大ドイツ国召喚   作:イブ_ib

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魔王戦

「よーし、こいつを喰らえ」

 

ルーデルは戦場のど真ん中で、突っ立っているカイザーゴーレムに狙いをつけて引き金を引いた。

 

 

ズガァーーン!!

ズガァーーン!!

ズガァーーン!!

 

 

飛行機からの攻撃とは思えないような音と共に、37ミリ弾はカイザーゴーレムの上半身へ吸い込まれていく。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

「フハハハハ!!良いぞ!カイザーゴーレム!そのまま下種共を踏み潰してしまえ!」

 

魔王は高らかに笑いながらドイツ軍が逃げ惑う様を見ていた。

 

 

すると、上空からワイバーンの様な物が

数騎程こちらに向かっていた。

 

「あいつらがマラストラスを倒した奴らか、カイザーゴーレム!あの飛竜共を叩き落とせ!!」

 

ーーグゴゴ・・・

 

カイザーゴーレムがスツーカに顔を向けたしその時・・・

 

ズガァーーン!!

ズガァーーン!!

ズガァーーン!!

 

飛竜の翼から何かが爆発した。

 

 

そして、カイザーゴーレムの顔が木っ端微塵に砕け散る。

 

 

「!!?」

 

魔王は想定外の出来事に動揺を隠せない。

 

頭部を失ったカイザーゴーレムは、ゆっくりと後方に倒れていく。

踏まれていた戦車も足が離れた為、周りの兵士が扉を無理くり開けて戦車兵を救助しすぐさま逃げる。

 

 

◆◇◆◇

 

「カイザーゴーレム!すぐに奴らを潰せ!!」

 

魔王はカイザーゴーレムに治癒魔法をかけると、砕けた頭部のあたりに土が集まっていく。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「む? 頭が復活していくぞ?」

 

ルーデルは頭が治っていく様子を眺めていた。

 

そして胸部には何やら土とは別の石の様なものが埋め込まれていた。

 

(・・・弱点はあそこかな?)

 

 

ルーデルは再度ゴーレムに向かっていく。

 

 

◇◆◇◆◇

 

「さぁ!カイザーゴーレム!お前の実力を見せてみろ!!」

 

カイザーゴーレムも再度立ち上がろうとするが、その時ルーデル機がゴーレムに向けて、37ミリ弾を胴体に向けて撃つ。

 

ズガァーーン!!

ズガァーーン!!

ズガァーーン!!

 

今度は胴体に命中し、胸のコアが粉々に打ち砕かれる。

 

「なっ、バカな!!!」

 

コアを打ち砕かれたカイザーゴーレムは、土塊となり崩壊する。

 

 

「うわっ!!」

 

「ひい!!」

 

「ぺっ!ぺっ!」

 

ゴーレムが一気に崩壊した為、土埃が巻き起こりドイツ軍を包む。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

ゴーレムを屠ったスツーカ隊は残ったオークやゴブリン等の雑魚敵に向かって攻撃していた。

 

ドムドムドム!!!!

 

「ギャアアア!!逃げろー!!!」

 

降りかかる37ミリ弾に、ゴブリンやオークは隊列などそっちのけで蜘蛛の子を散らすようになって逃げる。

 

「貴様ら逃げるな!」

 

魔王は必死になって魔物達に叫ぶが、それも無駄と言わんばかりに魔物が散るように逃げる。

 

 

そうしているうちにも、魔王に向けて弾が降り注ぐ。

 

「アガッ!!」

 

止め処なく降り注ぐ37ミリ弾の威力に、防御魔法が追い付かず、魔王の体に数発程の被弾を許していた。

 

 

「・・・おのれぇェ!!!」

 

 

このままではジリ貧でやられてしまう。

 

赤竜がいればこの程度の攻撃でもなんともなかったのだが、人如きに使うまでも無いと侮ったのが痛かった、太陽の使いのあの海からの攻撃にも耐えられたのだからこの攻撃ぐらいなんとも無いだろう。

 

 

「侮っていたな・・・、しかしこの攻撃に耐えられるか?」

 

 

砲撃による砂塵で攻撃が一瞬だけ止んだ所を狙って、魔王は50メートル程まで跳躍した。

 

 

「おい!飛んだぞ!」

 

周りや兵士達が騒めく。

 

 

〈詩を紡ぎ静寂を迎えよ。汝福音をもたらすとき・・・・〉

 

 

漆黒の手から出たドス黒い炎が、蛇のように魔王の周りを飛び回ったかと思うと、大きな炎の球体となり頭上で渦巻いた。

 

「高射砲だ!高射砲を撃て!」

 

将校の叫び声の後に、飛竜がおらず暇を持て余していた8.8センチ高射砲が浮遊する魔王に狙いを合わせる。

 

 

ドン!!

 

動かず空中に留まっただけの魔王の目の前で弾が炸裂した。

 

 

「ーー我が使者。空のk ギャ!!」

 

浮力を失った魔王はそのまま地面に叩きつけられる。

 

 

「なんて威力だ・・!このままでは!」

 

 

魔王がまた体勢を立て直そうとしているのを見て、ロンメルは命令を出す。

 

「直接だ!8.8センチを直接奴に撃て!」

 

砲手は手持ちの対空弾の時限信管を目一杯にして魔王に向かい撃つ。

 

「Tschüss〈チュース〉!!」

 

「来るか!」

 

魔王は防御魔法を展開するも8.8センチの弾はそれを破壊し、魔王の体内にめり込むとその衝撃で爆発し、魔王は爆散した。

 

「っしゃ!!」

 

 

静寂が訪れた。

 

魔王という未知の敵がどうなったのか、

王国、ドイツ兵共に静止している。

 

 

するとドイツ軍の目の前に魔王の首が転がって来たので、兵士達は小銃を構えて様子を見る。

 

 

「お・・・の・・・れぇぇぇ・・・!!」

 

 

「「「うわぁああああ!!」」」

 

 

魔王が喋り出し警戒していた兵士は腰を抜かす。

 

 

「おのれぇぇぇぇぇ、太陽神の使いめぇぇぇぇ!!!1度ならず、2度までも我の野望を打ち砕きおってぇぇぇ!!!

 良く聞け!!下種どもよ!!!

 近いうちに魔帝様の国が復活なさる!!!おまえら下種の世界も間もなく終わるぞ!!!圧倒的な魔帝国軍によって、お前らは奴隷と化すだろう。はーっはっは・・・・」

 

 

怨嗟の声は次第に弱くなり、遂に魔王の頭は石化して崩れ落ちた。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「しかしまだ我々の仕事は残っている」

 

 

ロンメルは総統閣下から伝えられた指令を思い出す。

「グラメウスを我がドイツのものにせよ」

 

グラメウス大陸を占有する、その為にも魔獣達を完全に殲滅しなければならないだろう、仕事は未だ終わらない。




予定ではもう少し続く予定でしたが、上手くいかずこれで魔王編は終了となります。

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