大ドイツ国召喚   作:イブ_ib

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海戦の果てに。

パーパルディア皇国

エストシラント

パラディス城

 

「貴様が無事戻って来る事が出来て、余はとても嬉しいぞ」

 

「はっ!その御言葉、身に余る光栄であります!」

 

バルチスタ海域から帰還したバルスが、

ルディアスに戦闘結果の報告を伝えに来た。

 

「それでは報告致します!」

 

「うむ、」

 

報告によれば、自国の被害は装甲艦1隻、戦列艦1隻が撃沈。装甲艦1隻が大破。戦列艦が中破。他、竜母も全てが甲板をやられるなどして小破となっていた。

 

因みに皇国の戦果は、敵戦闘機6機と敵巡洋艦1隻と余りに控えめな結果だが、

まわりの国と比べれば巡洋艦1隻沈めただけで手放しで喜べるレベルである。

 

ルディアスは、報告を聞くと満足そうに頷いた。

 

「そうかそうか、此度の戦い実に御苦労であった。今日は体を労わると良い。」

 

そう言い、バルスは下がっていった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

皇都内情報局

 

情報局とは、ドイツの宣伝省に影響され新たに創設された局である。

 

その局長のダレスは、今回の海戦結果を見て、何処を積極的に宣伝するかを決め、魔画通信機に流す映像を作る。

 

◇◆◇◆

 

市街のあちこちに魔画通信機が設置され、此度の海戦の発表を行うと事前に聞いた皇国臣民は、画面を注視する。

 

徐々に画面に明るくなり、映像が映る。

 

『2月5日 バルチスタ海域にて、この世界を手中に収めんとする極悪非道なるグラ・バルカス帝国と我らパーパルディア皇国、神聖ミリシアル帝国、ムー、ドイツなる世界連合が相対した。』

 

その間々に、光弾の中を飛び交うアンタレスやワイバーンオーバーロードが映し出される。

 

『この戦いにおいて、我が皇軍精鋭の竜母打撃群は、神聖ミリシアル帝国の空の浮舟に匹敵する敵航空機を20機撃墜した。』

 

画面には、此方に突っ込んでいき火達磨になるアンタレスの映像が流れている。

戦果は当然の如く水増ししているが、それを疑う者はいない。

 

それどころか、皆「やはり皇国軍最強」と口々にしている。

 

『次いで、敵戦闘艦を3隻を轟沈せしめた。列強パーパルディアここにあり!と異世界の蛮族に思い知らしめたのだ。』

 

次はグ帝軽巡が魚雷で誘爆する様子が流される。大爆発で迫力満点な為、民衆の興奮も最高潮だ。

 

「パーパルディア万歳!」

 

誰かが叫んだ。

サクラなのかそれとも本当に心からの声なのかは分からない。

 

しかしその声は次第に広がり、声は皇都を包み込んだ。

 

 

「パーパルディア皇国万歳!」

 

「「パーパルディア皇国万歳!」」

 

「「「パーパルディア皇国万歳!」」」

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

ドイツ海軍は補給艦として輸送艦を連れていったが、慣れぬ海上補給に苦労した。

それに全体的な航行性能不足でかなり苦労したという。

 

今後、ドイツ海軍は哨戒と潜水艦によるグ帝輸送艦攻撃に重点を置くようになる。

 

 

◆◇◆◇◆

 

ムー国 国境の町アルー

 

国境沿いという事もあり、いつレイフォルが侵攻しても迎え討てるように砲兵陣地や、飛行場があった。

 

その砲兵陣地で、2人の兵が話をしていた。

 

「なあ、聞いたか?グラ・バルカス帝国とムーが衝突した場合、このアルーが最前線になるらしいぜ」

 

 同僚の発するこの言葉に、砲兵アーツ・セイは身震いする。

 

本当だったら戦争にならないでほしいが、グ帝の暴れっぷりから戦争になる

のは時間の問題となるだろう。

 

「・・・確かにそうなるだろう。

あの神聖ミリシアル帝国の古の魔法帝国の超兵器を退ける程の兵器を持つとはいえ同じ人間。

当たれば必ず死ぬし、陸上で砲が通じぬ兵器があるはずない!」

 

アーツは自国の兵器を信じながらも、敵が来ないことを祈った。

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

ムー国の国境の町、アルー西側約30kmに位置するグラ・バルカス帝国陸軍の最前線基地、バルクルスで帝国陸軍の砲兵部隊が整然と並ぶ。

 

その様子を、帝国陸軍第二砲兵師団長の

コーリーは眺めていた。

 

彼は先程ガオグゲルに言われた事を思い出していた。

 

(兵の精神衛生は、強さに直結するのだよ。少し考えを改めたまえ。

今回のムー侵攻作戦では、多数のムー国民の難民が出るだろう。

 君たちが敵国人をどう扱おうが、私は全くとがめるつもりはない)

 

 

国際条約の無視、略奪を認める言動。

 

栄光あるグラ・バルカス帝国の将兵にあるまじき思考。

 

皇帝陛下の面汚し。

 

 

あの顔を思い出すだけで吐き気がする。

 

「・・・キチガイめ」

 

コーリーは忌々しく呟く。

 

「少将、作戦開始お時間です」

 

 

「解った・・・、と、その前に我が砲兵隊に厳命する。」

 

「はっ」

 

「作戦終了後、敵国人の捕虜、難民が発生しても決して手を出さぬように。旧世界の国際条約と同様に扱う様に」

 

「承知致しました」

 

コーリーはマイクを取り、叫ぶ。

 

 

「砲撃ッ!始めッッッ!!!」

 

 

 




次からムー侵攻作戦が始まります。

我が皇国の勝利である(大本営発表)
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