つ味見をすると言い放ち、終いには淫所に売り払うと発言したことから、不敬罪及び大逆罪の罪で裁く為、出頭する様にとの旨が書かれていた。

 

 

「何故、このワシが蛮族の法律で裁かれにゃあならんのじゃああ!!!!」

 

 

引き千切った紙をさらにビリビリに細切れにして部屋に撒き散らす。

 

 

「こうなったら陛下に蛮族共を皆殺しにする為に軍を送ってもらう様、直訴してやる!」

 

肩で息をしながら従者に馬車を用意する様に怒鳴る。

 

 

すると、従者が焦った様子でカストに側に駆け寄る。

 

 

「カスト様、それが先程・・パラディス城へ出頭せよと皇帝陛下の命令がございました」

 

「何、皇帝陛下が直接?!まぁ良い、どんな用事かは知らんが、その時に蛮族をことを話せば良い」

 

皇帝陛下の命令という事で、直ちにカストは馬車に乗り込み城へと向かった。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

パラディス城

謁見の間

 

皇帝の他にも、第1から第3までの外務局

のお偉いさんまで集まっていた。

 

「皇帝陛下! 只今 このカストが参上しました。」

 

カストは深々と礼をし、敬意を表する。

 

 

「うむ、よく来たな。 して、カストよ、聞きたいことがある。」

 

「はぁ」

 

ルディアスが合図を出すと、従者が封筒を持ち出してカストに渡した。

 

「読んでみろ」

 

カストは言われるがままに、封筒から書類を出し読み始める。

 

「・・・なっ、コレは!」

 

その紙は、カストがターラ14世と会話した内容が一文一句そのままに書かれていた。

 

「コレは何なのですか?!!」

 

「それはな、数日前にアルタラスから送られたものだ。」

 

それを聞き、カストは頭を金槌で叩かれる様なショックを受ける。

 

 

「パーパルディアの皇帝であろうお方が

文明圏外の蛮族の言うことを信じると言うのですか?!」

 

「・・・あの時近くにいたお前の部下にもきちんと話を聞いたが、その通り話していたと言ったぞ。」

 

 

「な、な・・・」

 

 

カストは酸欠金魚の様に口をパクパクさせた。

 

(どの奴が吐いた?アイツか?アイツは前からそんな口が軽そうだったからな、間違いない)

 

心の中で勝手に考えていると、ルディアスはまたしても従者に新たな紙を2枚持ってくる様に命令する。

 

 

「ではコレをみろ。」

 

 

「これは・・・、あ・・」

 

その紙は、ターラ14世に向けて送ったルミエスを奴隷として差し出せと言うことが書いてある要請文であった。

 

 

「これはどう言うことだ?」

 

徐々にルディアスは怒気を含んだ口調に変わっていく。

 

 

「いや、・・それは・・・その・・・」

 

 

「余は貴様に、シルウトラス鉱山を献上させる様に指示を出したはずだぞ!しかしこれには何だ!一体どう言うことだ!」

 

要請文とは別のもう一枚は、第3外務局からカスト宛に送られた命令書であり、そこにはシルウトラス鉱山を献上させる様に、との事だけが書かれていた。

 

 

「問題はそれだけではない、貴様が勝手に追加した内容の書いてある書類に余が認めた皇国の印を押し、あたかも余がこの事を命令したように見せたと言う事だ!この事は余は元より皇国に対する侮蔑だ!」

 

この時点でカストの顔は既に真っ青になっている。

 

「余はとても残念だ。

貴様の家系は先代の皇帝から付き合いだったから信頼していたのだが・・・」

 

そう言うと、ルディアスはカストに対して言い放つ。

 

「カスト、貴様は只今を以って爵位を剥奪する!そして、国家に対する侮蔑を行った罪で永久追放とし、アルタラスへ引き渡す!」

 

その宣告は実質死刑宣告であった。

 

「アルタラスの使いが来るまで地下牢に入れておけ!」

 

ルディアスが叫ぶと近衛兵がカストを拘束する。

 

 

「お待ち下さい陛下!これは蛮族共の謀略です!目を!目を覚ましてください陛下ァァァア!!!」

 

「黙れ!」

 

カストは近衛兵に銃床で頭を殴られ気を失った。

 

 

カストが引きずられ、謁見の間は静かになった。

 

そんな中でルディアスはカイオス、パーラスに向かって言う。

 

「これは一旦、支配地の統治機構の職員や、大使について一度綿密な調査をしたほうがいいな」

 

パーラスは今まで、統治機構の横暴な行動に目を瞑っていたが、皇帝の命令が下った以上、もう目を瞑る事も出来まいと腹を括った。

 

カイオスも属領の腐敗した統治に

皇国の未来を憂いえていたが、今回のルディアスの発言に希望を見出していた。

 

 

◇◆◇◆◇◆

デュロ海軍基地

 

「何だと?!その話は本当か?!」

 

パーパルディア皇国海軍東部方面隊に所属する戦列艦艦長のボルネオは叫んだ。

 

「あ、ああ、2日後にアルタラスの船が

皇都に来て大使を連れて行くんだそうだ」

 

 

「何故文明圏外の国に対して皇国がここまで弱腰になれる?!皇帝陛下はどうなされたのだ?!」

 

ボルネオは興奮した様子で喋りたてる。

 

「変な気は起こすなよ・・・」

 

同じ艦隊の仲間は彼を宥めてはいたのだが・・・

 

◆◇◆◇◆◇

 

ボルネオはその後同調者を募って、あろうことか命令も無しに戦列艦3隻を港から出航させた。

 


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