大ドイツ国召喚   作:イブ_ib

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喉元に短刀

ドイツ国

ベルリン

総統官邸

 

「ーという訳で総統閣下、パーパルディアは我が国に派兵を要求してきました」

 

 

「そうか、こちらから兵を出してやろうと思ったが向こうから来たのなら手間が省けるな。

コンドル軍団を送れ、指揮はフーゴに一任する」

 

ドイツはパーパルディア皇国に援軍として、爆撃機を主体としたコンドル軍団を派兵する事となった。

 

◇◆◇◆◇

 

第二文明圏

ムー

アイナンク空港

 

「さて、技術士官マイラス、戦術士官ラッサンの2名は本日付けで、観戦武官としてパーパルディア皇国へ派遣を命じる。」

 

「は、了解致しました」

 

マイラスはこう答えるも、些か腑に落ちない点があった。

 

「しかし何故、パーパルディアの戦争で技術士官の私が行く事になったのですか?」

 

マイラスは、技術士官である自分がわざわざ自国より技術の劣る第三文明圏の戦いに観戦武官として赴くのに疑問があった。

 

「ああ それはだな、あのドイツがパーパルディアに援軍を送ったらしい」

 

「本当ですか?!」

 

「本当だ、そこで2人には主にドイツの兵器や戦術を見てもらいたい。」

 

自国よりも遥かに巨大な戦艦を保有するドイツの戦いが己の目で見れると思うと気持ちが逸るが、それをなんとか抑えて

マイラス達は『ラ・カオス』へと乗り込み、ドイツに向けて飛び立った。

 

◇◆◇◆◇

パーパルディア〜クーズ間国境沿い

 

パーパルディア皇国

リーム討伐軍

司令部テント

 

 

討伐軍の司令官であるヴァロワは、援軍であるドイツ軍の動きについて説明を受けていた。

 

「・・・なるほど、ドイツの飛行機の攻撃の後に、我が軍が進撃すると・・・」

 

 

ヴァロワはドイツが先に攻撃する事に気に入らなかったが、ドイツが持って来た15センチ榴弾砲のサイズに度肝を抜かれていた為、怒る気力も湧かなかった。

 

◇◆◇◆◇

リーム王国軍

クーズ進駐部隊

元統治軍庁舎

 

「現在国境沿いで皇国軍の動きが活発になっているようです」

 

進駐部隊の隊長であるマルガはその報告を頷きながら聞いていた。

 

「皇国の奴らめ、とられたクーズを取り返すつもりだろうが、我々にはこの新兵器がある。負ける事はありえんよ」

 

ガハハと笑いながらミニエー銃を手に取る。

 

 

◇◆◇◆◇◆

リーム王国

飛竜偵察隊

竜騎士ペズン

 

「・・・ワイバーンロードに勝てるかねぇ、なぁ、お前はどうだ?」

 

ペズンは自信無さげに相棒のワイバーンに話しかける。

 

すると遥か向こうからとんでもない数のゴマ粒ほどの飛翔体が飛んでくるのが見えた。

 

「!!来た!」

 

ペズンは興奮した様子で魔信を手に取り

マイクに向けて叫ぶ。

 

「こちら03偵察隊ペズン!

皇国軍と思われるワイバーンを・・・早い!?」

 

ワイバーンよりも遥かに早く、高く飛べるhe111が9機程、クーズへ向かって飛んできた。

 

「かなりの高度を飛んでいる!とてもじゃないが追い付けない!」

 

ペズンは悲鳴のような声で報告を続ける。

 

そのペズンの事はまるで眼中にないとばかりに、爆撃機隊は悠々とクーズへ向かっていく。

 

◆◇◆◇◆◇◆

クーズ進駐軍

 

「こちらに敵が向かって来ている?ワイバーンはどうした?」

 

マルガはペズンの報告に対し、疑問を持つが、そうこうしているうちに何処からか低く唸るような音が聞こえてくる。

 

兵達は何かを叫びながらバリスタを用意し、坑夫達やその家族は怯えるようにして着の身着のままで逃げて行く。

 

只ならぬ事態にマルガは窓から空を見上げる。すると。

 

「な!何だあれは!」

 

ワイバーンよりも遥かにでかい怪物の様な何かが迫って来ている。

マルガが未知の敵に震えてると、9騎の怪物の底部から数個の物体が落とされた。

 

どんどんおおきくなってくる風切り音、

マルガはそこで己の死を悟る。

 

クーズの街は無差別的に爆撃され統治軍庁舎は瓦礫の山と化し、進駐軍もほぼ壊滅、市街地も灰塵と化した。

 

◆◇◆◇◆◇

 

「撃てェーー!!!」

 

5台の15センチ榴弾砲から耳を劈くような爆音と共に弾が撃ち出される。

 

 

目標は生き残ったリーム王国兵。

幾度と砲撃を繰り返す様を見て皇国軍砲兵は、自分達の使ってる大砲とは遥かに超越した大砲に恐怖を覚える。

 

 

「よし、進撃開始!」

 

太鼓の音と共に皇国軍は進軍を始めるも、既に砲撃と爆撃によって兵は逃げ出しており、戦闘らしい戦闘は怒らずスンナリとクーズを取り返すことが出来た。

 

◇◆◇◆◇◆

リーム王国

王都ヒキルガ

セルコ城

王の間

 

「リバル!貴様これは一体どういうことだ!?」

 

バンクスはクーズが皇国軍に取り返された事について激怒していた。

 

「・・は、申し訳ございません、現在迎撃の為に部隊を編成しておりますゆえ、今しばらくお待ちを!」

 

「もし我々が負けたら、どうなるのか知っておるのだろう?!」

 

「は!それは勿論、必ず皇国軍を叩き出します!」

 

◇◆

 

王との会話が終わった後、リバルの部下が報告にやって来た。

 

「リバル様、ミニエー銃の弾薬が足りなくなって来ていると前線から報告がございましたが、大丈夫でしょうか」

 

「?、その事ならフェルダスに一任しているはずだが?」

 

「はい、それがフェルダス様に何度確認してもすぐに来るから心配するなの一点張りで・・・」

 

「ふぅむ、しかし球は来ていないと・・」

 

「はい」

 

・・・一方その頃

 

 

「くそくそくそ!」

 

フェルダスは魔信の前で歯がぶっ壊れるほど口をくいしばり、何度も机を叩く。

 

(ドイツの野郎嵌めやがったな!!)

 

実はリーム王国にミニエー銃などの兵器を渡していたのはドイツだったのだ。

 

接触して来たドイツ人のいう事には、リームがドイツの武器を使ってパ皇を倒し、皇国をドイツとリームで上下半分こにしようと言われ、フェルダスはその案にホイホイと乗ったのであったが、ドイツの本心はリーム王国を占領すれば北にリーム、南にアルタラス王国と、パーパルディアが何か行動を起こしたら直ぐに攻撃出来るよう兵を配置できるようになるようにしたかったのである。

 

結局ドイツはパーパルディアを生かしておいて影で操り、列強という地位を上手く利用したいのであり、元より不満だらけの属領ひっくるめた皇国の領土なんて鼻から興味が無かったのである。

(領土的な問題はロデニウス大陸で間に合っている)

 

◇◆◇◆◇◆

 

その後リーム王国はドイツ軍の爆撃、そして皇国軍の総攻撃により想定よりも早く陥ちた。

 

これにより王族、政府関係者は軒並み死亡した事は想像に難くない。

 

◆◇◆◇◆◇

パーパルディア皇国

 

先進兵器開発研究所

 

「これが今回の戦闘によって得たデータです」

 

通称『兵研』と呼ばれている所に、リーム王国兵の被害の受け方を纏めた資料が運ばれてくる。

 

それにより兵研が出した結果は、砲弾の破片や爆発で飛んで来た瓦礫に頭をぶつけて死んだ兵士の殆どが皇国軍と同様の皮や布製の帽子をつけていた事、鎧兜を着用していた兵士は僅かながらに生存率が上がっていた事などを踏まえて、兵士にはヘルメットを身につける方が良い事や、服装は現在の紺や赤の軍服から、茶色を基調としたシンプルな物へ改めるようにと報告書を出し、その報告書を元に軍の兵装改革が行われるのであった。

 

◇◆◇◆◇◆

ドイツ領

リーム総督府

 

結局の所、パーパルディアが占領したリーム王国であったが、最終的な統治はドイツが行うものとなった、これにはアルタラス戦における戦力の消耗が一番の原因であった。

 

アルタラス戦により消耗した兵力を、統治軍によって補った所、属領の兵力に穴が空き、そこをリーム王国に攻め込まれた為、再度属領の防衛の為の兵を配置した所、残念な事にリームにまで兵を回す余裕がなくなっていたのである。

 

 

◆◇◆◇◆

パーパルディア皇国

第1外務局

 

エルトは、神聖ミリシアル帝国からやって来た外交官のフィアームと会議を行っていた。

 

「では、パーパルディア皇国は来年の先進11カ国会議にパンドーラ大魔法公国ではなく、「東方国家群」の長としてドイツ国を固定参加させたいという事ですね?」

 

「はい、その通りです」

 

「わかりました、ではそのように伝えておきます」

 

「あと少し宜しいですか?」

 

「どうぞ」

 

「前回の参加国であったレイフォルはグラ・バルカスという国家に滅ぼされてしまった様ですが、その抜けた席はどの様にする予定なのでしょうか?」

 

 

「その事ですね・・・レイフォルが抜けた席にはグラ・バルカスを入れるという話もありますが、野心的な面もあり、あまり好意的には考えられていないのが現状です。それに開催1年前にしてはあまりに切迫しているので最終的にどの様になるのかわかりません」

 

 

「成る程そうですか、わかりました。

ありがとうございます」

 

 

 

◆◇◆◇

後日、神聖ミリシアル帝国は先進11カ国会議において、ドイツ国とグラ・バルカス帝国を出席させる事を決定した。

 




これで狂騒!第三文明圏!は終了となります。
次回からいよいよ第三帝国と第八帝国が顔を合わせます。
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