大ドイツ国召喚   作:イブ_ib

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バルチスタ海戦③

コルネフォロス

 

『敵機、低空より接近!』

 

 

『特殊砲弾による砲撃、初め!』

 

 

カイザルの号令と共に、高射砲から特殊砲弾が発射される。

 

 

◇◆◇◆

ドイツ雷撃隊

 

『このまま低空を維持!訓練通りにやれば良い!』

 

低空を維持して敵戦艦に突入している時、向こうの高射砲が撃ってくるのを確認する。

 

(しかし!この距離ならまだ大丈夫!)

 

エリウスはニヤケながら構える・・・が!

 

 

ドカァン!!!

 

 

すぐ隣を飛んでいた僚機の目の前で爆発し、僚機はバラバラになって海中に落ちる。

 

 

(!!?爆発が近い!)

 

 

エリウスは驚きを隠せない。

 

そうこうしているうちに、また1機、2機、3機と撃ち落とされていく。

 

「なんだ、アイツ!バケモンかよ!」

 

そう叫びながらエリウスは海面スレスレ、それこそ今にも脚が海面に着きそうなぐらいの高度まで下がる。

 

「っ!当たるなよ!頼む!」

 

 

◆◇◆◇

コルネフォロス

 

「おほほほほ!!!無様なモノね!!

ざまぁ見なさい!」

 

 

シオメルは扇子を振り回し踊りながら、落ちていく雷撃機を見て笑っている。

 

「この様子であれば、全機撃墜できるでしょう」

 

副長はそう告げるが、敵雷撃隊の中でも一際低空を飛んでいる機がいた。

 

「敵にも中々根性のあるお方がいらっしゃるのね!」

 

◆◇◆

 

「うおおおお!!!」

 

当たるな当たるな当たるな当たるな当たるなぁぁぁ!!!!

 

エリウスは祈りながら永遠に続くとも思える瞬間を飛んでいた。

 

かなりの低高度で飛んでいる為、近接信管の発信機の電波が海面に反射し起爆してしまう。

 

「落ち着け・・・落ち着け・・・落ち着け・・・!!」

 

順調に距離を詰め・・・、魚雷投下距離に達すると、すぐさま魚雷を投下して離脱する。

 

他の僚機は、兎に角当たるまいとはるか手前に魚雷を投下して離脱を図る。

 

(危なかった!)

 

「生き残ったのは俺含めて9機かよ・・・」

 

エリウスは背筋が凍る思いで、空母へ帰還した。・・・筈だった。

 

 

「・・・!!!」

 

グラーフツェッペリンがあったところから朦々と黒煙が立ち込めていたのだ。

 

◆◇◆◇◆

時は少し前に遡る。

カシオペア級空母『ゲルシー』から飛び立った機体は一路魔導連合艦隊に向かっていた。

 

シリウスパイロットのナントは、目を凝らし。

 

「いた!」

 

遠くの数十隻の艦隊を捕らえる。

 

「我々の部隊の目標はドイツ艦隊!

あの空母を狙うぞ!」

 

シリウス、リゲルが一直線にグラーフツェッペリンへと向かう。

 

◆◇◆◇◆◇◆

「10時方向よりおよそ100機がこちらに向かって来ています!」

 

レーダー員からの報告にクランケは舌打ちをした。

 

「くそ、もう1艦隊いたのか。直掩機を出せ!全艦艇にも対空戦用意!」

 

対空砲は迫る敵機の方へ向き、直掩機はカタパルトから次々と発艦していく。

 

 

「直掩機、敵戦闘機と会敵します!」

 

今度の戦いは空母を守る為であり、Bf109Tはシリウスとリゲルに攻撃を集中せねばならず、得意とする一撃離脱を封じられた。

 

そこに機動性の良いアンタレスが襲い掛かる。

 

『やられた!脱出する!!』

 

 

『追い付かれr・・』

 

『こちら3番機!撃墜しました!』

 

『助けてくれ!!いやだ!』

 

『こちら3番機!敵攻撃機撃墜!』

 

『またまた3番機!!敵雷撃機撃墜!』

 

なんかやたらと活躍しているのがいるが、それでも尚敵の勢いは衰えない。

 

 

『敵雷撃機!突入してきます!!』

 

リゲルが対空砲火を掻い潜り突入してくる。

 

2機のリゲルが魚雷を投下した。

 

『魚雷投下ーーー!!!』

 

「回避行動だ!急げ!」

 

後方ではグナイゼナウに爆弾が命中した様で、濃い煙を噴き上げている。

 

『魚雷1発目!!回避!』

 

1発目はギリギリの所を回避する。

 

『2発目!!間に合いません!!』

 

「総員衝撃に備えろ!!」

 

ズバァーーン!!!

 

凄まじい爆音と揺れが艦橋を襲う。

 

「左舷をやられました、現在被害を確認中。」

 

「火災は確認出来ず、修復に入ります!」

 

「甲板も異常なし、離発艦問題ありません!」

 

 

「よろしい。

全機グラーフツェッペリンに帰還するように伝えろ、全戦闘機を防空に充てる」

 

クランケは安堵していた。

 

海底に脅威が迫っているとも知らずに・・・

 

◆◇◆◇◆◇

 

古代兵器

空中戦艦『パル・キマイラ』

 

「意外と海軍も奮戦しているようだね」

 

魔導電磁レーダーで戦況を確認しながら

古代兵器戦術運用対策部運用課所属のパル・キマイラ艦長のメテオスは呟く。

 

「苦戦すると思っていたけどなかなかやるね。しかし一回ぐらいは戦闘を経験しておきたい。」

 

そういうと、メテオスはミリシアル主力艦隊に通信を入れるように命じた。

 

◆◇◆◇◆

 

『ンッフッフッフッフッフッ。

ではこれから上空を行くので攻撃しないでくれたまえよ・・・、陛下の大事な剣なのでな』

 

パル・キマイラはミリシアル艦隊に向けて報告した後、グラ・バルカス艦隊へ向かい、圧倒的な蹂躙をして壊滅させた後、ジビルという核に似た爆弾を用いて旗艦を沈めた。

 

 

 

◆◇◆数時間後

 

パーパルディア皇国

竜母打撃群

 

「第二文明圏連合竜騎士団、通信断絶。

全滅したものと思われます。」

 

第二文明竜騎士団500騎は、グ帝艦隊へ攻撃に向かってから僅か2時間で全滅した。

 

「やはりワイバーンロード如きに鉄船は沈めることは出来ませんね」

 

マータルはさも当然というような様子で言い放つ。

 

因みにヴェロニアは先程の攻撃で甲板が機銃掃射でズタズタになっており、貫通した銃弾がワイバーンオーバーロードにも被害を与えていた。

 

現在応急修理を急いでいるが、修理を終えて前線に向かったとして、オーバーロードでも格闘戦では大した戦果はあげられないだろう。

 

通常竜母のセイレーンやアビスなどは、残ったワイバーンロードがいるので直掩騎として出撃させる予定だ。

 

他の船は対空戦に備えて弾を補給していた。

 

◇◆◇1時間後◇◆◇

 

「またやられた!」

 

「クソが!撃て!」

 

既に展開していたオーバーロードは全騎撃墜された。

 

「砲撃!撃てェ!」

 

ロタティオンが全砲門を使い砲撃を行い、接近していた重雷装艦の魚雷に誘爆して大爆発を起こす。

 

✔️の字になって沈む敵艦を見て歓声を上げる間も無く、接近して来た別の軽巡が主砲をぶちかまし、ロタティオンの上部構造物を吹き飛ばす。

 

「ワイバーン隊は全滅、オーバーロードも離陸できる状況では無い。そして敵艦隊に押されている!」

 

現在バルスとマータルはヴェロニア艦内の1番装甲の厚い司令室にいた。

 

一向に好転しない戦況にヤキモチしていた所に、通信員が報告を行う。

 

 

「報告!神聖ミリシアル帝国旗艦『ベガルタ』より緊急魔信が入ります!」

 

そういうと、ヘッドホンから司令室スピーカーへと繋ぎかえる。

 

『神聖ミリシアル帝国旗艦『ベガルタ』より通達。これより我が帝国は古代兵器。古の魔法帝国の発掘兵器を使用する。各艦空中戦艦に対し、決して攻撃せぬよう周知徹底されたし。 以上』

 

 

その魔信を聞いた兵達はポカンとする。

 

 

「ま、まさか・・・、本当に空中戦艦が存在するというのか・・・」

 

「知っているのかマータル!?」

 

汗をかきながら震えるマータルを見て、バルスは只ならぬなにかを感じる。

 

 

「『空中戦艦』それは彼のラヴァーナル帝国が使用していた兵器の事です。」

 

 

「!、ラヴァーナルだと!?」

 

この世界の純粋なる住人であるパーパルディア皇国人は、この世界の魔導文明のNo.2の座にいる為、学校では必ずと言っていいほど古の魔法帝国について教育されている。

 

神聖ミリシアル帝国が古の魔法帝国の兵器を発掘して解析、そして開発して自国の発展につなげて来たと言うのは信じられており、ルディアスが勅令を出してフィルアデス大陸から魔法帝国の遺跡を見つける事に躍起になっている。

 

『南方より巨大飛行物体接近!』

 

見張りからの報告に、バルス達は甲板へ出て接近してくる方を望遠鏡で覗き込む。

 

ーーゴ、ゴゴゴ・・・

 

 

「バケモノだ・・・」

 

「流石、ミリシアルとしか言いようがありませんね・・・。」

 

まだまだ皇国と帝国の間には隔絶した技術差がある事を痛感する。

 

グ帝の航空機は空中戦艦を目標にしたらしく、一斉に襲い掛かる。

 

 

一瞬

 

 

 

僅か一瞬で、ある機体は火に包まれ矢のように落ちていき、ある機体は羽根が吹き飛ばされひらひらと落ちていく。

 

「流石ミリシアル帝国だ、あのバケモノではドイツであろうとも歯が立つまい。」

 

 

パル・キマイラ2号機は、グ帝の航空機を空中に浮かぶシャボン玉を叩き潰すが如く撃墜していき、いままで苦戦していたグ帝艦船も、川に浮かぶ笹舟を沈めるが如く撃沈していく。

 

 

そして。

 

 

空中戦艦が向かった先の空が、明るく光る。

それはまるで日が開けたような明かりであった。

 

 

空には見事なキノコの雲が浮かんでいた。

 

それを見たマータルは思わず祈りを捧げた。

 

 

「おぉ・・神よ」

 

 

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