大ドイツ国召喚   作:イブ_ib

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大英断

「なんて事を!」

 

 

戦列艦暴走の報告を受けたレミールは顔面蒼白となって飛び上がった。

 

現在皇国はアルタラスと休戦条約を結んでいる、もし文明圏外と戦いになっても

本来であれば何の苦労もなく殲滅出来たであろう、しかしアルタラスのバックにはあのドイツが付いている、そして実際にアルタラスの船がいとも簡単に三隻の戦列艦を葬った。

 

(このまま戦争が再開すればまた我が軍にかなりの被害が出てしまう)

 

自室をぐるぐる回りながら考えていると、緊急の帝前会議が行われるとの連絡が入った為、急いでパラディス城へ向かった。

 

◇◆◇◆◇

パラディス城

 

国の重鎮たちが平伏す大広間は、現在とてつもない緊張感に包まれていた。

 

皇帝ルディアスが出席している事は勿論、収集された事態が事態である、緊張しないものはいない。

 

「それでは帝前会議を始めます」

 

始まるや否や、ルディアスが口火を切る。

 

「此度の件、一体どうなっているのか?」

 

ルディアスはアルデに問う。

 

喋る人物がアルデからバルスに変わり、そして東部方面司令のルトスへと変わる。

 

 

「・・という事で、ボルネオは他2隻の艦長を唆して勝手に出撃してしまったのです。」

 

ルトスの報告が終わり、大広間は静寂に包まれる。

 

 

(まずドイツと正面から戦って勝てる見込みは0、アルタラス単体で戦っても相当の被害を受ける事になるだろう、三度に渡るアルタラス攻勢においてもほぼ全滅と言っていい被害が出ており、属領統治軍を引き抜いて再編する始末だ、このまま継戦した所で無駄に兵士を殺すだけだろう)

 

 

アルデは冷静になって考えていた。

 

その時であった、第三のカイオスが挙手し、起立して話し始める。

 

「レミール殿もご存知でありましょうが、アルタラスには現在ドイツによる兵器支援が行われております」

 

ドイツの名が出て、僅かに会議場がピリつく。

 

「現在の所、アルタラスは防戦一方で攻勢には出ていません。しかし休戦協定を結んでいる最中に攻撃を受けた今、アルタラスからしてみれば協定を破棄されたも同義、ドイツと手を組んで攻めて来られる事も十分考えられます、そこでアルデ殿にお尋ねする」

 

「何だ」

 

「もしアルタラス単体が攻めて来たとして、ここ皇都を防衛する事は可能か?」

 

「それは問題ない、あの装甲艦については能力は高いが文明圏外の国が持てる数はたかが知れている、完全に沈める事は出来ないにしても無力化する事は出来る」

 

「では、ドイツと一緒に攻めて来た場合はどうか?」

 

「・・・それは」

 

アルデは一瞬、灰燼と化したレイフォリアの魔写が脳裏をよぎる。

 

「・・・認めたくないがドイツは格が違い過ぎる、もし勝てたとしても辛勝だろう、受ける被害が大き過ぎる」

 

「成る程」

 

カイオスが頷くと、エルトも挙手をする。

 

「私も質問をして良いでしょうか、此度のアルタラスとの戦争は第3によって引き起こされたものです、カイオス殿はこの戦争をどの様に収束させるおつもりか?」

 

「国家の意思として殲滅戦を表明しているわけですから、おいそれと意思を変える事は出来ないでしょう、しかも相手は文明圏外国です、「悪かった」なんて頭を下げようものならそれこそ他国や属領に示しがつきません」

 

「では、このまま継戦を?」

 

 

(・・継戦するにしても、アルタラスがドイツから更に強い兵器を給与される可能性もあるから・・・どうしたものか・・・)

 

 

カイオスが言葉に詰まっていると、意外な人物が口を開いた。

 

 

「許そう」

 

 

突如皇帝ルディアスがそう呟いたのだ。

 

「へ、陛下、今なんと?」

 

レミールが素っ頓狂な声でルディアスに問う。

 

 

「我が皇国に逆らうという愚行を行ったアルタラスを、予は最大の慈悲を持って許そうと言っておるのだ」

 

 

「へ・・・陛下が愚者に対してその様な寛大な心をお持ちでいようとは・・!レミール、感動でございます!!」

 

 

レミールは感涙で泣いていたが、カイオスは。

 

(物は言いようだな)

 

と若干苦笑い気味で考えていたが、ルディアスがそれなり冷静に判断を下せる事に安堵していた。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

その後・・・

 

パーパルディア皇国はアルタラス王国に逆賊カストを引き渡し、両国間との国交を再開させ、アルタラス王女のルミエスにカスト家による個人的な謝罪金という程でカスト家の全資産がルミエスに渡された。

 

その後、ドイツに対してもフェン王国軍祭時とアルタラス侵攻作戦時に受けた被害金を支払った後、国交を樹立するに至った。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

因みにこの時のルディアスの判断は、発表した当時は皇帝は弱腰になっただの、政府は無能だの批判が相次いだが。

 

後の歴史学者からは、パーパルディア皇国史でもこれ以上ない程の大英断であったと記されている。

 

もしそのまま戦争を続けていたら、ドイツの参戦により滅亡してもおかしくなかったとも言われているそうだ。

 

 




若干短めですが、これにてアルタラスvs.パーパルディアの戦いに終止符が打たれました。


それと最近の別の作者さんの日本国召喚の二次創作で、パーパルディア皇国が艦砲射撃で皇都が吹き飛んだり、2時間で滅ぼされたりと
踏んだり蹴ったりで若干ゃ草バイエルン。
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