ムー
首都オタハイト
先日のイシュタムの空襲により今尚街の至る所から煙が上がっているが、幸い火そのものは消火が終わったようだ。
しかし列強でも2番目のムーが、一方的にグラ・バルカスの攻撃にあったという事実は、国民にとって途轍も無いショックのようだ。
王城
侍従長バスティアは、今にも倒れそうな顔で国王ラ・ムーに先日の戦闘の報告を行う。
「首都防衛艦隊は敵艦隊との交戦により、全滅。
マイカルは敵別働隊の艦砲射撃によって港湾施設の殆どが破壊されました。
乾ドックで修理中のラ・カサミは何とか
攻撃を免れる事が出来ました」
残念ながらマリン改は、まだ首都防空隊には配備されていなかった。
「・・・そうか、亡くなった兵、負傷兵、そしてその家族には手厚い保護を頼む」
「・・・はっ」
「・・・で、ミリシアルに援軍を頼む事は確定したのか?」
「は、本日神聖ミリシアル帝国大使館において、援軍を要請し、無事派兵が決定したとの事です」
「そうか、ドイツはどうなった?」
「ドイツに対しても本日大使館に援軍要請を送ったようですが、良い返事が聞けるかどうか・・・」
「ほう・・・、まぁ第三文明圏の端だ。
距離的に無理もあるまい」
「その代わりですが、先程パーパルディア皇国から外征軍を派遣するとの連絡がありました。」
「パーパルディアかぁ・・・」
「パーパルディアで御座います」
正直言ってラ・ムーは、パーパルディアに期待していなかった。
何せ覚えてる限りでは、グラ・バルカスに滅ぼされたレイフォルとほぼ同じ装備だからだ。
「まぁ良いだろう。勿論他国に頼ってばかりではあるまいな?」
「勿論で御座います。現在キールセキに主力を集め、グラ・バルカスを迎え撃つ準備をしている所で御座います」
「そうか、この作戦は絶対に漏らすな。ミリシアルの様になってはいかん。」
「はっ!」
◆◇◆◇◆◇
パーパルディア皇国
パラディス城
「此度のグラ・バルカスのムー侵攻における暴挙! 列強として!この世界の秩序を守る者として決して許される事ではない!」
ルディアスの演説が終わるとアルデが口を開く。
「それで今回の派兵と言うわけですね」
「そうだ。我が皇国は海戦に次いで陸戦も強いという事を奴等に理解させねばならん」
「では、ムー国に皇国外征軍2個軍団を派兵する事に致します」
「うむ、やはり海路で行くのか?」
「はい、しかし潜水艦という物が脅威になりますので、中央世界上部の方へ遠回りする形でムーへと向かいます。」
「ムーへは無傷で兵達を届けたい。頼んだぞ」
「ははっ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
ドイツ
ベルリン
総統官邸
「と言うわけで総統閣下。
ムーより援軍の要請が来ておりますが」
「そうか、海軍としてはどうなんだ?兵を長距離間を運べるのか?」
「その問題については心配ありません。現在民間船を徴用し遠征部隊の準備を進めています。それに現在レイフォル沖にて潜水艦部隊による通商破壊を行っておりグラ・バルカスを現在レイフォル沖に留めさせておりますので、敵艦隊との接敵の可能性は無いものと思われます。」
「陸軍は現在Ⅲ号戦車Ⅳ号戦車の編成を完了しております。」
「空軍も既にスツーカ爆撃機に新型戦闘機フォッケウルフfw190を中心とした部隊の編成を終えています。」
「つまりはいつでも彼らにゲルマン民族の正義の鉄槌を下せると言うわけだな?」
「その通りであります。」
それを聞くとヒトラーは満足そうに肯くと命令を出した。
「ドイツ第三帝国総統アドルフ・ヒトラーは陸海空軍に対し、ムー大陸に遠征し愚かな敵を叩き潰す事をここに命じる!」
「「「ハイルヒトラーッッ!!」」」
◆◇◆◇◆