1943年5月22日
その日Me262に試乗したアドルフ・ガーランドはこのような言葉を残した。
「天使が後押ししているようだ」
現在ドイツ空軍ではBf109の後続機としてFw109の配備を始めており、此方は順調に進んでいる。
しかしMe262は、わがままヒトラー君が雷撃型を作れと駄々を捏ね、戦闘機型の量産が未だ出来ずにいた。
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そもそも異世界転移してからの敵対勢力の航空戦力は、ワイバーンというBf109でも十分対処出来るものでありジェット機開発は当分不要論が叫ばれて来た。
が、その不要論が吹き飛ぶある出来事が起こる。
それはラヴァーナル帝国・・では無く、ミリシアル帝国のアルペジオ3の情報を諜報員から得た事だった。
何故アルペジオ3?只の鴨じゃないか。
と思われているだろうが、それは神視点だから言える事。
実際何も知らない状態であの複葉機やら世界の大半がワイバーンが主力の世界の中で、あれだけ洗練された機体を見れば誰でも危機感を覚えるという物だ。
が、その心配はすぐに吹き飛んだ。
フォーク海峡戦が起こったのだ。
ドイツと同程度の技術力を持つグラ・バルカス帝国の戦闘機に、蚊蜻蛉の如く叩き落とされるのを見て心配するほどでもないと胸を撫で下ろ・・・す所か更に研究を急がされることになった。
勿論グラ・バルカス帝国に備えてだ。
フォーク海峡での戦いでグ帝の技術がドイツ同等かそれ以上と判断され、ジェット機も開発されている恐れありと判断した為研究を急いだ。
実際にはジェット戦闘機は構想段階で実験にすら至っていない訳だが。
因みにラヴァーナル帝国については、生物兵器を運用し誘導可能なロケット、そして超強力な爆弾を保有しているという認識であり、その超強力な爆弾は街一つを消し飛ばすと言われてもいまいちピンと来ず、数で押せば問題なしと考えている幹部もいる。
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ロウリア総督府
兵器実験場
周辺に人家が無いとある基地の上空で、爆装のMe262が飛んでいた。
Me262は地上の目標に爆弾を落とすが、全く検討外れの場所に落ちた。
その後Me262が降り、パイロットに研究者が駆け寄ってくる。
「ルーデルさん如何でした?」
そう呼ばれた男は苦い顔をして降りて来るなり
「何だこれは?こんな機体で爆撃しろというのか?」
「仕方ありません、総統閣下の命令なのですから」
「こんなもんに乗って戦場に出るくらいならグライダーに乗ったほうがまだ敵に爆弾が当たる。いいか、俺が望む性能はな・・・・」
爆撃の鬼がジェット爆撃機にアドバイスを出し始めた。
後にこの機体が魔帝戦まで猛威を奮うことになるとはまだ誰も分からなかった。
ちょっとルーデルの時系列がおかしい事になってますが、まぁ些細な問題です。